- ビットコインETF承認の最短時期
- 仮想通貨市場で注目を浴びた最有力ETFの申請取り下げを行なったVanEck社、今後の再申請予定と可能性はどのようになるのか?業界に精通する米弁護士は、問題解決に向けた具体的な日程を明示、今後の展開を説明した。
ビットコインETF申請の現状
仮想通貨市場においてのETF承認は、仮想通貨市場に重要な変化をもたらす可能性から、大きな注目を集めているが、ETF申請が米SEC(米証券取引委員会)により承認された事例は一度もない。
米国の政府閉鎖の長期化により、ETF承認の最有力候補とされていたVan Eck/SolidX版の申請が、大手オプション取引のCBOEによって取り下げられたことにより、ETF承認がまた先送りになっている。
しかし、取り下げを行なったVanEck側も、米SECとの議論は継続していく意向を示しており、米政府閉鎖の状況が明確に分かり次第、再申請を行うとしている。
では次回のETF承認は最短で「いつ」になる可能性があるのか?
ビットコインETF承認の最短時期
現在、9つのビットコインETFに関する意見書が、政府閉鎖により宙ぶらりんの状態となっている状態にある。ProShares, Direxion また GraniteSharesのETF申請はいずれも「市場操作のリスク」などの理由により昨年「不承認」とされたが、米SECはいずれの申請も再審査を行なう意向を示している。
しかし、これらの再審査には法的期限はなく、過去の事例から再審査の期間を見ていくと、6ヶ月から16ヶ月というも期間も存在する。いずれにせよ米SECは政府機関閉鎖によって、米SECの活動が一時的に制限されていることも要因の一つに挙がる。
この米政府閉鎖は、1月26日現在、トランプ米大統領が邦政府の一部閉鎖を3週間解除することで与野党と合意したと発表した。3週間という一時解除という形で過去最長となった政府閉鎖がひとまず終わることがわかっているが、これまで停止していた業務再開にあたり、仮想通貨関連の申請処理が進むかは不明確なままだ。
専門家はどのように見ている?
仮想通貨市場やブロックチェーン技術関連の法律専門家として知られるJake Chervinsk氏も以下のような見解を述べている:
- 政府機関が完全に再開しても、米SECは再審査に数ヶ月ないしは1年以上かける可能性がある
- 仮にETF承認が年内に行われる場合、「再申請の時期」「判断を下す時期の仮想通貨市場の状況」が重要
また、ETF再申請を行なった場合も、これまでの審査期間がリセットされることから、米SEC側は最終判断までに新たに240日の猶予が与えられることになる。これは逆算すると、年内の12月31日までETF承認されるためには、遅くてもVanEck側が、2019年の5月5日にETFの再申請を行なう必要があるようだ。
また、Jake Chervinsk氏は結論で次のように述べている:
米SECが過去にETF不承認の理由として挙げた、価格、流動性、カストディ、市場操作等のこれらのリスクが十分に払拭されたのか、つまりビットコイン市場の成熟性がETF承認の最大の焦点となっている。
私の見解では、それらの成熟性に要する期間は10ヶ月もあれば十分に証明が可能で、SEC側との議論の結果、ビットコインETF承認も実現するだろう。
これらのことを踏まえると、申請の時期次第では年内実現の可能性は残されている形だが、ビットコインETF承認の実現は年内まで行なわれるかは、定かではない。
しかし、ETF承認に向けて市場はが着実に発展したことは間違いなく、申請によって明確化された健全な仮想通貨市場に向けた問題点は、各国での規制の取り組みを変えただけでなく、申請企業を中心とした米国企業の取り組み方を大きく変化させる要因になった。
現状、申請許可には至っていないが、初めて申請された当初から、これらの状況は変化していることは間違いない。ETF申請に係る問題点を元に、解決策を明示した申請企業もでてきており、ETF許可はそれほど絶望的な状況では無いとの見方も多くある。
投資家の中では、ETFの非許可報道が続き、最有力のETFも取り下げを行なったことから、厳しい見方もあると思われるが、将来的なボラティリティや市場操作の低減を通した業界健全化の動きには、デリバティブ商品の増加やETF実現は、大きな要因になりえるものであり、これからも重要指標であり続けることは間違い無いだろう。
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