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イーサリアムのガス上限引き上げ提案、ヴィタリク・ブテリン氏の狙いとは?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ガス上限引き上げの効果

イーサリアムの共同創設者であるヴィタリク・ブテリン氏は、イーサリアムネットワークにおける“各ブロック”のガス上限を現行の3,000万GASから4,000万GASへと33%引き上げることを提案した。

この提案は、イーサリアム財団のリサーチチームが開催したRedditの「Ask Me Anything」セッションで共有された。

現時点では具体的な実施プロセスが明らかにされていないが、この提案が実現すればネットワークの取引処理能力が向上し、それによりユーザーが負担する手数料が軽減される可能性がある。しかし、バリデータには追加のストレージと計算リソースが必要となり、運用コストの増加が懸念されている。

ブテリン氏は、「ガス上限の引き上げは3年近く行われておらず、これはプロトコルの歴史上最も長い期間である」と述べた。ガス上限の引き上げには、ネットワークのコアコードの大幅な更新は不要で、バリデータがノードソフトウェアの特定のパラメータを調整することで変更が可能だ。

なお、ブロック・ガスリミットとは別に、トランザクション毎に消費できる計算量やリソースの最大量(ガス)を示す「トランザクション・ガスリミット」が存在するが、今回の提案とは直接の関連はない。

関連:イーサリアムの取引手数料高騰、フロントランボットの関与が浮き彫りに

ガス価格高騰の背景

「ガス」とは、イーサリアムネットワーク上での取引やスマートコントラクトの実行に必要な燃料のようなもので、ユーザーはトランザクションを実行するためにこれを消費する。2024年1月現在、平均ガス価格はトランザクションあたり約1.89ドルで、DeFi運用上の取引など複雑になるほどガスコストは高くなる。

イーサリアムの各ブロックには、処理できる取引量の上限が設定されており、これを「ガス上限」という。多くのユーザーが同時に取引を行うと、限られた容量のために高いガス料金を支払う必要が生じる。しかし、ガス上限を引き上げると、ブロックあたりの取引処理量が増加し、ユーザーは以前ほど高いガス料金を競い合う必要がなくなり、結果として手数料が低下する。

出典:DUNE

昨年12月、イーサリアムのレイヤー2(L2)ネットワークが記録的な使用量を記録した際、ガス上限の引き上げを求める声が高まった。

Coinbaseのプロトコル責任者であり、レイヤー2ブロックチェーンBaseの開発者であるJesse Pollak氏は、ブテリン氏の提案を支持し、ガス上限を4500万Gweiまで引き上げられる可能性を示唆している。

ガスの単位について

GASはイーサリアムネットワークでの取引処理やスマートコントラクトの実行に必要な計算処理の単位。Gweiはイーサリアムの通貨単位。1Ether = 1,000,000,000 Gweiで、主にガス価格(トランザクションの単位ガスあたりの料金)を表す際に使用する。

関連:ブロックチェーンのレイヤー2とは|種類や注目点、代表的なネットワークを解説

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