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証券法の対象外に
米国証券取引委員会(SEC)の企業財務部門は27日の声明で、ミームコインの提供と販売は連邦証券法の対象とならない可能性があると正式に表明した。SECによれば、ミームコインは収益を生み出さず、企業の将来の収入、利益、資産に対する権利を付与しないため、証券の定義に含まれる一般的な金融商品のいずれにも該当しないとの見解を示した。この判断により、ミームコインの提供と取引に参加する人々は1933年証券法に基づく取引登録が不要となる一方、連邦証券法による保護も受けられないことが明確になった。
SECの声明は「ミームコインの提供と販売は企業への投資を伴わず、また他者の起業家的または経営的努力から派生する利益の合理的な期待を持って行われるものでもない」と明記している。いわゆるハウイーテストに基づけば、ミームコインの購入はプール型の企業投資を伴わず、他者の経営的または起業家的努力に依存するものでもないと判断された。ハウイーテストは1946年の米国最高裁判所の判例に基づくもので、資産が投資契約、つまり証券に該当するかを判断する基準となっている。
ただしSECは、すべてのミームコインが証券法から免除されるわけではないと警告している。プロジェクトが証券を偽装するためにミームコインというラベルを不正に使用している場合、そのプロジェクトの経済的実態に基づいて評価されるとしている。また、ミームコインの販売や宣伝に関連する詐欺的行為については、他の連邦機関や州機関が異なる規制に基づいて法的措置を取る可能性があることも示唆している。
この正式声明に先立ち、SECのヘスター・ピアース委員は2月13日、現在市場に出回っているミームコインの多くはSECの規制範囲には含まれないだろうと意見していた。ピアース氏は「ミームコインについて、議会が対処したいのであれば可能だ。また、米商品先物取引委員会(CFTC)が対処したいことかもしれない。ただ、ミームコインの多くはおそらく私たちSECの管轄外だと思う」と発言。米国では証券とみなされる仮想通貨の監督をSECが、商品(コモディティ)とみなされる仮想通貨の監督をCFTCが行っており、ピアース氏の発言はミームコインの多くがコモディティとみなされる可能性を示唆するものだった。
バイデン政権下でゲーリー・ゲンスラー前委員長が率いていた際、SECは任意のトークンを恣意的に証券と認定して取り締まりを行ってきたと業界から批判されていた。トランプ政権への移行に伴いSECも新体制となり、仮想通貨に特化したタスクフォースを立ち上げたところだ。その重要な任務には、仮想通貨の分類、特に何が証券とみなされるかのガイドラインを提示することも含まれている。