コスダックでのIPO目指す
韓国大手暗号資産(仮想通貨)取引所Bithumb(ビッサム)は、市場でのシェア拡大を目指し、韓国の証券取引所であるコスダックへの上場を目指している。コリア・ヘラルドが13日に報道した。
関係筋によると、ビッサムは10月末にIPO(新規株式公開)のマネージャーとしてサムスン証券を選定しており、2025年下半期の株式公開を目指しているという。
主にナスダックにならって立ち上げられた新興市場コスダックへの上場を検討しているが、主要市場であるコスピ(韓国総合株価指数)への上場の可能性も前向きに見ているようだ。
関係筋によると、ビッサムのIPOは資金調達が目的ではなく、透明性の向上が目的だ。韓国ではまだ仮想通貨取引所が上場した例がないが、そうした中で初めて上場し、「規制の枠組みに参加」することで市場の信頼を獲得できると話している。
IPOプロセスを通じて、コーポレート・ガバナンス、経営の透明性、内部統制システムの健全性を検証するプロセスを経ることで、事業に対する信頼性を高めたいとする格好だ。
韓国では、旧テラエコシステム崩壊や大手取引所FTX破綻など、大手仮想通貨企業の破綻や不正を受けて、「仮想資産ユーザー保護法」が6月に国会で承認された。
仮想通貨企業に対して投資家の利益を保護するための要件遵守を求めている。
韓国では特に、Terraform LabsにDo Kwon CEOを含め韓国籍の従業員が存在していたことから、当局による捜査が行われた。同国で、この事件が業界への不信感を高めた可能性はある。
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今回の動きは、韓国の取引所最大手Upbit(アップビット)に対抗する戦略であるともみられている。アップビットは韓国市場で80%以上と圧倒的なシェアを占めている一方で、ビッサムの市場シェアは15~20%とされるところだ。
サークル社も米国で上場検討か
最近の、仮想通貨企業のIPO関連の動きとしては、ステーブルコインUSDCを発行するサークル社が、2024年に米国でIPOを検討しており、アドバイザーと協議中だと伝えられている。
サークル社は、このニュースについてのコメントは拒否したものの、「米国の上場企業になることは長年にわたる当社の戦略的抱負の一部だった」と述べている。
サークル社には、金融大手ブラックロックやフィデリティなども出資しており、USDCの時価総額はUSDTに次ぐ2位で約3.6兆円(240億ドル)を超えているところだ。
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