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国際決済銀行が新たな仮想通貨の研究論文を公開|ビットコインの根幹技術を疑問視

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BISが新たな仮想通貨研究論文を公開
国際決済銀行(BIS)が、「仮想通貨における終末的経済学”プルーフ・オブ・ワーク “を超えて」と題した新しい研究論文を発表、ビットコインを支えるPoWシステムを批判した。

BISが新たな仮想通貨研究論文を公開

「中央銀行の中央銀行」と呼ばれる国際決済銀行(BIS)が、「仮想通貨における終末的経済学”プルーフ・オブ・ワーク “を超えて」(”Beyond the doomsday economics of “proof-of-work” in cryptocurrencies”)と題した新しい研究論文を発表した。

この論文の骨子は、ビットコインの決済完了方法であるPoW(作業証明)システムが持つ欠陥に言及し、その解決法として、PoWシステムに代わる、決済完了を行うシステム を提議している。Lightning Network等の新しい技術の導入も有用ではあるものの十分ではなく、そこには、何らかの調整メカニズムが必要であり、中央機関による制度化をその例として示唆している。

論文では、現行のPoWシステムでは、将来ビットコインのブロック報酬がゼロになった場合、新たに採掘されるビットコインの数が限られるため、取引手数料だけではマイニング費用を維持することができなくなり、ビットコインネットワークの承認速度が極端に遅くなり、事実上使用不可能になるといった、重大な影響があると主張している。

この論文の著者、BIS金融経済局主席経済学者のRaphael Auer氏は次のように説明している。

単純に計算してみても、ひとたびブロック報酬がゼロになると、支払い確定の速度を上げるために新たな技術が導入されない限り、ビットコインによる支払いが確定するまでに数ヶ月かかることがあるだろう。

Lightning Networkのようなセカンドレイヤー技術は役立つかもしれないが、唯一の基本的な解決策は、PoWから脱却することだと思う。そして、そのためには、おそらく何らかの社会的調整、または制度化を必要とするであろう。

デジタル時代においても”優良な通貨”は、完全に技術的なものとはならず、社会的構成概念でもあり続けるだろう。。。代替技術は、組織化された機関の支援なしでも機能することを、さらに証明する必要がある。

Auer氏は、仮想通貨を支えている技術が既存の金融および金融インフラを、どのように補完し改善することができるかが、さらなる研究の課題だと述べている。

ビットコインがこの10年間、さまざまな攻撃があったにもかかわらず生き残ってきた事実について言及し、その創始者ナカモト氏と支援者の功績は技術だけにとどまらず、社会的に大きな意味のあるものだと認めている。しかし同時に、既にこの技術に関わっている人々が意識すべきことは、これまで歴史の中で、中央銀行が、いかに人々の信頼を築き上げてきたかであろうと主張した文章であるといえる。

第1次世界大戦後の1930年、ドイツの賠償処理を円滑に行うことを目的に設立された経緯を持つBISだが、世界恐慌やドイツの賠償金支払い拒否等を受け、賠償金取り扱い機関として機能を果たせなくなり、代わりに中央銀行間の協力を促進する役目を担うようになった。

第2次大戦後は、世界各国の中央銀行が出資する法人として、中央銀行間の国際金融政策を調整する「中央銀行の中の中央銀行」となっている。

今回の論文には仮想通貨業界からの批判相次ぐ

まず、題名から仮想通貨に対し「Doomsday = この世の終わり」という表現を使い、中央銀行の存在意義を強調しているとも受け止められかねないAuer氏の論文に対し、海外仮想通貨メディアを中心に、中央銀行家のビットコインに対する恐怖心の現れだと厳しく批判が相次いだ。

BISはこれまでにも仮想通貨に対する多くの研究論文を発表してきているが、その多くは、仮想通貨の欠陥を指摘するものとなっている。また、今回のPoW批判に関しても、アルゴリズムの仕組みに理解が足りない点の指摘や、ビットコインの根幹を支え、価値そのものであるPoWを取り除く意見に難色を示す見方も多くある。

また、マイニングブロック報酬が0になってからのシステム無力化を指摘する内容もあるが、報酬には取引手数料も含まれているため、発行上限に達したことでブロック報酬報酬が0になっても、取引(トランザクション)データを次のブロックに含めるマイニングに対するインセンティブとして、取引手数料が継続して働たらくことになる。マイニング構造自体はインセンティブ設計が多少変わるため、予想することは困難であるが、市場供給量が頭打ちすることでの通貨価格に比例する取引手数料の状況も変わってくることは明白だ。

中央銀行が発行する通貨の背景にある『政府の信頼性』と非中央集権化で高い検閲体制を維持してきたビットコインの『ネットワークに参加による信頼性』、政府の経済破綻なども見られている昨今、このような議論は加速する可能性が大いにあるだろう。

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