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欧州中央銀行、国際決済における分散型台帳技術の活用を検討へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーンを活用か

欧州中央銀行(ECB)は20日、中央銀行通貨の決済に分散型台帳技術(DLT)を使うことを検討するとECBの政策理事会が決定したと発表した。

ECBとユーロ圏の中銀からなる機関「ユーロシステム」は、既存のインフラの安全性や効率性を維持しながら、革新的なソリューションの使用をサポートしたいと考えていると説明。今回の取り組みは、一体化したデジタル資産の欧州市場を構築することにも寄与するだろうとも述べている。

DLTとは

「Distributed Ledger Technology」や「Decentralized Ledger Technology」の略。分散型の台帳技術のことで、ブロックチェーンもDLTの1つとされている。

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今回の発表の要旨は、革新的な金融インフラを構築する試みを発展させること。具体的には2つのアプローチを行うとし、1つ目は可能な限り早く、既存インフラ「TARGET Services」との相互運用を介して、中央銀行通貨の国際決済向けの安全で効率的なプラットフォームを構築するとした。

そして、2つ目が、DLTを基盤にした長期的なソリューションを調査すること。具体的には為替の決済など国際的な運用でDLTが活用できないかを検討する。ユーロシステムは、新しい技術の分析を継続し、官民のステークホルダーと積極的に関わっていくと説明した。

ECBの役員会で今回の取り組みを監督するPiero Cipollone氏は、以下のようにコメントしている。

我々は、安全性や安定性で妥協することなく、イノベーションを受け入れている。今回の取り組みは、イノベーションを通じて欧州の金融市場の効率性を高めることに大きく貢献する可能性がある。

これから、金融エコシステムを調和させて一体化していくという目標に十分配慮しながら、新たな取り組みにアプローチしていきたい。

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ECBの動向

ECBはこれまで、ユーロ圏の中銀と共にCBDC(中央銀行デジタル通貨)に相当する「デジタル・ユーロ」の研究にも取り組んでいる。CBDCは必ずしもDLTを使うとは限らないが、今回の取り組みの結果は、デジタル・ユーロの開発におけるDLT採用に影響を与える可能性がある。

公式サイトによれば、デジタル・ユーロの研究は現在も、開発の可能性に向けた「準備段階」のようだ。準備段階は、2023年11月に開始しており、当初から2年間をかける計画だった。

最近では2024年12月にデジタル・ユーロに関するレポートを公開。この時に公開した計画によれば、2025年はプロバイダーの選択やルールの草稿準備などを経て、10月ごろに政策理事会が次の段階の内容を決定するという。

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