はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨のクジラが「取引所外の売買と新品コイン」を好む理由:最大20%のプレミアムも

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

機関投資家の動き
米DRWの仮想通貨部門責任者は、「仮想通貨市場全体が、プロの世界になりつつある。”西部開拓時代”は終わりを告げた。」と述べた。大口の最新傾向に、今まで知られざる一面も明らかに。
関投資家の主戦場は、取引所ではなくOTC取引
機関投資家の求めるコインの大量取引に取引所が応えるキャパシティがないため、OTC取引が盛んに行われている。 また、マイニングされたばかりの新品コインはマネーロンダリングに巻き込まれる可能性が低いため、20%ものプレミアムがついて取引されるとのことである。
マイニングファームとは
企業や組織がマイニングのために設置した大規模施設、及び敷地のこと。 日本企業では、GMOインターネットやDMM.comが運用を始めている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

機関投資家は既に市場にいる

『機関投資家の参入はまだか』

新たな資産クラスとして仮想通貨規制が整備されるのを待ちながら、仮想通貨市場が乱高下する度、仮想通貨投資家たちは何度もこう叫んできました。

しかし、この2200億ドル(約25兆円)規模の巨大市場には、すでに複数の機関投資家が介入していると、米国Cumberland社トレーディング部門のグローバルヘッドであるBobby Cho氏(以下Cho氏)は指摘します。

同社は、OTC取引を扱うDRWホールディングスの仮想通貨部門です。

コインのマイニング自体については、既に中国など電気代の安いアジアを中心に企業が何百台・何千台ものコンピュータを揃えてマイニングファームを整備しています。

市場の様子を見たり、コインを保有したりせず、機械的に売りさばき、その部門自体も組織化されています。

「もはや仮想通貨市場全体が、プロの世界になりつつある。”西部開拓時代”は終わりを告げた。」

とCho氏は言います。

同氏によれば、仮想通貨の大口購入者は、すでに富裕層からヘッジファンドへ切り替わっており、10万ドル(約1100万円)を超えるような大口取引が取引所を介さずに行われています。

機関投資家の主戦場は、取引所ではなくOTC取引

機関投資家は、取引所で売買せず、ブローカーを介して大量保有者やマイニングファーム等とOTC取引を行っているようです。

機関投資家が取引所を好まない理由は幾つか挙げられます。

第一に、OTC取引であれば、市場の突発的な乱高下に振り回されることなく、取引相手と事前に条件を交渉できるというメリットがあります。

しかし、市場リサーチ企業のFundstrat Global Advisers社で役員を務めるSam Doctor氏によれば、 機関投資家が取引所を介さない最大の理由は、コインの大量取引に取引所が応えられない点にあるそうです。

「機関投資家が市場に参入して来ているから、さらに需要と供給のバランスは崩れていく」

また、OTC取引にこだわる興味深い理由として、機関投資家は、採掘されたばかりの”新品コイン”を好むという理由も挙げています。

ヘッジファンドIkigaiの創業者であるTravis King氏によれば、 新品コインはマネーロンダリングに巻き込まれる心配がないため、最大20%ものプレミアムが付くこともあると言います。

OTC取引量は順調に成長

Digital Asset ResearchやTABB Groupのリサーチによれば、 今年4月には、2.5億〜300億ドル(約280億〜3.4兆円)ものOTC取引が一日に行われたそうです。

CoinMarketCap.comによれば、最近でも150億ドルの取引が毎日あると言います。

仮想通貨を専門に扱うボストンのCircle Internet Financial社CEO、Jeremy Allaire氏によると、OTC部門のビジネスは3桁成長を記録しているとのことです。

背景として、「これまで懸念されていた、仮想通貨市場における過剰なボラティリティがここ数か月で落ち着き始めており、ようやく伝統的な金融機関が腰を据えて参入できる環境になりつつある。」とCho氏は述べています。

なお、Cho氏が所属するDRW Holdings LLCでは、取引量の1/3がアジアのビジネス時間帯に起こるとしています。

CoinPostの関連記事

「機関投資家参入の扉が開かれる」仮想通貨仲介業務の詳細が明らかに
Uberの共同創立者Stephen Ehrlich氏が立ち上げたVoyager Digital Holdings Incは子会社である仮想通貨取引所Crypto Trading Technologiesに、機関投資家向けの仲介(ブローカー)部門を増設し、業務を開始する模様。
機関投資家向け調査結果「仮想通貨は普及する:70%越え」|相場下落の中で活発化する業界の動き
米国大手マネジメント・コンサルタント企業Greenwich Associatesは、北米・ヨーロッパ・アジアの機関投資家を対象に仮想通貨の将来性に関して、アンケート調査を実施。実に過半数以上の金融機関の重役は仮想通貨がいずれ普及すると見ている様だ。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
17:00
ハイパーリキッドの将来性・HYPEの買い方|注意点まで徹底解説
HYPEトークンの買い方から注目理由まで完全解説。手数料収益による自動買い戻し、機関投資家参入、ステーキング機能など、急成長するDEX「Hyperliquid(ハイリキ)」の魅力を詳しく紹介します。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年12月最新】
2025年12月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年12月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
07:00
JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧