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Web3×AI時代に日本が取り残されないために|WebX2025

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Web3とAIの融合をテーマとしたパネルディスカッション「世界のWeb3とAIの現状と将来性」がWebX2025(UPCXステージ)で開催。暗号資産取引所、AI法律サービス開発、ブロックチェーン基盤構築の各分野で活動する専門家が登壇した。

AIによる24時間365日の自動資産運用を可能にする「スマートウォレット」の登場、暗号資産の税制問題、日本が「Web3大国」として明確なビジョンを掲げる必要性など、技術融合の最前線と日本市場が直面する課題について具体的な議論が展開された。

登壇者プロフィール

  • 千野剛司氏
    Binance Japan代表。東京証券取引所で10年勤務後、米Kraken日本代表を経て、2022年より現職。
  • 横山英俊氏
    Robot Consulting代表取締役会長。2024年7月に米国ナスダック上場。AIを活用した「ロボット弁護士」サービスで法の民主化を推進。
  • 渡辺創太氏
    Startale group CEO。Astar Networkファウンダー。Forbes Asia 30 Under 30(2022年)選出。
  • Wasim Fukase氏
    ChainSight Co-Founder/CEO。リアルワールドデータのオンチェーン化を推進。

Web3とAIの技術融合の現状

渡辺氏は、AIとブロックチェーンの融合における具体的な技術革新として「スマートウォレット」を紹介した。従来はプライベートキーを自分で管理する必要があったが、秘密鍵を持たない新しい形のウォレットが登場したことで、AIがアドレスを保有し、スマートコントラクトを自由に操作して取引できる環境が整ったという。将来的には、AIが自律分散的に24時間365日、ユーザーの資産を自動運用する可能性があると述べた。

千野氏は、バイナンスのプラットフォームにおけるAI活用の現状について説明した。規制上問題のある取引やテロリスト、制裁対象者への送金といった不正取引の監視において、AIが膨大なデータから疑わしい取引を検出し、当局への報告業務を支援している実例を紹介した。

横山氏は、同社が開発する「ロボット弁護士」サービスについて説明した。法の民主化を目指し、AIで世界中の法律を学習させるサービスを展開しており、今後はブロックチェーンと連携した分散型AIサービスをローンチする予定であることを明らかにした。また、同社では100億円規模でイーサリアムベースのトークン戦略を検討していることも公表した。

日本市場の規制環境と課題

登壇者は日本の規制環境について課題を指摘した。横山氏は、株式の税率が20%であるのに対し、ビットコインの税率が高いことを問題視。ビットコインが世界の時価総額上位に位置しているにもかかわらず、有価証券として認められていない現状の改善が必要であると述べた。

千野氏は、日本が早い段階から規制を導入したことで透明性が高まり、ルールを守るプレーヤーが市場に残った一方で、新しい技術やテクノロジーがサービスに反映されにくくなったという両面性を指摘。

渡辺氏は、アメリカの積極的な姿勢について言及。トランプ政権下では、ホワイトハウスのウェブページにテクノロジーの枠組みとしてAIとブロックチェーンが明記され、SECがアメリカをデジタル資産のハブとして確立することに強くコミットしていると紹介。日本も明確なビジョンを掲げる必要があると訴えた。

さらに渡辺氏は、民間側ついても言及。「日本市場を離れてグローバル展開を目指すという考え方は間違っている。Web3は最初からグローバルである」と指摘。日本企業がより積極的に世界市場でプレゼンスを示す必要性を強調し、「民間側が結果を出すことが極めて重要。世界で一位になれば状況は変わる」と、グローバル市場での成功が規制改革への説得力になることを述べた。

千野氏も、Web3の本質的なグローバル性について「地理的な制約がない。本来的には即座にグローバルの投資家から資金を呼び込める」と説明した一方で、日本人特有の島国マインドセットの存在を指摘。事業内容、必要資金、目標を明確に伝えるグローバル標準のコミュニケーションの必要性を訴えた。

日本のスタートアップの現状について、千野氏はプロダクト開発よりもトークン発行を優先する傾向があることを指摘。渡辺氏は、スタートアップには受託ではなくプロダクト開発が重要であり、同社では受託案件を断り、ジョイントベンチャーによる共同開発を基本方針としていることを説明した。

一方で渡辺氏は、日本がWeb3を国策として位置付けたことで大企業の意識が変化し、積極的な参入が進んでいる点を評価。この傾向はアメリカよりも顕著であると指摘した。千野氏も、大企業が持つ信頼性とブランド力が、Web3技術の普及において重要な役割を果たしていると評価した。

今後の展望

横山氏は、OpenAIなどの現行AIサービスの構造的問題として、ブラックボックス化を指摘。AIの透明性確保において、ブロックチェーンが重要な技術基盤となることを説明した。学習モデルの内容や情報処理の透明性を追跡可能にすることで、健全なAI社会の構築が可能になると述べた。

千野氏は、既存のプラットフォーム利用者が意識せずにWeb3プロダクトを利用する状況が進展すると予測。AIは人間の脳の拡張として機能し、利便性は向上するものの、人間の経済活動の本質は変わらず、個人の意思決定がより重要になると述べた。

渡辺氏は、インターネットが情報の民主化、ブロックチェーンがお金や価値の民主化、AIが知の民主化を実現し、これらの技術が融合することで経済や人間の生活全般が大きく変化すると説明。今後30年の技術開発において、日本からグローバル市場で競争力のあるプロダクトやサービスを生み出すことの重要性を強調した。

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