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イーサリアムが創る企業変革の未来:テクノロジーから社会実装へ|WebX2025

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアムが創る企業変革の未来:テクノロジーから社会実装へ

大型Web3カンファレンス「WebX」では26日、イーサリアムが創る企業変革の未来についてディスカッションが行われた。

タイトルは「イーサリアムが創る企業変革の未来:テクノロジーから社会実装へ」。登壇したのは以下のメンバーである。

  • 伊藤 穰一氏:千葉工業大学学長
  • 宮口 あや氏:Ethereum Foundation President
  • 西村 真里子氏:株式会社HEART CATCH代表取締役

「WebX」は国内最大手のWeb3メディア「CoinPost」を運営する株式会社CoinPostが企画し、一般社団法人WebX実行委員会が主催するWeb3カンファレンスで、今年は8月25日と26日に「ザ・プリンスパークタワー東京」で開催されている。

「インフィニット・ガーデン」としてのイーサリアム

Ethereum Foundation Presidentの宮口あや氏は、イーサリアムのビジョンについて「インフィニット・ガーデン」という概念を紹介した。これは「オープンソースで、包摂的かつパーミッションレスな創造空間」としてイーサリアムを位置づける構想だ。

宮口氏は「イーサリアムの一番大事なところは、私たちがイーサリアムを所有しておらず、みんなで作り上げているということ」と強調した。エコシステム全体の成長において、早く変化する部分と変わらない価値観の部分の両方が必要であり、オープンソースやパーミッションレス(誰でも参加可能)といったコアな価値観を守りながら新しい成長を遂げていくバランスが重要だと述べた。

「ブロックチェーンを使う際に、まずトークンをみんなが持ってもらうことは必要だが、イーサリアムの部分を利用してより使いやすくしていく。誰でも使えるものであることが非常に大事で、レゴのブロックのようにいろんな方が考えて、どんどんものを組み合わせて作るアイディアがどんどん生まれてくる」(宮内氏)。

インターネットの歴史から学ぶブロックチェーンの必然性

千葉工業大学学長の伊藤穰一氏は、インターネットの発展過程とブロックチェーンの類似性について詳しく解説した。

「インターネット初期には何百ものプロバイダーが存在していたが、最終的に統合されていった。ブロックチェーンも同様で、あまりたくさんは必要ない」と指摘。インターネットが成功した要因として「ICANという組織が重要な役割を果たした。一番優秀な技術者が技術に基づいてアーキテクチャを設計し、お金目的ではなく、オープンソースだったので優秀な人材が集まった」と説明した。

「企業が全部を分けてしまうと、その企業と相性の悪い企業は使わない。誰でも参加できるパーミッションレスであることが大事」と強調し、イーサリアムがインターネットと同様の立ち位置にあると評価した。

日本・ブータンのID管理導入事例

具体的な社会実装例として、ブータンでの分散型ID導入について紹介された。伊藤氏によると「ブータンは国民のIDを分散型で作って、イーサリアム上に移行した」という。

この背景について「長期的に考えると、政府に完全に依存することにリスクがある。中央集権的なシステムは攻撃に脆弱で、たとえばロシアがウクライナを攻撃した際のように、個人情報やプロパティの所有情報などを全部消そうとするサイバー攻撃が可能」と説明した。

「ブロックチェーンに乗っていれば攻撃に対するレジリエンスが非常に高い。インターネットと同様に、戦争時でも破壊されないコミュニケーション手段として機能する」と分散型システムの重要性を強調した。

イーサリアム財団では、企業向けの取り組みを強化している。宮口氏は「エンタープライズ担当が会場にも来ており、来月開催される『Devcon Tokyo』では、企業が参加しやすいテーマやワークショップを用意している」と語った。

▼登壇者概要

伊藤 穰一氏:千葉工業大学学長

デジタルアーキテクト、ベンチャーキャピタリスト、起業家、作家、学者。教育、民主主義とガバナンス、学問と科学のシステムの再設計などさまざまな課題解決に向けて活動中。米マサチューセッツ工科大学メディアラボ所長、ソニー、ニューヨークタイムズ取締役などを歴任。株式会社デジタルガレージ取締役。デジタル庁デジタル社会構想会議構成員。2023年7月より千葉工業大学学長。

Neurodiversity School in Tokyo共同創立者。主な近著に、『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』(SB新書)『〈増補版〉教養としてのテクノロジー AI、仮想通貨、ブロックチェーン』(講談社文庫)がある。

宮口 あや氏:Ethereum Foundation President

新興国における金融包摂の可能性に魅了され、ブロックチェーン業界に参入。2013年にKrakenへ参画し、日本法人マネージングディレクターとして一般ユーザー、規制当局、投資家、メディアへの教育・普及を推進。

2018年にイーサリアム財団エグゼクティブディレクターに就任し、基盤研究・開発、資金支援、ガイダンス、クロスセクター教育を通じてエコシステムの発展を牽引。 2025年より同財団プレジデント。機関との関係構築に注力しつつ、イーサリアムを「インフィニット・ガーデン」――オープンソースで、包摂的かつパーミッションレスな創造空間――として、その本質を守り育て続けている。

西村 真里子氏:株式会社HEART CATCH代表取締役

2014年に株式会社HEART CATCHを共同創業。2020年には米国ロサンゼルスに拠点を広げ、テクノロジー、クリエイティブ、ビジネスの知見を横断的に活かし、企業や自治体と連携した新規事業プロデュース、スタートアップ支援、広報戦略設計、そして多数の企業向け教育プログラム開発に取り組んでいる。フランスで開発されたArt Thinking Improbableの日本代表の一人として、アート思考をビジネスやイノベーションに導入する活動も展開。これまでに複数の国内外スタートアップへの出資・事業支援実績を持つ。

内閣府「オープンイノベーション大賞」専門委員、経団連web3タスクフォース委員を歴任。現在は武蔵野美術大学 客員教授、Forbes JAPAN公式コラムニスト、静岡県フェローとしても活動している。また、伊藤穰一氏のYouTubeチャンネルで毎週金曜日に配信される 「weeklygm」 の共同ホストを務め、国内外のweb3/クリプトの最新潮流を広く発信している。異分野を自在に行き来しながら、人・企業・技術・文化を結びつける「Pollinator(ポリネーター)」として、枠を越えた発想とコラボレーションを創出している。

▼WebXとは

WebXとは、日本最大の暗号資産・Web3専門メディア「CoinPost(コインポスト)」が主催・運営する、アジア最大級のWeb3・ブロックチェーンの国際カンファレンスです。

このイベントは、暗号資産、ブロックチェーン、NFT、AI、DeFi、ゲーム、メタバースなどのWeb3関連プロジェクトや企業が集結。起業家・投資家・開発者・政府関係者・メディアなどが一堂に会し、次世代インターネットの最新動向について情報交換・ネットワーキングを行うイベントです。

数千名規模の来場者と100名以上の著名スピーカーが参加し、展示ブース、ステージプログラムなどを通じて、業界最前線、グローバル規模の交流とビジネス創出が行われます。

▼WebX開催背景

日本市場は、政府によるWeb3政策の後押しを受け、世界各国から大きな注目を集めています。

他の先進国と比較した時の日本経済・国際競争力の低下が問題視される中、越境を強みとするWeb3分野は、アニメ、マンガ、ゲームなどIP(知的財産)大国と呼ばれる日本のコンテンツ産業等、さまざまな業種のDX(デジタル変革)化や、グローバル事業への進出を大きく後押しする可能性があります。

しかしながら、言語環境等を背景とした閉じた制度設計や最先端技術を取り巻く環境実態に則していない規制面などが課題としてあり、国外への人材流出、有望スタートアップの育成不足が課題として挙げられます

また、日本国内の事業者からは、Web3事業を進めるための知識やビジネスアイデアの構築、企業間ネットワーク、専門知識を有する人材不足などが浮き彫りになっていることが指摘されます。

このような背景を踏まえ、CoinPostでは、Web3分野で国際間交流と情報・人材の流通網を確立できる国際カンファレンスの確立がアジア市場における日本のブロックチェーン産業全体の成長に必要不可欠であると考えております。

日本だけでなく、世界各国でWeb3関連事業に携わる企業や関係者が一堂に会するイベントを開催するにあたり、第3回となる「WebX 2025」を開催する運びとなりました。

▼カンファレンス概要

開催日 2025年8月25日(月)・26日(火)
開催場所 ザ・プリンスパークタワー東京
主催 一般社団法人WebX実行委員会
企画 株式会社CoinPost
公式サイト https://webx-asia.com/ja/
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