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アメリカのビットコイン準備金:最前線の動向と実態|WebX2025

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

大型Web3カンファレンス「WebX」では25日、米国の暗号資産(仮想通貨)ビットコインの準備金についてディスカッションが行われた。

タイトルは「アメリカのビットコイン準備金:最前線の動向と実態」。登壇したのは以下のメンバーである。

  • Samson Mow(サムソン・モウ)氏:JAN3のCEO
  • David Zell(デイヴィッド・ゼル)氏:ビットコイン政策研究所の共同創設者
  • 司会 佐藤陽一郎氏:ウィステリアハウス東京の代表取締役

「WebX」は国内最大手のWeb3メディア「CoinPost」を運営する株式会社CoinPostが企画し、一般社団法人WebX実行委員会が主催するWeb3カンファレンスで、今年は8月25日と26日に「ザ・プリンスパークタワー東京」で開催されている。

戦略的ビットコイン準備金(SBR)とは

ビットコイン政策研究所の共同創設者であるZell氏は、戦略的ビットコイン準備金について「国家が戦略的な目的でビットコインを取得することを指す」と定義した。

米国は石油戦略備蓄やチーズ戦略備蓄など、様々な物資を戦略的に備蓄しており、ビットコインも同様に政府が備蓄する強い動機のある資産として位置づけられているという。

トランプ政権が戦略的ビットコイン準備金に関心を示す理由について、Zell氏は以下の点を挙げた:

財政健全性と分散投資の観点

・米国は大量の金を保有しているが、ビットコインは金とは異なるリスクに対する保険として機能する
・世界の基軸通貨である米国債を発行する国にとって、ビットコインは世界秩序の変化に対する適切な価格の保険となる

国家安全保障の観点

・ロシア、インド、中国といった戦略的競合国が大量の金を保有している
・ビットコインが金よりも通貨として機能すれば、最大のビットコイン保有国である米国が相対的に有利になり、競合国の利益を損なう

各国の動向と追従の可能性

JAN3のCEOであるMow氏は、他国が米国の政策を追従する傾向について言及した。「パキスタンが戦略的ビットコイン準備金の創設を発表し、フィリピンでも議員が4〜5年で1万枚のビットコインを蓄積する計画を表明した」と述べ、世界的にこの動きが広がっていることを示した。

また、「『予算中立』という用語も世界的に浸透している」と指摘。各国政府が「お金をかけずにビットコインを蓄積する予算中立な方法」に関心を示していることを明かした。

実現への課題とタイムライン

現在の戦略的ビットコイン準備金は、主に押収されたビットコインを保管する仕組みに留まっている。実際の大規模な蓄積には2つの方法があるとZell氏は説明した:

予算中立な方法

・ビットコイン以外の暗号資産を売却し、その収益でビットコインを購入
・数億ドル規模に留まる可能性

議会承認による大規模購入

・シンシア・ルミス上院議員による「ビットコイン法案」
・5年間で100万枚(年20万枚)のビットコイン購入を目指す
・現在、上院で6人、下院で約12人の議員が支持

Zell氏は「政府は通常非常に動きが遅いが、緊急時には迅速に動く」とMow氏が指摘したように、タイムラインは不確実だが、緊急性が生じた場合の迅速な行動の可能性を示唆した。

日本への示唆

Mow氏は日本の政治家との会合について「全政党と面会を行ったが、戦略的ビットコイン準備金の緊急性や必要性についての理解はまだ十分ではない」と述べた。

一方で、「各国が重要な規模のビットコイン準備金を蓄積できるタイムラインは日々短くなっている。おそらく1年程度しか残されていない」と警告した。

Zell氏は日本政府に対して、「ビットコインの購入は弱さの象徴ではなく、強さの象徴だ」とメッセージを送った。「米国の例を見れば、ビットコインの取得意図と実行は、国内法定通貨への不安の表れではなく、その正反対の強さの証明だ」と強調した。

市場への影響と戦略的考慮

両氏は、大規模な政府によるビットコイン購入の「戦略的パラドックス」についても言及した。戦略的に購入するなら事後発表が理想だが、議会承認が必要な大規模購入では事前の意図表明が避けられず、他国による「先回り購入」のリスクがあるという。

現在の米国のビットコイン保有量については、ベサント財務長官が「150〜200億ドル相当」という幅のある発表を行っており、正確な数量は不透明な状況が続いている。

両専門家の議論は、ビットコインが国家レベルでの戦略資産として認識され始めていることを示しており、日本を含む各国の政策決定に重要な示唆を与えるものとなった。

トピックス:国内外のビットコイン保有企業・保有国動向

関連:ビットコイン準備金とは | 米国・各州の法案動向まとめ

▼登壇者概要

Samson Mow氏(JAN3のCEO)

世界有数のビットコイン提唱者。ビットコインの未来における不可欠性を力強く訴え続けており、ビットコインの国家導入支援を世界で行っていることで知られている。

Blockstreamで最高戦略責任者を務めるなど仮想通貨業界での経験が豊富。過去には、大手ゲーム会社Ubisoftでエグゼクティブプロデューサーなどの役職を務めた経験も持つ。

David Zell氏(ビットコイン政策研究所の共同創設者)

ビットコイン政策研究所を創設する前に、「ビットコイン・マガジン」を運営したり、ビットコインカンファレンスを主催したりするBTC Inc.で、政策部門のディレクターを務めた経験を持つ。

同社ではディレクターとして、教育や擁護活動を主導した。

サトウヨウイチロウ氏(ウィステリアハウス東京の代表取締役)

パブリックアフェアーズ・コンサルティング会社ウィステリアハウス東京の創業者兼代表取締役。国内外の経営者に対し、防衛、エネルギー、金融、文化、ドローン、ビットコインといった分野における戦略的支援を提供している。

2013年から2015年に第二次安倍政権の総理官邸で内閣総理大臣秘書官付を務めた経験もあり、国家安全保障会議(NSC)設置や平和安全法制の成立など国家安全保障に関わる重要政策に携わった。

▼WebXとは

WebXとは、日本最大の暗号資産・Web3専門メディア「CoinPost(コインポスト)」が主催・運営する、アジア最大級のWeb3・ブロックチェーンの国際カンファレンスです。

このイベントは、暗号資産、ブロックチェーン、NFT、AI、DeFi、ゲーム、メタバースなどのWeb3関連プロジェクトや企業が集結。起業家・投資家・開発者・政府関係者・メディアなどが一堂に会し、次世代インターネットの最新動向について情報交換・ネットワーキングを行うイベントです。

数千名規模の来場者と100名以上の著名スピーカーが参加し、展示ブース、ステージプログラムなどを通じて、業界最前線、グローバル規模の交流とビジネス創出が行われます。

▼WebX開催背景

日本市場は、政府によるWeb3政策の後押しを受け、世界各国から大きな注目を集めています。

他の先進国と比較した時の日本経済・国際競争力の低下が問題視される中、越境を強みとするWeb3分野は、アニメ、マンガ、ゲームなどIP(知的財産)大国と呼ばれる日本のコンテンツ産業等、さまざまな業種のDX(デジタル変革)化や、グローバル事業への進出を大きく後押しする可能性があります。

しかしながら、言語環境等を背景とした閉じた制度設計や最先端技術を取り巻く環境実態に則していない規制面などが課題としてあり、国外への人材流出、有望スタートアップの育成不足が課題として挙げられます

また、日本国内の事業者からは、Web3事業を進めるための知識やビジネスアイデアの構築、企業間ネットワーク、専門知識を有する人材不足などが浮き彫りになっていることが指摘されます。

このような背景を踏まえ、CoinPostでは、Web3分野で国際間交流と情報・人材の流通網を確立できる国際カンファレンスの確立がアジア市場における日本のブロックチェーン産業全体の成長に必要不可欠であると考えております。

日本だけでなく、世界各国でWeb3関連事業に携わる企業や関係者が一堂に会するイベントを開催するにあたり、第3回となる「WebX 2025」を開催する運びとなりました。

▼カンファレンス概要

開催日 2025年8月25日(月)・26日(火)
開催場所 ザ・プリンスパークタワー東京
主催 一般社団法人WebX実行委員会
企画 株式会社CoinPost
公式サイト https://webx-asia.com/ja/
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