「Avalanche9000」に先立つRetro9000
暗号資産(仮想通貨)アバランチ(AVAX)の普及を推進するアバランチ財団は26日、ネットワーク上で新しいプロトコルを構築する開発者を支援するための4,000万ドル(58億円)の助成金プログラム「Retro9000」を発表した。
このプログラムは、「Avalanche9000」と呼ばれる大規模なアップグレードに先立ち、開発者のアバランチ上での構築活動を奨励することを目的としている。
Ava Labsの最高執行責任者Luigi D’Onorio DeMeo氏は、通常のテストネットからメインネットへの移行プロセスを変更し、テストネット期間を延長してインセンティブ付きテストネットを実施すると説明した。
開発者が助成金を受け取るには、最終的にメインネット上にプロジェクトをデプロイする必要がある。財団の目標は、テストネット上で強力なパイプラインを構築し、メインネットローンチ時に多くのプロジェクトが準備できている状態を作ることだ。
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Avalanche9000は、2020年のメインネットローンチ以来最大のアップグレードとなる見込みで、アバランチ上でのレイヤー1ブロックチェーンの立ち上げをより安価で、カスタマイズしやすく、維持しやすいものにすることを目指している。
このアップグレードには、「Etnaアップグレード」やACP-77、開発者インセンティブ、ツール類、コミュニティインセンティブ、Coreブラウザハブなどが含まれる。また、インターチェーンメッセージング(ICM)を通じて相互運用性を提供し、ネットワーク効果を構築することが可能になる。
Avalanche9000は、レイヤー1ブロックチェーンをデプロイするための経済的障壁を大幅に引き下げ、企業がより迅速に市場に参入できるようにしながら、あらゆる規模の開発者が実験できる安全な環境を提供する。プライマリーネットワークの検証要件も撤廃され、レイヤー1のバリデーターが高額なAVAXをステーキングする必要もなくなる。
Avalanche9000のテストネットは10月に開始される予定だが、メインネットのローンチ日はまだ決定していない。インセンティブ付きテストネットが終了した後、プロジェクトがメインネットにデプロイされ、遡及的に報酬が与えられることが期待されている。
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