CoinPostで今最も読まれています

韓国大手金融機関の新韓銀行がデリバティブ取引におけるブロックチェーン技術の採用を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

韓国の大手銀行、新韓銀行がブロックチェーン採用を発表
韓国の大手金融機関である新韓銀行が金融サービスやその内部プロセスにおけるブロックチェーン技術の採用を発表。韓国では、政府が主体となっているものも含め、様々なブロックチェーンプロジェクトが計画されており、今後も注目し続けていくべき国の一つであると言える。

新韓銀行がブロックチェーン技術採用を発表

韓国メディアであるThe Korea Timesが新韓銀行が金融サービスや内部プロセスにてブロックチェーン技術を採用するプロジェクトを開始したことを報道した。

1982年に創業された新韓銀行は、韓国国内における2番目に多い預金高を誇っており、韓国証券取引所だけでなく、ニューヨーク証券取引所にも上場を果たしている大手金融機関である。

その新韓銀行は、11月30日に、金利スワップ(Interest Rate Swap、IRS)関連の取引にブロックチェーン技術を完全に採用したことを明かした。既存金融分野に革新的な技術を組み込んだ、韓国でも類を見ない先見的な企業であると認識されつつある。

今年8月にも、デジタル商品券に関するブロックチェーン基盤プラットフォームを開発するため、韓国大手通信会社KTと新韓銀行が業務提携を行なった際に、同銀行デジタル戦略部門の責任者を務めるJang Hyeon-ki氏は、「ブロックチェーン技術が、顧客の金融活動を次なる段階へ押し上げるだろう」とコメントしていた。

そして今回、同銀行は、デリバティブ取引などの分野においても、ブロックチェーン技術を基盤とするスマートコントラクトを使用し、人為的なミスを排除することで、正確性や信頼性を高めようと試みている。

新韓銀行の代表者は、今回の取り組みに対して以下のようにコメントした。

ブロックチェーン技術のプロセスを採用する以前は、金融記録の管理や保管において確立された共通のルールが確立されていなかった。以前はいくらダブルチェックしていても、人為的なエラーが発生することが避けられなく、市場参加者が自身の記録に頼る場合もあった。

しかし、ブロックチェーン技術基盤の新しいシステムが採用されたことで、仕事の効率化と正確性の向上につながると言及した上で、今回新しいシステムを採用した分野だけでなく、さらに多くの部門でそのシステムを採用していくことを示唆した。

現在、同銀行内では、第三者機関とのデータ共有、認証が必要となる貸出金、デリバティブ、株式、債券、為替取引、送金、年金などの分野でのブロックチェーン導入を検討しているとのこと。

これらの全ての分野にてブロックチェーン技術基盤のシステムが採用されるかは定かではないが、新韓銀行のような大手金融機関が、その内部システムにブロックチェーン技術の採用を試みていることは非常に注目すべき取り組みであると言えるだろう。

韓国で拡大するブロックチェーンの使用

韓国では、仮想通貨が他の地域よりも高値で取引される現象が起きるなど、世界的に見ても仮想通貨熱も高まっている国の一つだ。

首都ソウル市長の朴 元淳氏も、ソウルを「今後5年間でブロックチェーン技術の中心を担うような都市に成長させたい」と語っている。

朴氏は、ソウル市内に200以上のブロックチェーン企業が拠点を置けるビジネス施設の構築や、ブロックチェーンプロジェクトへの投資予算の確保に加え、ブロックチェーン技術の行政プロセスへの導入も検討している。

さらに、韓国政府は、ブロックチェーン技術の発展を後押しするため、その該当予算を昨年度の3倍ほどに相当する3500万ドル(約40億円)に引き上げていることから、同技術への真剣さが伺える。

そして、今月12月にIBMのHyperledger Fabric基盤の投票システムが中央選挙管理委員会(National Election Commission、NEC)および、未来創造科学部(Ministry of Science and ICT)によって開発され、実験が行われている。

韓国政府は、このブロックチェーン基盤のシステムがセキュリティや透明性を高めることに繋がると記述した。

このように、韓国において、政府が多く関与し、様々なブロックチェーン計画が立ち上がってきていることは、仮想通貨とブロックチェーン技術分野の発展において非常に良い影響を与えると考えられており、今後も韓国の動きに注目していく必要があると言える。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者7,000名突破。

CoinPostの関連記事

韓国仮想通貨市場の「価格乖離」に投資家の注目と感心|国内規制状況、プロジェクトまとめ
韓国財務大臣、銀行と仮想通貨取引所との連携認める公式声明を発表
韓国取引所がセキュリティや資金洗浄など多くの問題を抱える中、韓国の仮想通貨取引所と銀行との提携が進まなかった。しかし韓国財務大臣の公式声明により、銀行と仮想通貨取引所との連携認められた。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/28 木曜日
17:35
分散型AIの3大プロジェクトが団結、新トークン「ASI」に統合へ
SingularityNET、Fetch.ai、Ocean Protocolが人工超知能連合を結成し、各プロジェクトの暗号資産(仮想通貨)を新トークンASIに統合する計画を発表。単一の分散型AIネットワークとしてリニューアルを目指す。AGIの父と呼ばれるベン・ゲーツェル博士が主導する。
15:58
ビットコインのレイヤー2「BEVM」ローンチ
BEVMがメインネットをローンチ。暗号資産(仮想通貨)ビットコインをガス通貨として利用するEVM互換のレイヤー2ネットワーク。シリーズAで数十億円を調達し、分散型ビットコインクロスチェーンカストディサービスを実現。
15:00
NEARプロトコル、マルチチェーン再ステーキング「LiNEAR」始動へ 
NEARプロトコルがChain Signaturesを導入、暗号資産(仮想通貨)の相互運用性を強化。ビットコインやイーサリアムなど複数のブロックチェーンをサポートする。オムニチェーン再ステーキングLiNEARが始動。
14:15
「イーサリアムが有価証券でもETF化は可能」ブラックロックCEO
仮想通貨イーサリアムに関しては、米国においてその法的ステータスが定かではない。CFTCは商品(コモディティ)と見做している一方、SECはETHに関係するスイスのイーサリアム財団を調査していることが先週報じられた。
10:45
Parallel Studios、VanEckやソラナベンチャーズから53億円調達
パラレルはイーサリアムメインネットおよびBaseチェーン上で稼働するものだが、先日発表された、コロニーのローンチ先がソラナのブロックチェーンであることや、今回ソラナベンチャーズが出資したことから、今後クロスチェーンでの展開が考えられる。
10:15
イーサリアム「BLOB」にデジタルアートを記録する方法 Ethscriptionsが導入
イーサリアムのチェーン上にデジタルアートなどを記録するEthscriptionsは「BlobScriptions」を発表。ブロブにデータを記録する方法となる。
08:10
21Shares、欧州でTONの上場取引型金融商品を提供
今月初めテレグラムは仮想通貨TONを正式に統合し広告収入をチャンネル所有者と共有し、TONブロックチェーン上でToncoinを使って報酬を支払うようになった。この動きが投資家からの需要を押し上げたようだ。
07:30
ブラックロック「BUILD」、一週間で240億円超の資金流入を記録
ブロックチェーン上でトークン化された現実世界資産(RWA)の運用を提供するOndo Financeからの10億円以上新たな資金もありファンドの規模は拡大中。
06:50
スクエニやソラナ財団、Elixir Gamesに21億円出資
Elixir Gamesは、ゲームローンチャー「Elixir Games Launcher」で、さまざまなWeb3ゲームを遊べるPCアプリを提供。また、Web3ゲームがNFTなどのゲーム内資産のセールを代行するローンチパッドで、ミントなどの機能を提供する予定だ。
05:50
SECに有利か、裁判官がコインベースの棄却申し立て認めず
その一方、裁判官は、コインベースが顧客が仮想通貨ウォレットアプリを利用できるようにしたときに、無登録ブローカーとして運営していたというSECの主張を取り下げることを決定した。
03/27 水曜日
17:25
Slash Payment、独自トークンのエアドロップ対象条件を発表
暗号資産(仮想通貨)決済サービスSlash PaaymentのエコシステムトークンSVLについて、エアドロップの参加条件が明かされた。分散型決済エコシステムの利益が、ステーキング参加者に還元。スナップショットまでに割り当てを増やすことも可能だ。
17:00
ビットコインなど仮想通貨投資の始め方|初心者が注意すべきリスクとおすすめ戦略
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)投資の初心者向けスタートガイドを解説。基本戦略や知識、特に注意すべきリスクやセキュリティ対策を紹介し、「何歳から始められる?」のか、取引所ごとの年齢制限一覧も提供。
16:04
KDDIのNFT市場「αU market」、アニモカブランズとの連携開始
KDDIが展開する「αU market」で、『PHANTOM GALAXIES』の限定版NFT販売を開始。アニモカブランズが支援するブロックチェーンゲームとの連携施策の第一弾。暗号資産(仮想通貨)ウォレット「αU wallet」を接続して購入できる。
14:23
21Shares「半減期前のビットコインは、過去の歴史とは異なるダイナミクスを経験している」
スイスを拠点にする資産運用企業21Sharesは、仮想通貨ビットコインの半減期が市場に及ぼす影響について分析したレポートを発表。ビットコインは現在、過去3回の半減期とは、「異なる市場ダイナミクスを経験している」と指摘した。
12:23
ビットコイン7万ドル台で堅調推移、コインベース・プレミアムは強気から中立に
暗号資産(仮想通貨)市場では、半減期前のビットコインは過去最高値に迫る7万ドル台まで反発して堅調推移を辿る。米国の機関投資家動向を示すコインベース・プレミアムは強気から中立に転じた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/03/28 15:00 ~ 18:00
東京 東京日本橋タワーB2階
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
重要指標
一覧
新着指標
一覧