
「本物」はどれなのか
6日、トランプファミリーが出資するWorld Liberty Financialが、トランプ名義の仮想通貨ウォレット開発を手がけるFight Fight Fight社に法的停止命令を送付したことがブルームバーグの報道で判明した。同社の長年の友人であるビル・ザンカー氏が運営するこの企業は、4日に「TRUMPウォレット」の開発発表を行っていた。
関連:TRUMPミームコインの仮想通貨ウォレット開発か トランプ一家は関与を否定
対立の発端は、Fight Fight Fight社がNFTマーケットプレイスのMagic Edenと提携してウォレット開発を進めると発表したことだった。ドナルド・トランプ・ジュニア氏は即座にSNSで「トランプ・オーガニゼーションは一切関与していない」と否定し、エリック・トランプ氏も「我々の承認なしに名前を使用することは極めて危険だ」と警告した。
Fight Fight Fight社は1月にオフィシャル・トランプ(TRUMP)というミームコインを立ち上げ、これまでに3億ドル超の手数料収入を生み出している。
一方、World Liberty Financialは昨年トランプファミリーが設立した正式な仮想通貨事業体で、独自のウォレット開発も進めている。同社はWLFトークン販売で約5億5,000万ドルを調達し、WBTC、ETHなどで構成される大規模な資産を保有中だ。
トランプ陣営の仮想通貨事業は急速に拡大しており、ビットコインマイニング事業や独自ステーブルコインUSD1の発行も手がけている。今回の内部対立は、拡大するトランプ一族の仮想通貨事業内での主導権争いが激化していることを浮き彫りにする形となった。
関連:ビットコイン10万ドル台で調整、トランプ関税とウクライナ情勢が重石 週末の米雇用統計に注目
関連:トランプ一家のWLFI(ワールドリバティ)とは?トークンセールなど注目のDeFiプロジェクトを解説