はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

欧中銀エコノミスト警告「ビットコイン価格が上昇し続ければ社会の分断に」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

早期保有者だけに恩恵と主張

欧州中央銀行(ECB)のエコノミストが発表した新たな論文では、ビットコインの価格が上昇し続けるシナリオでは、初期保有者のみが利益を得る一方で、後から参入する投資家や保有していない人々は経済的に損失を被ると警告している。

暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の存在は、社会の安定や協調を脅かし、民主主義にも悪影響を及ぼす可能性があると指摘した。

ECBマーケットインフラ・決済部門ディレクターのルリッヒ・ビンドザイル氏と、同部門アドバイザーのユルゲン・シャフ氏によるこの論文では、「ビットコインは株式や不動産のようにキャッシュフローや利息、配当を生み出さず、生産性の向上にも寄与しないため、従来の評価手法でその価値を説明することが難しい」と主張している。

また、ビットコインの価格上昇は他者の富や消費を犠牲にしていることを示唆しており、キャッシュフローを生む投資とは異なり、ゼロサムゲームに近い性質を持つと解釈されている。

この論文に対して、仮想通貨支持者からは強い反発が出ている。ビットコインアナリストのトゥール・デメスター氏は、この論文を「ビットコインに対する最も攻撃的な論文」とし、ビットコインの技術的な優位性が無視されていると批判した。

ECBの論文では、ビットコインは本来、グローバルな決済システムとして設計されていたものの、投資資産としての位置付けにシフトしていると指摘している。また、ビットコインの継続的な価格上昇は、遅れて参入した人々の富や消費を犠牲にし、社会全体に不利益をもたらす可能性があるとしている。

この論文は、将来的な価格予測として「1BTCあたり100万ドルに達する可能性がある」とするARKインベストメントのキャシー・ウッド氏の強気予測にも言及している。

関連「ビットコインは2030年までに6億円に」ARKウッドCEO

「宣戦布告だ」との意見も

さらに、ECBの論文では、ビットコインを保有していない者に対して、ビットコインの上昇を阻止するか、ビットコインそのものを排除するための規制を求めるべきだと提言しており、今後の規制や政策対応の必要性が強調された。

デメスター氏はこの見解をECBからの「宣戦布告」だと捉えて、次のように続けている。

私たちHODLer(長期保有者)は、政府が財産を保有する基本的な権利を尊重することを確実にするため、行動を起こさなければならない。

これは持てる者と持たざる者の戦いではない。むしろ、これは個人の自然権を支持する人々と、集団主義と中央計画という失敗したイデオロギーにしがみつく人々との間の歴史的な衝突だ。

デメスター氏は、詳細な反論が必要だとも付け加えている。

また、上場ビットコインマイニング会社Hut 8の共同創設者であるマルク・ファン・デル・チジス氏も論文に懸念を表明した。アーリーアダプターは、先見性とリスクを取る意欲を理由に非難されるべきではないと主張している。

さらに、「ビットコインが2倍または3倍になった場合、より多くの政治家がビットコインに反対し、過度な課税を試みるのを見ても驚かないだろう」と続けた。

なお、ベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』で知られるロバート・キヨサキ氏は以前、ECBとは別の角度から見解を披露している。中央銀行がお金の供給量を増やす局面では、お金持ちはより豊かになるが、お金のない人や中間層は貧しくなると述べ、インフレヘッジとしてゴールドやビットコインを取り上げた。

関連金持ち父さん著者キヨサキ氏「米利下げで金・銀・ビットコインの価格は上昇へ」

また、市場アナリストのPlan C氏は論文には「隠れたシグナル」があると意見。ECBは今後各国の中央銀行が金融緩和で多量の紙幣を増刷することを知っているからこそ、(その資金が流入することにより)ビットコインが上昇し続けると考えるのだろうと独自の意見を述べた。

関連ビットコインETFは日本で買える?現物BTCとのメリット比較や関連銘柄の買い方も紹介

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:20
米ナスダック、SECの仮想通貨規制緩和を歓迎も有価証券分類の明確化求める
米ナスダックがSECに対し、仮想通貨が「実質的に株式」である場合は同等の規制を適用すべきとのコメントレターを提出した。
11:40
世界初のXRP現物ETF、ブラジルで先行取引開始 米国承認前に実現
ブラジル証券取引所B3で世界初のXRP現物ETF「XRPH11」の取引が4月25日に開始。Hashdexが運用する本ファンドはナスダックのXRP指数に連動する。
11:25
スイス中銀総裁がビットコイン準備金提案に反対表明、国民投票イニシアチブの行方は
スイス国立銀行総裁が、ビットコインは準備金として不適合だとの見解を示した。一方で国民投票を目指す「ビットコイン・イニシアチブ」は署名活動を継続中だ。
11:15
オソフ上院議員が批判 トランプ大統領のミームコイン晩餐会は「弾劾されるべき違反」
ジョージア州代表のオソフ上院議員がトランプ大統領のTRUMPコイン保有者向け晩餐会を「弾劾に値する犯罪」と批判。上位220名の保有者を招待する計画に対し、民主党議員からは利益相反の懸念が高まり、SECへの調査要請も行われている。
10:45
「ストラテジー社によるビットコイン寡占は深刻なリスクにならず」──『ビットコイン・スタンダード』著者見解
サイフェディアン・アモウズ氏が、企業によるビットコイン寡占リスクについて見解を示した。トランプ関税政策を批判し、ビットコインによる米国債務問題の解決策についても言及している。
10:15
世界経済の不確実性はビットコインにとって追い風=ブラックロック幹部
ブラックロックの幹部が世界経済の不確実性がビットコインの価値上昇につながると指摘。フィンクCEOは先月、米国の債務管理失敗によりドルの準備通貨地位がビットコインに奪われる可能性を警告。市場の地政学的分断が進む中、低相関資産としてのビットコインの役割が注目される。
08:40
ブラックロックのビットコインETF、BTC総供給量の2.8%を保有
世界最大の資産運用会社ブラックロックのビットコインETF(IBIT)がBTCの総供給量の2.8%を保有。58万2000BTCに到達し、今週単日で6.4億ドルの資金流入を記録した。
08:02
リップル社のトップ「現時点でIPOの必要はない」
リップル社のプレジデントは、同社がIPOを行う計画は現在はないと語った。財務は健全な状態にあるとし、買収などを行なって事業を成長させることに集中すると話している。
07:55
2026年までに世界の企業が300万BTC保有を予測 ビットコイン・マガジンCEO
ビットコイン・マガジンのベイリーCEOが上場企業によるビットコイン保有が急増すると予測。現在の70万BTCから2026年末には200万〜300万BTCに拡大の可能性。
07:25
ドラゴンチェーン(DRGN )価格が2倍以上急騰、米SECの訴訟取り下げを受け
米SECとドラゴンチェーンが4月24日、新政権下の「政策的観点」を理由に2022年から続く未登録証券訴訟の取り下げを共同申請した。
06:40
米SEC新委員長初参加の円卓会議、仮想通貨業界に「大きな恩恵」期待──前任ゲンスラー氏の厳格路線を批判
米SEC新委員長アトキンス氏が就任4日目の円卓会議で仮想通貨からの「大きな恩恵」を期待すると発言。バイデン政権下の厳格路線を批判し、「目的に合った合理的な規制枠組み」確立を目指す。
06:10
前週比65%以上高騰、仮想通貨SUI(スイ)がビットコインやイーサリアムを大幅アウトパフォーム その背景は?
仮想通貨Suiが週間66%高騰し主要銘柄を上回る急成長。グレースケールSUIトラスト設立やxPortalマスターカード提携がけん引。TVLは40%増、DEX取引量は177%増と実需も拡大中。「次のソラナ」との期待も。
04/25 金曜日
21:03
コインチェック、PEPEなど4銘柄を新規取扱いへ
仮想通貨取引所コインチェックは5月13日、PEPE・MASK・MANA・GRTの取り扱いを開始する。取引所の板取引銘柄は25へ拡大し、販売所・つみたて・貸暗号資産など全サービスで対応。
13:44
取引所のビットコイン残高が過去6年の最低水準に、企業購入加速も懐疑的な見方浮上
フィデリティの報告によると、取引所のビットコイン供給量が2018年以来最低の約260万BTCに減少した。上場企業による大量購入が背景にあり、この傾向は今後加速するとフィデリティは予測している。
11:30
ステーブルコイン市場、2030年まで最大500兆円規模へ シティが成長シナリオを予測
シティグループが、ステーブルコイン市場は2030年までに最大3.7兆ドル規模に成長すると予測した。また、そのうち米ドル建てコインが90%のシェアを維持すると見ている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧