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「公正価値は3000万円超」、ビットコインは国家債務危機に対する有効なヘッジ手段=Bitwiseリサーチ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

世界で高まる債務不履行リスク

暗号資産(仮想通貨)運用企業Bitwise(ビットワイズ)の欧州リサーチ部門を率いるAndré Dragosch氏は20日、ビットコイン(BTC)は国家の債務不履行リスクに対する有効なヘッジ手段となると主張。G20国債の市場価値とデフォルトリスクから試算した、1BTCあたりの公正価値は約21万9,000ドル(約3,400万円)になると述べた。

Dragosch氏は、国家債務対GDP比が過去最高水準に達しており、債務不履行リスクが世界的に高まっていると指摘。例えば、米国の公的債務は、GDPの約123%に相当する36兆ドル(5,597兆円)で史上最高レベルであり、フランスの10年国債スプレッドは過去最高値に達した。また、英国でもスワップスプレッドが上昇し、政府リスクのプレミアムが高まっている。

このような状況下、投資家は価値の保存手段を探しているが、同氏は以下のような理由から、ビットコインは金に代わる「魅力的な選択肢」となると述べた。

  • 世界に分散化されたネットワークによる保護
  • 仲介者がいないため基本的にカウンターパーティリスクはない
  • 中央機関による検閲や没収の対象とならない

「ポートフォリオ保険」としてのビットコイン

Dragosch氏は、元ファンドマネージャーでビットコイン推進者のGreg Foss氏による2021年の論文に言及し、ビットコインは主要な国債バスケットのデフォルトに対する「ポートフォリオ保険」として機能する可能性があることを示唆した。

同氏は、以下のデータに基づいたG20国債のデフォルトリスクから、ビットコインの「公正価値」を1BTCあたり約 219,000ドル(約3,400万円)と試算している。

  • G20国債の市場価値=69.1兆ドル(1京740兆円)
  • 今後10年間の加重平均したデフォルトの可能性=約6.2%

また、G20諸国の国債すべてが同時にデフォルトするという可能性は低いが、その場合、理論上のビットコインの公正価値は約350万ドル(5億4,400万円)にまで上昇すると、Dragosch氏は説明した。

短期的に見ると主要国による債務不履行は予想されておらず、その可能性は低い。しかし、1800年から2000年代初頭にかけて、320件の国家による対外債務不履行の事例があり、歴史的に見ると、国家債務不履行はかなり頻繁に発生していることに注目すべきだと、同氏は述べた。

インフレヘッジとして

Dragosch氏は、主権国による外貨に対する債務不履行の可能性はあるが、自国通貨に関しては「中央銀行の印刷機」によって通貨の発行が可能なため、技術的には債務不履行を回避できることに留意すべきだと指摘した。

そのため、国内債務に関しては不履行となるシナリオよりも、高インフレリスクの可能性の方が現実味を帯びており、その場合は、ビットコインに大きな利益をもたらすことになると同氏は主張している。

その理由として、ビットコインの供給増加率が年間わずか約0.9%であるため、2024年には世界で最も希少な主要資産となっていることを挙げた。

以上を総合して、ビットコインはカウンターパーティリスクを負わず、希少性も高いことから、投資家にとっては、国家の債務不履行及びハイパーインフレの両シナリオに対する「興味深い」代替ヘッジ手段となる可能性が高いと、Bitwiseは強調した。

関連:「ビットコイン上昇は50万ドル超えるまでは初期段階」Bitwise幹部が根拠を説明

関連:ビットコインの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、最適な取引所選び

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