はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

新構想「リーン・イーサリアム」とは? 今後10年の開発目標=ETH財団

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

トランザクション能力の大幅向上掲げる

イーサリアム財団のシニアリサーチャーであるジャスティン・ドレイク氏は7月31日、今後10年間の暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)開発の展望を発表した。「リーン・イーサリアム」を目指すという構想である。

「リーン(lean)」は効率的で無駄がなく、最適化された状態といった意味で使っている。

ドレイク氏は、イーサリアムは価値のインターネットの基盤となり、数十年、あるいは数世紀にわたって数百兆ドル規模の資産を守り続けるだろうと述べた。その上で、イーサリアムは、国家や量子コンピュータなど、どんな脅威にも耐えなければならないと続けている。

また、今後6~12か月の戦略的緊急課題としてはL1(メインネット)と、ブロブ(BLOB)のスケーリング(規模拡張)があると指摘した。

ブロブとは

イーサリアムのブロックに添付する一時的なデータパケット。大量のデータを保持することができるが、イーサリアムの仮想マシンに永続的には保存されない。このため、ブロックチェーンの永久ストレージを圧迫することなく、大規模データ転送を実現できる。

さらに、長期的なイーサリアムのトランザクション(取引)能力について野心的な目標を掲げている。メインネットで1ギガ/秒、1万TPS(1秒あたりのトランザクション数)を目指すとした。

なお、1ギガ/秒は、1秒あたり10億ガスの処理能力のことである。ガスは、イーサリアムのネットワーク上で取引やスマートコントラクトの実行にかかる計算コストを測定する単位だ。

レイヤー2(L2)ネットワーク全体では、1テラ/秒(毎秒1兆ガス)、100万TPSの処理能力を目標に設定している。現時点ではイーサリアムL1が1秒あたりに処理できるガスの最大量は約375万程度と推定されている。

関連:イーサリアムの価格と将来性を解説|今後の注目ポイントと中長期の成長シナリオ

こうした目標を達成するために、ドレイク氏は3つのレイヤー1のサブレイヤーすべてにわたる大胆なアップグレードを行うことを唱えた。

まず、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)ベースのブロック生成コンセンサス調整などを行う「ビーコンチェーン」を2.0に進化させ、究極のセキュリティと分散化、高速化を目指して強化するとしている。

次に、ブロブも2.0に進化させ、量子コンピュータに耐性のあるブロブにしたり、一時的・読み取り専用のメモリ領域「calldata」のような細かなブロブサイズ設定を行えるようにすると述べた。

さらに、イーサリアム仮想マシン(EVM)を2.0へ進化させる。暗号技術SNARK対応のミニマルな命令セットを備えさせ、パフォーマンスを向上しながら、互換性を維持すると続けている。

ドレイク氏は、「リーン・イーサリアム」は、セキュリティ、分散化、最先端の暗号技術を強化するものであり、美学でもあると説明した。

ミニマリズム、モジュール性、証明可能なセキュリティなども重要な技術的考慮事項だとしている。

イーサリアム財団は、イーサリアムの新たな章を開始するため、新体制を構築しているところだ。6月には新たな研究開発チーム「プロトコル」を立ち上げた。

関連:イーサリアム財団、研究開発チーム「プロトコル」新設 ワールドコンピューター実現へ

関連:イーサリアム将来価格2025展望 | ETF・機関投資家・開発動向の注目点

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/17 水曜日
18:51
仮想通貨の分離課税、2028年1月からの見通しか
暗号資産の申告分離課税の施行時期について、2028年1月からの案が浮上。金商法への移行や投資者保護体制の整備が条件とされ、当初想定の2027年より遅れる見通しだ。
18:00
Progmat, Inc.、次世代金融カンファレンスMoneyX 2026の企画・運営として参画決定
Progmat, Inc.が、2026年2月27日に東京で開催される次世代金融カンファレンス「MoneyX」に共催企業として参画。ステーブルコインやデジタル証券など通貨のデジタル化と社会実装をテーマに議論する。
17:51
GMOフィナンシャルHD、株主優待にビットコイン導入へ
上限1万円相当のBTC GMOフィナンシャルホールディングスは12月16日、2025年12月31日を基準日とする新たな株主優待を発表した。 新制度では、GMOクリック証券におけ…
17:45
トランプ大統領、仮想通貨支持派ウォーラー理事を次期FRB議長候補に面接へ=WSJ報道
トランプ大統領が仮想通貨支持派のウォーラーFRB理事を次期議長候補として18日に面接。ステーブルコインやDeFiに積極的で、利下げを主張する同氏は、エコノミストから高評価を得ているが、トランプ氏との個人的関係の薄さから「大穴候補」との見方も。
17:00
イーサリアム「フサカ」のメリット一覧|恩恵を受けるのは誰?
仮想通貨イーサリアムはフサカのアップグレードを完了しました。本記事では主にフサカによってどのようなメリットが生まれ、どんな主体が恩恵を受けるのかを考察します。
16:12
アニモカ・ブランズ・ジャパン、BTCFi事業者2社と相次ぎ提携 
Animoca Brands Japanは、Babylon LabsおよびBifrostとBTCFi分野で戦略的提携を締結。自己管理型ビットコイン運用ソリューションの日本市場展開を目指し、上場企業向けDAT支援事業を強化する。
15:52
トランプ一族関連のアメリカン・ビットコイン、BTC保有量で世界20位と発表
トランプ大統領次男エリック・トランプ氏が支援するアメリカン・ビットコインが、39日間で4社を追い抜き世界20位の上場企業BTC保有量を達成。2025年に企業のビットコイン保有が急拡大する中、同社は5,098BTCを保有し急成長を遂げている。
14:58
パンプ・ファンとソラナへの55億ドル訴訟、5000件の内部チャット提出へ
パンプ・ファンとソラナを相手取った集団訴訟で、裁判所が第二次修正訴状を許可。内部告発者から入手した5000件のチャット記録を新証拠として提出へ。40億~55億ドルの不正搾取疑惑でRICO法違反を主張。
13:45
ロシア下院委員長が仮想通貨の国内決済利用を否定、投資手段に限定
ロシア下院金融市場委員会のアクサコフ委員長が仮想通貨の国内決済利用を否定し、投資手段としてのみ認めると表明した。
11:50
JPYC EX、累計口座開設1万件・発行額5億円を突破
JPYC株式会社は、日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」において、累計口座開設数1万件、累計発行額5億円を突破したと発表。10月のリリースから約2か月での達成となった。
11:45
「ビットコインは最高値更新へ」Bitwise、2026年の3つの予測を公開
Bitwiseは仮想通貨投資家にとって特に重要な2026年の3つの予測を公開。その1つとしてビットコインは最高値を更新すると予測し、根拠を説明している。
11:40
セキュリタイズが来年トークン化株式取引開始、24時間オンチェーン取引を実現
証券トークン化プラットフォームのセキュリタイズが2026年第1四半期にトークン化された上場株式の取引を開始する。合成商品ではなく実際の規制された株式をオンチェーンで発行・取引し、24時間365日の流動性を提供へ。
09:45
ソラナに大規模なDDoS攻撃、ネットワークは現時点で影響受けず
仮想通貨ソラナが過去最大級の6TbpsのDDoS攻撃を受けたが、現在トランザクション処理は正常に稼働している。市場の下落を受けビットワイズのソラナETFは初の純流出を記録した。
09:40
マーシャル諸島、ステラでベーシックインカム支給
マーシャル諸島共和国がブロックチェーンを利用した世界初のベーシックインカムのオンチェーン支給を完了した。ステラーブロックチェーン上の主権債USDM1を使い、四半期ごとの現金配送をデジタル送金に置き換えた。
09:00
ビットコイン、2026年に過去最高値更新は可能か=グレースケールの最新予測
グレースケールは最新レポートで、ビットコイン価格の30%下落について歴史的には平均的な調整範囲内で、強気相場中の典型的な変動に過ぎないとの見解を示した。また、2026年には最高値を更新する可能性があると主張している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧