- 政府のICO規制に賛成する理由
- 仮想通貨XRPを運営するRipple社のオーナーであるブラッド・ガーリングハウス氏(以下、ガーリングハウス氏)は、新しい仮想通貨が果たして「実際にこの社会に存在する問題を解決しているのか」を疑問視しています。
- ICO資金調達の賛否両論
- べンチャーキャピタリストによる投資よりも、ICOによる資金調達の方が多くの資金を集められる研究結果がある一方で、専門家はICOは投資家を誘い込み騙し、さらに資金洗浄の可能性も出てくることを懸念しています。
ICO規制を行う必要性
世界中の政府が、ICOに対して規制圧力を強化することは正しいとブロックチェーン企業であるRipple社のCEOはCNBCに対して答えました。
ガーリングハウス氏は、仮想通貨の中で世界で3番目に大きな資本となるXRPのオーナー会社を束ねています。彼は、「新しい仮想通貨が果たして実際にこの社会に存在する問題を解決しているのか」について疑問視しています。
彼は10月9日月曜日のCNBCに対するインタビューで
「近頃、業界にとって悪影響を及ぼすようなICOをたくさん目にします。それらは、実社会での問題を考慮せず、解決しようともしていません。その類の仮想通貨はただ単に詐欺でしかありません」
「よって、世界中で規制当局が実際に干渉し、間に入るのは、とてもいいことだと思います」
とガーリングハウス氏は語りました。
ICOはスタートアップが新規仮想通貨を発行し、それをビットコインやイーサリアムと交換し、資金調達を行う方法です。しかし、それは国際的な騒ぎを起こし、多くの規制当局が厳しく取り締まりを行なったり、それ自体を禁止したりしています。
ガーリングハウス氏によると、対照的に、Ripple社は、銀行を支払い業者や仮想通貨取引と繋げることのできる分散台帳型システムを用い、「1兆ドル(110兆円)規模の問題」を解決しようとしている」と言及しました。
~以下は原文のビデオインタビューでの日本語訳です~
リップル社のCEOであるガーリングハウス氏によると、仮想通貨はまだほんの序章にすぎないと語っています。
さらに、世界でも有数の価値を有する仮想通貨会社を所有している彼は、この仮想通貨の波は単なる人気上昇のトレンドという枠には収まるものではないとCNBCに対して回答しました。
ブロックチェーン技術は、取引を変革させる可能性を持っていて、その可能性は「現在考えられる業界の枠組みを超えて影響を及ぼすことになる」と彼は語りました。
リップルのライバルである、ビットコインは、金が約900兆円の価値を持つのに対し、9兆円の価値を持っています。
ガーリングハウス氏は、「リップル(XRP)は銀行にとっての価値の取引のツールというスタンスを追求し続け、その結果、価値が伴って上昇するでしょう」と語りました。
仮想通貨は、その通貨ごとに違う使用用途を想定していますが、XRPはすでに取引を3.7秒で完結させられるのに対し、ライバルであるビットコインは4時間もかかってしまうのです。
仮想通貨企業のCEOには明るい未来が見えていました。
どうしてICOは賛否両論を引き起こすのか
中国と韓国の両規制当局は、ICOの禁止令を出したことで、ビットコインの取引価格を大幅に下落させました。
研究によると、企業はべンチャーキャピタリストによる投資よりも、ICOによる資金調達の方が多くの資金を集められると言います。
しかし、専門家はICOは投資家を誘い込み騙し、さらに資金洗浄の可能性も出てくるとしています。
近日、多くの有名人がソーシャルメディアプラットフォームを使用し、ICOを通じて資金調達を行おうとしているスタートアップの宣伝をしており、投資家たちは、この有名人による宣伝について懸念を抱いています。
先週(10月の第二週)にCNBCは、アメリカのラップグループであるWu-Tang Clanの創設メンバーであるGhostface Kilah氏(以下、Kilah氏)が、新たに仮想通貨ベンチャーを共同起業したことを明らかにしました。Kilah氏は、フロイド・メイウェザーやパリス・ヒルトン、ジェイミー・フォックスと多くの有名人の名が連なるICOの名簿リストに自身の名前を加えました。
その他にも、イギリスの金融行動監視機構(FCA)やアブダビ・グローバル・マーケット金融サービス規制庁(FSRA)を始めとする様々な規制当局もICOに関して警告を発しています。
Governments are right to regulate ICOs, says the owner of the third-largest cryptocurrency
Oct 12, 2017 by Ryan Browne
参考記事はこちらから
CoinPostの考察
仮想通貨市場の規制は必要であるということを政府側からの発言ではなく、仮想通貨に関わる側のRipple CEO ガーリングハウス氏から聞けたことはとても貴重なことであり、仮想通貨界に与えた影響は大きいのではないかと考えられます。
こうした声明を元に、今後仮想通貨市場がより良く改善されることを期待したいです。ICOに関してはやはり、リスクが伴い、ガーリングハウス氏が述べるように詐欺目的で行われるICOが存在していることも事実です。そうした市場をこれからさらに良くするためにも適切な規制が必要となってくるのでしょう。