冷却障害で11時間超の取引停止
世界最大の先物取引所運営会社CMEグループは28日、データセンターの冷却システム障害により11時間以上にわたり先物取引を停止した。株式、債券、商品、通貨の先物取引が一時的に中断され、グローバル市場に混乱が生じた。
株式先物とオプション取引は米東部時間28日午前8時30分に完全再開した。CMEはグローベックス先物・オプション市場、外国為替プラットフォームEBS市場、BMD市場が影響を受けたと説明している。
CMEは障害の原因について、データセンター運営会社サイラスワンのシカゴ地域施設での冷却障害と説明した。サイラスワンの広報担当者は「11月27日、CHI1施設で複数の冷却ユニットに影響を与えるチラープラント故障が発生した」と公表。エンジニアリングチームと専門の機械請負業者が現場で冷却能力の完全復旧に取り組み、恒久システムを補完する一時的な冷却装置を配備したという。
今回の障害はCMEのEBSプラットフォームでの主要通貨ペア取引や、WTI原油、ナスダック100、日経平均、パーム油、金、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)などのベンチマーク先物の取引を停止させていた。先物は金融市場の主要商品で、ディーラー、投機家、ヘッジを希望する企業などが幅広い原資産のポジションを保有するために使用している。
今週は米国の感謝祭休暇で取引量が細り、月末のポジション決済を控えたディーラーが多かったため、障害がボラティリティを引き起こすリスクがあったと市場関係者は指摘した。ブラデスコBBIの株式戦略責任者ベン・レイドラー氏はロイターの取材で「CMEにとって汚点であり、市場構造の重要性と相互接続性を改めて思い出させるものだ」と述べた。
ただし、米国株式市場の取引時間が短縮され取引量が少ない日に発生したことで、市場への影響は限定的だった。テミス・トレーディングのジョー・サルッツィ共同マネージャーは「不具合が起きる日があるとすれば、今日はおそらく良い日だろう」と語った。
また、取引プラットフォームIGのシニアテクニカルアナリスト、アクセル・ルドルフ氏は「トレーダーがポジションを閉じられないリスクとそれに伴う潜在的コストを超えて、この事件は信頼性に関するより広範な懸念を提起している」と指摘した。
商品先物取引委員会(CFTC)と証券取引委員会(SEC)の両規制当局は状況を追跡しており、問題を認識して継続的な監視を行っていることを確認した。CMEは時価総額で最大の取引所運営会社で、金利、株式、金属、エネルギー、仮想通貨、農産物にわたる最も幅広いベンチマーク商品を提供している。同社は今月初め、10月の1日平均デリバティブ取引高が2,630万契約だったと発表している。
なおビットコインの価格は今回のシステム停止による影響は限定的で、前日比-0.4%、91,120ドルで取引されている。
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