
前四半期から7000億円規模の減少
最大手資産運用企業ブラックロックは11日、2025年1~3月期の決算を発表。3月31日時点で、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)現物ETF(上場投資信託)の運用資産は、2024年12月末時点から約50億ドル(約7,200億円)減少していた。
ビットコインとイーサリアムの価格下落により、資産額は9%下落して、503億ドル(約7兆円)相当になった格好だ。2月頃より米トランプ政権による関税への懸念で、市場が影響を受けたことが背景とみられる。
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1~3月期に、iShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)には約27億ドル、iShares Ethereum Trust ETF(ETHA)には約5億4,800万ドルの流入があった。合計31億ドル(約4,450億円)で、これは同期のブラックロックの全投資商品への純流入額の約3%に相当する。
なお、ブラックロックは英国の当局から暗号資産(仮想通貨)事業者としての認可を取得したところだ。新たに欧州向けのビットコインETFを英国拠点から提供することを可能にした。
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トランプ関税下の仮想通貨ETF
米国のビットコイン現物ETFは、貿易戦争の可能性が懸念され始めた2月以降は苦戦が続いているところだ。

出典:coinglass
年初来ではピーク時の1月6日には9.8億ドル相当の日次純流入があったが、2月25日には10億ドル相当と、最大の日次純流出が発生し、その後も流出超過となる日が多い。直近では4月3日から10日までは6日連続の流出超過となっている。
なお、昨年1月に取引が始まってからの総純流入額は、約360億ドル(約5.2兆円)だ。
ブラックロックのIBITは、規模で首位を維持している。IBITが保有するビットコインは現時点で57.1万BTCであり、GBTC(19万BTC)やFBTC(18.9BTC)の約3倍となっている。

出典:coinglass
米国のイーサリアム現物ETFも、年初来では2月4日の3億ドルの純流入をピークとして純流出が続いている。なお、取引開始日からは合計23億ドル(約3,300億円)の純流入となっている。
仮想通貨ETF関連では、XRPの2倍レバレッジETF「XXRP」が10日にNYSEアーカに上場。初日7億円超の出来高を達成した。
ブルームバーグのETFアナリストを務めるエリック・バルチュナス氏は「仮想通貨市場や世界市場の混乱を考慮すると、これは非常に立派な成績だ」と評価している。
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ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。実際にビットコインを購入し、そのビットコインを基にした信託(ETF)を株式市場で取引するもの。投資家は直接ビットコインを購入することなく、その価値に投資することが可能になる。