ビットコイン相場のサイクル
暗号資産(仮想通貨)運用企業Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は29日、米国のトランプ大統領の大統領令がビットコイン(BTC)相場の4年サイクルに与える影響を考察した結果を公開した。
具体的には、トランプ政権の誕生で米政府が仮想通貨に対して肯定的になったことで、これまでの4年サイクルが変わるのかを分析。過去のサイクルに従えば2026年にビットコイン価格は下落することになるが、それ以降も強気相場が続く可能性があるのではないかということを考察している。
ホーガン氏は、これまでビットコイン相場は以下の画像のような周期を繰り返していると説明。例えば前回のサイクルについてBitwiseのデータは、2019年から2021年までビットコインのパフォーマンスはプラスだったが、2022年にマイナスになったことを示している。
つまり、この通りになると仮定すれば、2025年の今年はビットコインの価格は上昇するが、2026年は調整することになる。
なお、ホーガン氏は、このサイクルはビットコイン特有のものではないと強調。4年に一度訪れる半減期と結びつける人がいるが、そうではなく、よく言われる経済的な周期が仮想通貨の価格変動を増幅させている動きだと説明した。
今後の相場
このサイクルについてホーガン氏は、まず2025年についてはビットコイン相場が上昇する年だとの見方を示した。ビットコインETFへの資金流入、企業や政府のビットコイン購入などによって、年末までに1BTC=20万ドル(3,100万円)を超えるだろうと予測している。
一方でホーガン氏は、現時点で相場が過熱し始めているとも指摘。例えば企業が資金を借りてビットコインを購入したり、コインベースがビットコインローンの提供を開始したりしていることに言及した。
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そして、こういった購入やサービス自体は悪いことではないが、レバレッジの事例としては、これは氷山の一角であると指摘。デリバティブやETFなどのレバレッジ取引が増えていることも踏まえると、相場が過熱し始めていると感じるとしている。
この状態であれば、まだ4年サイクルは継続されるとホーガン氏は考えているというが、これから実際に米国で仮想通貨が優先事項となり、トランプ氏の大統領令が実行されて規制が明確化され、国家として仮想通貨を備蓄したり、ウォール街の銀行が本格的に仮想通貨事業に参入したりしてきたらどうなるかというのが、ホーガン氏の今回の考察のテーマだ。
同氏は、米国で現物ETFがローンチされたことだけでも多くの資金が流入し、4年サイクルを維持するのに十分ではあると指摘した。
この状況に加えて米国で銀行がカストディ事業を開始したり、ステーブルコインが世界の決済で広く使用されるようになったり、大手機関が仮想通貨のポジションを持つようになったりしたら、何兆ドルの資金が仮想通貨市場に流入するとみている。
2026年の相場
2026年の相場については、過去の4年サイクルの通りになればビットコイン価格が下落することになるが、ホーガン氏は「米政府の変化やトランプ氏の大統領令の影響をいつ感じられるようになるか」がポイントだと主張。それは数カ月なのか、年単位の時間がかかるのかに依存するとした。
その上で、大統領令が実施された影響などを来年まで感じられないのであれば、2026年は「仮想通貨の冬」になってしまうのかと疑問を提起。「投資家が冬眠してしまう」などと断定はしていないものの、影響を感じられないまま市場の過熱が続いたり、悪意を持つ攻撃者が現れたりすれば、相場が急落する可能性もあるとした。
それでも最後にホーガン氏は、急落したとしても以前よりは期間が短く、下落幅が小さくなるとの見方を示している。それは、仮想通貨市場が成熟しているためであり、現在は購入者が多様化し、長期的な価値を重視する投資家も増えていると指摘した。
その上で、価格は変動すると予想するが、2026年に仮想通貨相場が下落すると自身が断定しているわけではないと述べた。
なお、これは投資のアドバイスではないと説明している。また、BitwiseはビットコインETFを提供している企業でもある。
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