イーサリアムを移動
暗号資産(仮想通貨)の分析を行うLookonchainは14日、投資会社Jump Tradingが、1万7,049ETH(67億円相当)分のイーサリアムを移動させたと報告した。
このイーサリアムは、リキッドステーキングプラットフォーム「Lido」から引き出した分であると説明。Lookonchainは売却のために送金したと述べているが、違う見方も上がっている。
Jump Trading started selling $ETH again just now!
— Lookonchain (@lookonchain) August 14, 2024
They claimed 17,049 $ETH($46.44M) from #Lido and transferred it out for sale.
Jump Trading currently has 21,394 $wstETH($68.58M) left.https://t.co/Cx6nYYRtKw pic.twitter.com/ZNnY6EmeMF
Jump Tradingはマーケットメイカーとしても知られる企業。Arkhamのデータによれば、イーサリアムを細分化して複数の取引所に送ったり、USDTを取引所に送金したりして多くの動きがみられるため、今回のイーサリアムの引き出しは流動性提供の準備だったとの見方もある。
Lookonchainはこの時、Jump Tradingは100億円相当のイーサリアム(=21,394wstETH)をまだ保有していることも報告していた。
なお、Jump Tradingを巡っては今月、仮想通貨部門のJump Cryptoが数億ドル相当のイーサリアムの売却を進めている可能性があることが明らかになっている。先月に米国でイーサリアムの現物ETFがローンチされた直後から売却の動きがみられていることが指摘されていた。
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他の指摘
こういった大口の資金の動きは市場の売り圧になりうるため、投資家からの注目度が高く、様々な憶測を呼ぶことがある。今回のイーサリアムの移動については、「Jump Tradingが買い増しをするための価格操作だ」との指摘も上がった。
今年6月には「Fortune」が情報筋の話として、米商品先物取引委員会(CFTC)がJump Cryptoの仮想通貨の取引や投資活動を調査していると報じている。明確な違反があると確定しているわけではないが、価格操作との指摘が上がる背景には、こういった報道もあるとみられる。
また、2023年には、Jump TradingがステーブルコインUSTの価格操作疑惑で集団訴訟に直面した事例もあった。
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