CoinPostで今最も読まれています

SBI北尾代表がビットコインキャッシュのハッシュ戦争で強い懸念を表明『仮想通貨の採掘シェア3割保有で保有構造を是正したい』

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SBI北尾代表がBCHのハッシュ戦争に危機感
マイニング事業を行うSBIの北尾代表は、株主向け説明会で、仮想通貨の暴落を招いたビットコインキャッシュのハードフォーク問題及びハッシュ戦争について強い懸念を表明した。

SBI北尾代表がBCHのハッシュ戦争に危機感

SBIホールディングスの北尾代表は、株主向けのインフォメーションミーティングで、仮想通貨市場の暴落を招いた「ビットコインキャッシュのハードフォーク問題」と、ハッシュ戦争について語り、強い懸念を表明した。

(注)以下は、北尾代表の発言要旨をCoinPost編集部で見やすくまとめたものであり、発言内容には一部意訳が含まれます。

北尾代表

最大の問題は、中国で産業向け電気料金が(政府の援助で)安価だったため、(仮想通貨市場の黎明期から)ビットコインマイニングを一気に促進したことだ。

マイニングされた仮想通貨ビットコインの購入者は、法定通貨「元」の代わりに中国国外に持ち出して、米ドルに換えるような動きがあった。これを問題視した中国政府が仮想通貨の本格規制に乗り出し、取引所ごと取り締まったという経緯がある。

そのような過去があり、ビットコインシェアの内、約70%以上を中国人が保有している現状がある。

マイニングによって莫大な資産を築いた彼らが、”欲とエゴ”で合意なきハードフォークを行なったのが今回の出来事という認識だ。

今回の件は、周囲を巻き込んだハッシュ戦争で、仮想通貨全体のイメージ低下などにつながり、ビットコインの暴落要因になったと考えている。

(スケーラビティ問題の解決など)本当に必要なもので、みんなの合意の下に行われるハードフォークであれば良いのだが、今回の敵対的ハードフォークは問題だ。

このような保有構造を改善するため、採掘シェアの3割ほどを獲得することで、(株式市場の大株主のような状態になり)市場を是正しようと考えている。

マイニング事業について

出典:SBI決算資料

SBIホールディングスは、2017年8月に「SBI Crypto」を設立。ビットコインキャッシュ(BCH)を中心に海外でのマイニングを行っていた。

以前から、SBIホールディングスの経営近況報告会や決算説明会にて、「マイニング事業」参入の経緯について以下のような見解を示し、抱負を語っている。

  1. ビットコインのような「Proof of Work(PoW)」アルゴリズムを採用する仮想通貨に対して、特定の悪意を持った集団が膨大なマイニングパワーを持つと、「51% 攻撃」のリスクがある
  2. 市場健全化のためには「安定株主」のような存在が必要
  3. SBIグループがマイニングにより仮想通貨のシェアを取得し、市場の健全化を目指す

2017年10月13日時点でも、「ビットコインマイニングプールのシェアが、上位6プール中5社が中華系マイナーで、その5社のみで全体の60%以上を占める事態となっていることを危惧。

マーケットの不安定性を取り除くことが、仮想通貨市場の健全的な発展に必須である」と、その意義を強調していた。

ビットコインキャッシュ(BCH)に注力する理由

出典:SBI決算資料

2018年夏には、ビットコインキャッシュ(BCH)」に注力する理由として、以下の理由を挙げていた。

  • 一地域に偏在するマイニング状況の是正
  • SBIグループのデジタルアセットエコシステムにおける機能補強(流動性確保、クリアリングなど)
  • アクティブマイナー(取引承認者)としてBCHの発展に寄与する

「SBIグループがマイニングにより仮想通貨のシェアを取得し、市場の健全化を目指す」との目標に向けて取り組みを進めた結果、

2018年1月の決算説明会では、「今月より海外1拠点で開始、別の海外拠点においても年内開始に向け準備中であり、海外3拠点目の開設も検討中」と言及。2018年4月19日時点の採掘シェアは5.6%にまで拡大。

「順次、マイニング拠点増やし、最終的にトータルシェア3割の獲得を目指す」としていた。

そのような立場にあったため、今回のBCHハッシュ戦争は看過できず厳しい論調で批判、仮想通貨市場健全化について決意を新たにしているようだ。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者6,000名突破。

CoinPostの関連記事

FINSUM2018:SBI北尾氏が「SBIVCの展望、 Sコイン発行、Ripple社の訴訟問題」に言及
SBIグループの北尾代表が、日経新聞と金融庁共催の「FINSUM2018」で講演。Zaifハッキング事件や米Ripple訴訟、イーサリアムの上場を予定しているSBIバーチャルカレンシーズ(SBIVC)の展望など、話題のトピックについて見解を述べた。
SBIVC本稼働に向け、仮想通貨市場の将来性を語る|SBI経営近況報告会
SBIバーチャルカレンシーズ(SBIVC)が大きな期待を集める中、北尾社長が為替市場の年間取引高18京円と比べ、仮想通貨市場は69兆円に過ぎないと成長性を示唆。Sコイン構想やデジタルアセットを活用した新しい資金調達法「TAO」についても説明した。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧