再審の必要性を申し立て
FTX前CEOであるサム・バンクマン=フリード氏の弁護側は13日、第2巡回控訴裁判所に書類を提出。事件について、新たな裁判官の下で再審することを求めた。
あらかじめサム氏の有罪というストーリーができていたと主張しており、FTXが顧客に全額返済することなどを受けて、あらためて裁判を行うべきだとしている。
今年3月、米国地方裁判所のルイス・カプラン裁判官は電信詐欺、商品詐欺、マネーロンダリングその他でサム氏に対して懲役25年の判決を言い渡していた。
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サム氏の弁護側は、これについてカプラン裁判官が、初犯で物理的な暴力をともなわない犯罪に対して「25年という過酷な懲役刑を言い渡した」と意見。また、4週間におよんだ複雑な裁判の評決で、陪審員を急がせたと主張している。
さらに、実際にはFTXとその姉妹会社アラメダリサーチには支払い能力があったとも申し立てた。裁判官が弁護側の証拠提出を認めていれば、そのことを証明できたはずだとしている。
「FTXには支払い能力があった」と主張
弁護側は、初めから「サム氏が顧客資金を盗み、FTXを破産に追い込み、数十億ドルの損失を引き起こした」というストーリーが、FTXを引き継いだ法律家や彼らとつながりのある検察により自明視されていたと主張した。
しかし顧客への返金が確定した今では、「FTXが破産したことはなく、実際は顧客に返済できる数十億ドル相当の資産があった」ことが分かったと指摘。サム氏の裁判で、陪審員はこの状況を考慮に入れていなかったと述べた。弁護側は、控訴状で、次のように陳述している。
バンクマン=フリード氏は、お金を失ったり盗んだりしたわけではない。彼が行った投資はリスクが高くも愚かなものでもなかった。その多くは、アンスロピックへの5億ドルの投資やソラナへの投資のように、先見の明があった。
ただ、フリード氏の投資した資産には流動性がなく、2022年11月に取り付け騒ぎが起きた際は、顧客による引き出し需要を満たすために、すぐに現金に換えることはできなかった。
弁護側は、「FTXは流動性危機に直面したのであって、支払い能力危機に直面したわけではない」と論じる格好だ。
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また、裁判で検察側は、サム氏が高級コンドミニアムや政治献金に不適切に費やした数十億ドルは消えたと述べていたが、これは「誤り」だとも続けた。FTXとアラメダの債権者の資産は、破産財団によって返済されることが決まったので、「消えた」訳ではないと指摘する形だ。
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陪審員らは、FTXが債権者に100%以上の資産を返済する計画を提出する前の2023年11月に評決をくだしていた。
この際、FTXの顧客から1,200億円以上を不正流用し、その資金をバハマの不動産、新興企業への投資、政治献金に費やしていたと判断している。
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カプラン裁判官の発言にも言及
その他に、サム氏の弁護側は、カプラン裁判官が「バンクマン=フリード氏の有罪を強く信じている」と何度も表明したり、サム氏を嫌っていることを公然と表明したと指摘した。
それに加えて、無料の夕食や車の送迎サービスを提供することで、一晩で評決を下すよう陪審員を「不当に刺激した」とも申し立てている。
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