- 韓国、ICO禁止令解除せず
- 韓国の金融委員会(FSC)は、海外でICOを行なった22社を調査対象とした報告書の結果に基づき、ペーパーカンパニーによる国内向けのICO実施や情報開示の不透明性などを理由に、投資リスクが高いと判断し、国内ICOの全面禁止を解除しない方向を明らかにした。
韓国、ICO禁止令解除せず
Coindesk Koreaは、韓国の金融委員会(FSC)は複数のICOプロジェクトがルール違反をしており、投資リスクの高いこととし、国内のICOに対する禁止を解除しない旨を報道した。
FSCは、去年9月〜11月、金融監督院(FSS)が海外でICOを行なった22社の韓国企業に対するアンケート 調査結果を元に決めた結果となり、22社のうちの13社が調査に応じたという。なお、調査対象となった22社は、2017年の下半期よりICOにより、総額5億900万ドル(約554億円)を調達したと報道されている。
調査による結論は以下のようになる。
- 国内企業はICO禁止の政策を迂回して、シンガポールなど海外にペーパーカンパニーを設立し、海外ICOの形式を取ったが、国内企業とはほとんど変わらなかった
- 海外のペーパーカンパニーに、ICO以外の業務が見られず、国内の企業が主な広報や開発の業務を担当しており、国内企業とそのペーパーカンパニーの間でイーサリアムによる送金を行なっていた
- 海外で行われたICOは、韓国語のホワイトペーパーや宣伝資料から、実際韓国の投資家に向けたトークン販売と思われる
- ICOを行なった複数の企業は、重要な事業内容や財務情報などは公開されておらず、偽情報なども掲載したため、プロジェクトの開発陣・経営陣に正当性の懸念がある
- プロジェクトに関する内容では多くの専門用語で書かれていたため、投資家にとっては難解な場合もあり、情報開示の透明性が欠如している
- さらに、多くの対象企業は、ICO調達の資金内訳を求めた金融監督院に対して、情報提供を拒否している
韓国の規制当局であるFSCは同調査報告書にて、ICOの投資は危険性が非常に高いとしている。
韓国のICO禁止に関して
韓国の金融委員会は2017年9月、法的制定をなさずに国内における仮想通貨ICOの投資を投機性の高い分野とし、その完全禁止を発表したが、その後、業界および政府の役人からICO禁止解除を求める声は多々あった。
昨年の10月にも、国会政務委員会のMin委員長がFSCに対して、フランスの国会がICO法案を可決し、合法化へ進んでいることについて触れ
今までのようにICOへのドアが完全に閉ざされるようなことがあってはならない。。。
仮想通貨業界が信頼を得るためにも、ICOに対する規制は必ず必要で、現行の法律がないにも関わらず、事実上の禁止政策を課したことは、政府としてその正当性が問われる。
と発言し、韓国の規制当局が取った措置を批判していた。
また、政府政策強調担当官のHong氏は、昨年の10月当時、FSSのICOの関連調査に基づき、11月には政府の意向を表明する予定だと明らかにしたが、当時は発表がなく、FSSは1月31日に上記調査結果を発表し、金融委員会が判断結果を下したとされている。
仮想通貨市場の弱気相場が続いていることや、規制面における禁止令や米国で見られるような規制の不明確な部分も多い点がICOセールスの低下に繋がっているとされるが、「キムチ・プレミアム」で知られる韓国における仮想通貨・ICOの規制状況は世界各国から注目を集めるだろう。
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