- ウェルズ・ファーゴ、不正営業で約6億ドルの和解金に同意
- ウェルズ銀は仮想通貨を「高リスク投資」と見なし、自社のクレジットカードによる仮想通貨購入を禁止するなど、一貫してアンチ仮想通貨なスタンスを維持してきた。しかし次々と発覚する大手銀行によるスキャンダルに対し、仮想通貨有識者は批判的な見解を示すと同時に、「腐敗した伝統的な銀行システム」の崩壊を予見している。
WF銀の不正営業、仮想通貨のスタンス
米経済有力メディアMarketWatchの報道によると、米3番目メガバンク ウェルズ・ファーゴ(以下WF銀)は、過去15年にわたる不正営業を認め、5億7500万ドルの和解金を全50州および首都D.C.に支払うことに合意した。
今回の莫大な和解金は、2016年に発覚した無断口座開設およびクレジットカードの無断発行に加え、住宅・自動車・保険といった各種ローンをめぐる、顧客に対する不正行為などの制裁金(ペナルティー)である。
同社は無断口座開設問題発覚の際、当時のCEO辞任とともに1.9億ドルの罰金命令に応じたものの、その後10件を超える不正行為が明るみに出た結果、制裁金総額は20億ドルを超えている。これらの不正行為には、前金融危機の元凶となった住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売なども含まれる。
ロイターの報道 によると、カリフォルニア州のXavier Becerra司法長官は、ウェルズ・ファーゴが顧客を保護するどころか信頼を悪用した事実について、以下のように批判した。
ウェルズ・ファーゴを頼りにしていた顧客だけでなく、我々の銀行システムへの信頼を脅かす、信じ難い信頼違反だ。
仮想通貨有識者の追撃
ウェルズ・ファーゴは2018年6月、JPモーガンチェースやバンク・オブ・アメリカに続き、自社のクレジットカードによる仮想通貨購入を禁止にした。この決定は「不安定な仮想通貨投資にともなう複数のリスク」の回避策であり、業界全体の流れに沿った決定であるとのコメントを発表した。
しかし最新の和解報道を受け、SNS上では批判が炎上。仮想通貨有識者らは一様に、長年にわたり顧客の信頼をことごとく裏切り続けていたウェルズ・ファーゴのような銀行が、ビットコインを筆頭とする仮想通貨を「信頼性に欠ける投資商品」と裁定する事実に疑問を唱えている。
クリプト市場リサーチ企業CyberLionは皮肉めいたツイートで、ビットコインの正当性を主張。
Guess who doesn't have branch employees that can cause massive damages because of their greed and incompetence? Bitcoin. #Crypto #Blockchain $BTC
— Cyber Lion (@CyberLionWeekly) 2018年12月28日
https://t.co/B6EJsJZqjQ
欲と無能さが原因で、大損失を引き起こす支店従業員がいないのは?答えはビットコインだ
モルガン・スタンレーにも罰金刑
奇しくもウェルズ・ファーゴの最新和解報道の2日前、同じく米大手銀行モルガン・スタンレーがマネーロンダリング違反の罰金として、自主規制機関の金融取引業規制機構FINRA(Financial Industry Regulatory Authority)に1000万ドルの支払いを命じられたことがコインポストでも報道した。
同銀の仲介業部門は2011年1月~2016年4月にかけ、アンチ・マネーロンダリング規制のコンプライアンスを遵守しなかった。モルガン・スタンレーは否定も肯定もしないまま罰金に同意し、「数年間におよんだ問題が解決したことを喜ばしく思う」と声明文の中で述べた。
この際もSNSで人気の仮想通貨アナリスト、Joseph Young氏を筆頭とする仮想通貨支持者が、政府や規制当局に仮想通貨が犯罪の道具扱いされている一方で、伝統的な銀行による犯罪行為が次々と明るみにでている事実を指摘した。
前述のXavier Becerra 司法長官のコメントは、ウェルズ・ファーゴという単独の銀行に留まらず、利益創出のために顧客を欺き続けてきた全ての銀行に向けられたものとして、受けとめることができるだろう。
消費者間で日に日に増している銀行への不信感とともに、連銀(Fed)により2018年4度目の利上げが実施された背景などが、仮想通貨市場の活性剤となる可能性は十分に考えられる。
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