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Jump Trading、ステーブルコインUSTの価格操作疑惑で集団訴訟に直面

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

価格操作に関与し利益を得たと申し立て

Terraform Labsの主要投資家であったJump Tradingは9日、ステーブルコインTerraUSD(UST)の価格操作に関与したとして訴訟を起こされた。

米拠点のJump Tradingは、市場の流動性を提供するマーケットメイカーとしての役割も果たしていた。

米国イリノイ州地裁に提出された訴状はTaewoo Kim氏を原告としているが、2021年5月から2022年5月までに米国でUSTまたは関連トークンであるアンカーUST(aUST)を購入し、それによって損害を受けたすべての人物を代表する集団訴訟の形を取っている。

原告は、Jump TradingがDo Kwon氏と、彼が率いる会社Terraform Labsと共謀して、自らの利益のために、USTとAUSTの価格操作を行っていたと申し立てた。これにより、トークン保有者らが数十億ドル相当の損害を被ったとしている。

昨年、無担保型ステーブルコインであったUSTが米ドル価格から乖離し、旧テラエコシステムが崩壊。様々な仮想通貨企業の破綻にもつながったことは記憶に新しい。

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ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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申し立て内容

申立書によると、Jump Tradingは、Terraform Labsから数千万のLUNAトークンを借り、LUNA、UST、aUSTの取引でマーケットメイキングを行うという契約を締結している。

この契約では、Jump TradingがLUNAを大幅な割引価格で購入できるものであり、Jump Tradingは、それを市場で転売して利益を得ることがことができた。

原告は、テラエコシステムが実際に破綻する約1年前の2021年5月時点で、テラのアルゴリズムはUSTの価格を1ドルに固定することに失敗したと述べている。この際、Terraform Labsは、これを公にすることなく、Jump Tradingと共謀して、秘密裡にUSTとAUSTの市場価格を操作したと続けた。

Jump Tradingは2021年5月に6,200万以上のUSTトークンを購入し、USTの価格、およびAUSTの価格を上昇させたという。原告は、次のように申し立てている。

Terraform LabsとDo Kwon氏は、市場操作に対する見返りとして、以前の契約を修正し、LUNAトークンを当時の市場価格から99%以上割引してJump Tradingに譲渡することで合意した。

Jump Tradingはその後、これらのLUNAトークンを市場で転売し、約1,738億円(12.8億ドル)を超える利益を手にした。

原告は、このような行為は商品取引法や商品先物取引委員会(CFTC)の規制などに違反すると述べる。

市場操作による価格維持を無限に行うことはできず、結果として2022年5月に、USTやLUNAなど含むテラエコシステム全体が完全に破綻したとも指摘した。

SECによる訴訟も

米証券取引委員会(SEC)は2月、Terraform LabsとDo Kwon氏に対して、証券詐欺を指揮したとして訴訟を起こしている。

SECの訴状の中でも、Terraform Labsが、USTの市場価格を操作するために、ある匿名の米国企業に協力を求めていたと言及されていた。今回の集団訴訟の原告は、この企業がJump Tradingであったと推測している。

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