CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨にとって苦しかった2018年 統計データ4種からビットコイン相場を振り返る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場はビットコインUSD建の取引ペアが1位健在
仮想通貨データプラットフォームのdiarが2018年の仮想通貨を総括するレポートを公表した。ビットコインマイニングの最新状況や取引所の出来高、ステーブルコインなど、昨年の話題やトレンドのデータをまとめて掲載。

2018年仮想通貨の動向を総括するレポートが公開

仮想通貨市場を様々な側面から分析するデータプラットフォームdiarが最新のレポートを発表し、ビットコインマイニングや仮想通貨取引所、またステーブルコインの3点にフォーカスを絞り、関連するデータや統計結果を公開した。

ビットコインマイニングの最新状況

まずは2018年のビットコインマイニングにおけるマイニングプールの比率を紹介。ビットコイン相場は2018年初頭は盛大な熱狂ぶりを見せ、1月のマイニングによる総収入は58億ドル(約6300億円)を超えていたものの、12月時点では僅か2.1億ドル(約228億円)にまで低下している。

マイニングシェアの分散化か

しかしマイニングプールの比率を全体で見ると、徐々にBTC.comのような大手プールから以前は少数派を占めていた匿名マイナーに流れが傾いている事が伺える。

出典:diar

Unknownマイナーを示すチャート上部の赤色部分を見ると1月時点では10%に満たなかった割合が徐々に増加し、年末には20%を占めるところまで来ている。

対照的に大手マイニングプールの一つであるBTC.comとAntpoolは年初にはビットコインマイニングの40%を寡占しつつある状況だったが、現在は30%までマイニングシェアの占有率が低下している。

しかし、比率が上昇しているアンノウンは正体不明のマイナーであるため、BTC.comやAntpoolといった既存のマイニングプールがラベルを貼らないでマイニングを続行している可能性もある。

加速化するASICBoost導入のマイニング機器

またdiarはマイニングハッシュレートを格段と向上させるASICBoostの採用比率をグラフ化した。特筆すべきは10月にAntMinerのマイニング機器でASICBoost導入を可能にさせるアップデートが発表された前後からASICBoostを利用した「採掘」されたブロック数の比率が指数関数的に上昇していることが伺える。

出典:diar

実際、4月と12月を比較するとその差は歴然だ。7月時点でも約2.5%だった利用率は12月までに35%と約14倍の採用率上昇を見せた。

仮想通貨取引所の出来高比較

さらにdiarは2018年の仮想通貨取引所におけるデータも比較した。興味深いのは仮想通貨取引所における総取引量の大部分がBTCUSDの取引ペアである点だ。

大手仮想通貨取引所のコインベースとバイナンスにおけるビットコインと米ドル建の取引ペアは約50%近くを占めた。

コインベースにおいては取引量が第一四半期から大幅な取引量減少が見られているが、仮想通貨市場のピーク時には17年10月から18年3月にかけて総額900億ドル近い取引量が見られた。

出典:diar

米ドル建の取引量は総額で830億ドル(約9兆円)に上っており、2017年の670億ドル(約7.2兆円)から20%近い上昇が見られている。

またビットコインとイーサリアムの取引量を合わせるとコインベースにおいては約75%を占める事が明らかになった。同レポートは引き続きビットコインとイーサリアムが2019年も取引量の大半を占めるであろうと予測している。

ステーブルコインの台頭

最後にdiarはドル建のステーブルコイン利用比率も公開し、現在時価総額7位を誇るテザー(USDT)が2018年を通して1番取引されている事が明らかとなった。

出典:diar

また仮想通貨市場が下落に転じた1月から2月にかけて取引量が20億ドルを超え、その後も徐々に取引量が増加していっている。一般的にテザーはボラティリティが高い仮想通貨市場において法定通貨に換金せずとも資産の一定が見込まれるため重宝されているが、仮想通貨市場の下落に伴い、多くの投資家がテザーに資金を移動したとも読み取ることができる。

マイニング、取引量やステーブルコインなど、様々なデータの側面から見ても2018年は仮想通貨市場にとって苦しい一年となった事を再び思い知らされるような結果となった。

しかし同時に下落の中でもコインベースの取引量は2017年比較で20%上昇するなど、長期的視点から仮想通貨市場の促進は密かに進んでいるとも言える。マイニングの匿名マイナー増加もそういった点では良いと言えるかもしれない。

また2017年は仮想通貨市場が過剰な投機熱により上昇したと言えるが、2018年は相場が苦しみながらも規制の明確化に向けた進歩が世界各国から徐々に見られた事など、2017年時点とでは明らかに環境が整っていることも忘れてはいけない。

米SECのVan Eck社のビットコインETFに関する最終判断や、Bakktの現物決済のビットコイン先物取引開始など、2019年も以前とは違った動きが予定されている。カストディのサービス企業増加など、仮想通貨業界全体での発展も見られているため、ビットコインの価格や市場材料だけではなく、仮想通貨を基としたサービスやdAppsなどの採用事例などにも注目していきたいところだ。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者10,000名突破。

CoinPostの関連記事

ビットコイン昨日の下落を打ち消すシンプソン相場を形成 トレンドは転換したのか?|仮想通貨朝市況
15日の仮想通貨市場は、ビットコインが15日明朝に1万6000円幅の値幅を伴う急騰を記録、bitFlyerの日本円建では40万円台まで一時復調した。結果として14日の急落分をまるごと打ち消す”シンプソン相場”の様相を呈している。
仮想通貨マイニングの詐欺事例の全容が明らかに 集団訴訟も準備へ|米CCNが報道
仮想通貨のマイニング投資でも、他の投資スキームと同様の詐欺事例が報告されている。今回は、The Crypto Crime Fighters (仮想通貨犯罪ファイターズ)と呼ばれるグループが、海外メディアCCN に情報を提供、被害者の証言などから投資詐欺の全容が明らかになった。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/29 金曜日
17:08
HSBC銀行がトークン化されたゴールド商品を香港で提供開始
HSBCは香港の個人投資家に向けて、オンラインバンキングとウェブサイトを通じたトークン化されたゴールド商品のアクセスを提供開始した。トークンはHSBC Orionプラットフォームで発行され、リテール向け、HSBCオンラインバンキングおよびHSBC香港モバイルアプリを通じて提供される。
15:30
Filecoinステーキング大手、Glifがポイントプログラム開始
暗号資産(仮想通貨)ファイルコイン(FIL)の、ステーキング・プロトコルGlifがポイントプログラムを開始した。FILトークン保有者は流動性プールにFILを預けることで、Glifのネイティブ・リキッド・リース・トークンである「iFIL」を受け取り、運用できる。
14:34
イーサリアム共同創設者ブテリン氏、Dencun後の改善点を語る
仮想通貨イーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏は、Dencunが完了した今後の技術的な改善点を提案した。
14:11
CoinTradeがソラナ含む4銘柄の取扱い開始、ステーキングサービスにSOL追加
暗号資産(仮想通貨)販売所CoinTradeがソラナを含む4銘柄の取り扱いを開始。ステーキングサービスにSOLを追加した。条件をクリアすることでSOLをプレゼントするキャンペーンを開催中。ジパングコイン(ZPG)など三井物産デジタルコモディティーズも新規で取り扱う。
12:55
日本DAO協会4月1日に立ち上げ 府令改正も同日公布
日本DAO協会が4月1日に設立される。DAOの自主規制や健全なエコシステムづくりを推進していくもので、協会自体の運営もDAOで行う計画だ。
12:24
ビットコイン7万ドル台で高止まり、ブラックロックの新規ファンド好調でRWA関連銘柄買われる
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが7万ドル台新高値をうかがう展開。アルト相場ではブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」絶好調の影響で、ONDOなどのRWA関連銘柄が買われた。
11:30
Googleサーチ、ビットコインやArbitrumなどのアドレスで資産残高を確認可能に
全ての資産を表示するわけではなく、残高は各ネットワークのネイティブトークン(ETHやARB、OPなど)のみを表示。
10:50
5月のローンチ目指す、香港でビットコイン現物ETF申請のVSFG
仮に香港で承認された場合、アジア初の事例となり、今後日本でのビットコインETF上場や発行にも追い風になりうるとみられる。
10:00
FTXのサム前CEOに懲役25年の判決 カリフォルニアで服役へ
米国地方裁判所の判事は28日、破綻した仮想通貨取引所FTXのサム前CEOに対して懲役25年、および最大1.7兆円の資産没収という判決を言い渡した。
08:40
2.6兆円相当のBTC保有数到達、ブラックロックのビットコイン現物ETF
純流入再び加速 ブラックロックのIBIT・ビットコイン現物ETFの運用資産は初めて、250,000 BTC(2.6兆円)を超えた。1月11日の取引開始からわずか11週間で2兆円…
08:10
Wormholeの仮想通貨「W」、取得開始日明かす
Wormholeは、今月7日に、Wトークンのエアドロップアロケーションや適合対象アドレスを公開。ソラナ、EVM系、Sui、Aptos、Osmosis、Injectiveといったネットワークでのユーザーや、ソラナNo.1NFTコレクションである「Mad Lads」のホルダーを対象としている。
07:40
米投資会社、マイクロストラテジーの株はBTCより割高と指摘
マイクロストラテジーの株価から概算する仮想通貨ビットコインの価格は17万ドル超であると米ケリスデールが分析。同社の株は、ビットコインに対し正当ではないプレミアムがついて取引されているとの見方を示した。
07:20
アバランチ財団「Codebase」、最初の支援プロジェクト15社を選出
アバランチではすでに「Colony Lab」という分散型アクセラレーターが活動しているが、今回Codebaseと連携し支援対象への資金提供を拡大し、1プロジェクトにつき、100万ドルを超える金額を提供する可能性がある。
06:45
5月承認の可能性低いもBitwiseらがイーサリアム現物ETFの上場申請行う
イーサリアムETFが現在の多くの申請の最終期限となる5月に承認される見込みは、SECがイーサリアム財団を調査しているとの報道などを受け大幅に後退している。1月には70%あったが、現在は20%程度まで低下してきた模様だ。
05:50
Bybit、ソラナミームコイン「POPCAT」の永久先物提供
ソラナの仮想通貨ミームコインへの需要は未だ高い。代表的な犬系ミームコイン「WIF」は29日過去最高値を更新し、前日比で20%上昇している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
2024/04/13 10:00 ~ 17:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧