ユーザーベースの大幅な増加
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)は28日、2023年を総括する年末レポートを発表。仮想通貨にとって「逆風と勝利」の混在した激動の1年だったが、継続的な「価値ある製品開発と堅牢なインフラ構築」により、「これまで以上に強力な業界に到達した」と評価した。
The #Binance 2023 End-of-Year Report has landed!
— Binance (@binance) December 28, 2023
This year, we remained dedicated to putting users first and strengthening our business through:
🔸 Enhancing user security
🔸 Upgrading our Proof-of-Reserve system
🔸 Regulatory approvals across 18 jurisdictions
And much more 👇
Binance 2023 年末レポートが到着しました! 本年も引き続き、ユーザーを第一に考え、以下のような取り組みで事業を強化することに全力を尽くしました: ・ユーザーのセキュリティ強化 ・プルーフ・オブ・リザーブ・システムのアップグレード ・18の法域における規制当局からの承認
レポートによると、バイナンスはこの1年間で4,000万人超の新規ユーザーを迎えた結果、登録ユーザー数は昨年末から30%以上増加し、1億7,000万人に達した。
「ユーザーに最大の価値を提供する」をモットーとするバイナンスは、取引所関連の主要サービスの充実に加えて、Web3の発展を支える新たな製品や機能を導入している。
- サポートする法定通貨は69
- 431の仮想通貨と1,785の取引ペア
- Binance P2P: 112の法定通貨をサポートし、支払い方法は970通り。ユーザー数と取引数がそれぞれ39%と18%増加
- Binance Pay/Card のユーザー数が54%増加
- Binance Earn:362の資産をサポート、ユーザー数が35%増加し、製品にロックされた総価値(TVL)は16.8%増加
- ステーキングサービスの充実:ETHリキッドステーキングトークン「WBETH」をローンチ
また、バイナンスでは、ユーザーのためのソーシャルネットワークとコンテンツプラットフォームとして、「Binance Square」を提供しているが、2023年にそのクリエーター数は1,200人から11,000人へと急増。日毎のアクティブユーザー数も70万人から160万人超へと倍増したという。
コンプライアンスとセキュリティ
レポートでは、「バイナンスの歴史の新たな章の始まり」として、米国規制当局との法的和解と創設者チャンポン・ジャオ(CZ)氏の退任について短く言及した。
バイナンスはコンプライアンス技術やプロセス、人材への投資の継続を強調。同社が2023年にコンプライアンス・プログラムに投資した金額は約2億1,300 万ドル(301億円)で、昨年の1億5,800 万ドル(223億円)から 35%増加したという。
同社のコンプライアンスに対する取り組みが世界で認められている証左として、2023年末時点で日本を含む18カ国からライセンスや登録、認可を受けている事実を取り上げた。
また、仮想通貨の違法行為抑制の取り組みとして、世界の法執行機関と連携している例を示した。
- 法執行機関の要請5万8,000件に応える
- 専門知識を共有するトレーニングを120回開催
- 米FBIや司法省など当局の捜査支援(例:1億2,000万ドルの不正資金押収に成功)
- タジキスタンの金融監視局と協力し、テロ組織主要メンバーの逮捕を実現
バイナンスは、法執行機関に積極的に協力することは、エコシステムの安全につながるだけでなく、業界イメージの向上にも貢献すると述べている。
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ユーザー資金の透明性と安全確保
バイナンスでは、ユーザー資金の保護と透明性の維持に対する取り組みとして、プルーフ・オブ・リザーブ (PoR:準備金証明)システムを導入している。
昨年末にPoRでサポートされていたトークンは9つだったが、今年は31トークンへと拡大。さらにシステムの堅牢性向上とユーザーのプライバシー強化のため、今年、ゼロ知識証明技術のzk-SNARKを実装した。
また、バイナンスのユーザー保護の一環として設けられた、資金保険基金である「SAFUファンド」は年末時点で12億ドル(1,697億円)に達しているという。
Web3支援
バイナンスは、分散型金融(DeFi)と分散型アプリ (DApps)へのより安全で便利なアクセス方法を提供するため、Binance Web3 ウォレットをローンチした。バイナンスアプリに統合されたセルフカストディ型のウォレットで、仮想通貨の管理、複数のチェーン間のトークンスワップ、CeFi(中央集権型金融)とDeFi間の移行も可能だ。
レポートでは、ユーザーによって「数週間で数百万」のウォレットが作成され、その需要の高さが示されたと報告した。
また、同社の投資部門Binance Labsでは、2023年の投資対象として、ゼロ知識証明技術を活用したインフラとツール、Web3 ゲーム、DeFiのイノベーションに焦点を当て、2,000社以上のスタートアップから選ばれた36社を支援しているという。
CEOのコメント
11月にCZ氏からCEOを引き継いだリチャード・テン氏は、2023年を締めくくるにあたり、バイナンスは今年、「あえて変化を受け入れることで、さらに強くなった」と述べている。
米国当局との法的和解と経営陣の交代後、バイナンスへの資金流入は「非常に堅調」で、新規ユーザー数も増加していることこそ、同社とその将来のビジョンに対するユーザーの信頼の証だと主張している。
新年を迎えるにあたり、バイナンスコミュニティは楽観と希望に満ちた展望を持つに十分な理由がある。