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米コインベース、ビットコイン市場への逆風要因を指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場へのマイナス要因を指摘

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは8日、仮想通貨についての週刊レポートを発表した。

ビットコイン(BTC)など仮想通貨が、今後数週間でマクロ状況による逆風やマイナスのテクニカル要因に遭遇する可能性があると意見している。

コインベースの機関リサーチ部門のアナリストを務めるデビッド・ズオン氏らはまず、米連邦準備理事会(FRB)が、銀行ターム資金調達プログラム(BTFP)を3月11日で打ち切ることを挙げた。

BTFPは、一般に銀行への資金供給を行い金融システムの安定を支える目的で実施されるものだ。米国は、シリコンバレー銀行(SVB)破綻後の23年3月に、これを導入していた。

ズオン氏らは、プログラム終了により銀行が裁定取引する機会がなくなる可能性があり、そのことで金融システムにふたたび脆弱性が生じてくることも有り得ると意見している。

また、3月12日には米国における2月のCPI発表が予定されているが、もしここでネガティブなサプライズがあれば、他のリスク資産とともに仮想通貨の下落につながる可能性があると続けた。

さらに、バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチの調査が示しているファンドマネージャーによる手元資金の減少や、四半期末のリバランスが相まって、流動性が逼迫することも有りうると指摘している。

一方で、4月中旬に予定される半減期までの間で最も可能性の高いシナリオとしては、様々な要因が打ち消しあってビットコインが狭いレンジ内で取引されることだと述べた。次の価格水準が見えるのはその後だろうと推測する形だ。

関連: 「ビットコインは半減期後に4万2000ドルまで下がる可能性がある」JPモルガン指摘

ビットコイン現物ETFについて

コインベースのズオン氏らは、ビットコイン現物ETFの登場が市場環境を変えており、過去の半減期についての分析が通用するかはやや不確かになっていると述べた。

実際に、ETFが保有するBTC数量の増加率は、マイナーが生産するビットコイン供給量の増加率を3倍近く上回っていると続けている。

ただその一方で、過去3か月間のビットコインの流通供給量増加は、ETFへの合計流入量(9日までに10社合計約18万BTCの純流入)を大幅に上回っているとも指摘した。2023年第4四半期以降に、約15万BTCが採掘されたが、流通供給量は120万 BTC増加していると述べた。

ズオン氏らは、ビットコインを中期で保有している投資家が強気相場での売却を準備をしている可能性があるのではないかと推測している。

1月11日の取引開始から二か月が経過したが、現時点でビットコイン現物ETFへの流入は勢いが弱まっていない。

10社のETF合計で、資産残高は550億ドル(約8兆円)を超えており、取引高はその倍の1,100億ドル(約16兆円)となっている。

関連: ビットコイン総発行数の4%、現物ETFで保有 ビットコイン最高値再度更新

ビットコインETFとは

ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。

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