- ビットコインゴールド及びSegWit2xの2つのハードフォークが予定されている
- 本記事では2つのハードフォークに対応するための方法が記されています。
- 今月25日前までに独自に管理できるプライベートキーを所得し、来月中旬に予定されるSegWit2xフォーク後まで保持
- “BTC”と表記されるコインの売買、特にSegWit2xフォークが行われて間もなくは売買を避けて下さい。SegWit2xフォーク後状況が落ち着いてから、コインへのアクセスをしましょう。
近日、ビットコインは最低でも二つの”コイン分裂(新しいコインの誕生)“を予定しています。
今月25日に行われる、Bitcoin Gold(Bgold)はビットコインから分裂しビットコインマイニングのシェアを牛耳っているASICマシンへ抵抗し、”平等なマイニング環境を目指す通貨“として誕生するようです。
さらにBTGハードフォークから数週間後、大多数のコミュニティは“New York Agreement” (NYA)に記載されている通りSegWit2xの計画に沿ってまた別のコインを作り出す可能性のある、ハードフォークを計画しています。
もしこれが実行された場合、1ヶ月以内に三つのブロックチェーン及び三つの異なるコインが誕生することになります。
本記事では現存するビットコインをBTCと略し、Bgoldプロトコルを従順するブロックチェーンをBTG、三つ目のSegWit2xプロトコルブロックチェーンをB2Xとして解説いたします。
良い知らせとしては、各BTCはBgold及びSegWit2xブロックチェーンにコピーされます。
つまりもしあなたがフォーク時にビットコインのプライベートキーを持っていれば、BTGとB2Xコインにアクセスが可能です。
これは分裂時に所有BTCと同量のBTCが付与されます。
悪い知らせとしては、この様なフォークはある程度複雑でリスクが伴います。もし丁重に扱わなければ、BTC、B2XまたはBTGさえも失うことになります。
この記事では、ハードフォークが行われる不安定な環境の中、今月末にフォークが行われた際にあなたの資産のBTC、BTG、B2Xをより安全に管理するための方法を記載いたします。
※注意点:この記事の内容はアドバイスに過ぎず、毎日状況が動く仮想通貨環境での、さらに未来の変化については未だ不明点が多くあること十分に理解してください。
ハードフォーク前(現在)
安全性を高めるためには、ハードフォーク前にやるべきことがいくつかあるので紹介します。
分裂時の危険性を理解
まず初めに、コイン分裂(特にBitcoinGoldではなく、SegWit2xフォーク)はある程度リスクが伴います。
現在では相場の動きはハードフォークに対し不明確に見えますが、将来何らかのサイバー戦争が起こる可能性があり、もしかすると全仮想通貨がビットコイン急落に伴い、取引価格が急暴落する可能性さえあります。
もしこの不安定なコミュニティの争いが継続するビットコイン相場の影響を懸念する方は、ビットコインを保持し価値が上がるのを一度待ち、状況を把握することに務めることも健全かもしれません。
もしそれを理解した上でビットコイン保有を希望する場合注意する点があります。
それは今月25日前(できればもっと早く)には準備ができている状態にしてください。
その理由はこの日に全BTC残高と同じ数のBTGが配布されるからです。さらにB2Xはその数週間後の翌月中旬(日時は未定)に行われます。
取引所を利用する場合は取引所の公式をチェック
もし取引所のようなプライベートキーを管理してくれるサービスを利用してビットコインを保有している場合、BTC、BTG、B2Xを受け取れない可能性もあります。
これはまだ明確ではありませんが、もし取引所を利用して通貨を管理する場合、各サービスホームページ、ブログなどに記載されているフォークに対しての発表を必ず25日までに確認してください。
もしハードフォークに関する記載がなければ、直接問い合わせるのが良いでしょう。
CoinPostでは日本の取引所のハードフォーク分裂後の対応一覧記事を随時更新しています。是非ご活用ください。
ただ皆様は大事な資産を管理するため、あくまでも指標としての確認に留め、正確な情報は直接取引所内でご確認の上管理し、ハードフォークの日に備えてください。
ウォレットを利用している場合はプライベートキーを確認
もし確実にBTC、BTG、B2Xのアクセス権(ハードフォーク後に分裂後のコインを取得する権利)を取得したい場合は、プライベートキーを独自で管理する必要があります。
独自管理は第三者に頼る必要がなくなり、取引所やウォレットの対応に頼る必要はなくなります。
ビットコインの保有に、現在ウォレットなどを利用している場合、一度ビットコインが入っているプライベートキーを確認の上、しっかりとメモして誰も利用できない金庫等で大事に保管してください。
またプライベートキーが確認できない場合や、ウォレット内に複数存在するビットコインウォレットに保有ビットコインが分散されている場合、ハードフォーク後分裂コインを管理しやすいように、新規でウォレットを作成後そのプライベートキーを同様に管理した上で、ビットコインを一つのウォレットに送金しましょう。
どの種類のウォレットを利用するかはプライベートキーを直接確認、管理できるタイプのウォレットをお勧めします。
おすすめのウォレットは?
この点を考慮したうえで、どのウォレットを選ぶべきかを紹介します。
ペーパーウォレット
すぐにBTC、BTG、B2Xを使って取引をする気がなく、ただ長期保有目的で保持したければ、ペーパーウォレットを使うことをおすすめします。すぐに通貨を移動できないため、取引を頻繁に行う人には向きません。
しかしこのペーパーウォレットの選択肢は、プライベートキーなどビットコインの所有権であり、アクセス権であるプライベートキーを印刷して保管します。
これが盗まれた場合は、他人にビットコインが盗まれることと同等の意味があることから、金庫等で保管は厳重に行える方のみ利用してください。
その他のウォレット
ほとんどのウォレットの安全性はPCや携帯に依存するため、プライベートキーや復元フレーズは自己管理する必要があります。
bitcoin.orgに記載されているモバイルウォレット及びデスクトップウォレットは上記で記載したように、プライベートキーを自己管理管理できます。
この中で、ビットコインキャッシュの時のことを考えると、簡単にアクセスができるElectrumがおすすめとなります。
Bitcoin Core やBitcoin Knotsはフルノードウォレットですが、こちらも同様におすすめのウォレットとなります。
これらのウォレットはビットコインプロトコルを施行するためSegWit2xフォーク後のビットコインブロックチェーンに対してより厳重なセキュリティ対策がされています。
これらのウォレットは、普段気軽に利用するには少し使い辛さを感じるかもしれませんが、分裂通貨をプライベートキーを自己管理して管理するためには適しているでしょう。
ハードウォレット
もう一つの選択肢としてはハードウェアウォレットがあります。bitcoin.orgに記載されているどのタイプのハードウェアウォレットでもプライベートキーを保護できます。
ハードウォレットは、ペーパウォレット同様セキュリティはかなり安全といえますが、ウォレットによってはBTGなど管理できないウォレットなどが出てくる可能性があります。
直接ハードウォレットを通じてプライベートキーにアクセスできない場合、特殊なやり方が強いられることがあるかもしれないです。使用しているウォレットの公式の発表を確認しましょう。
どのウォレットを利用する場合でも、必ずプライベートキーを確認の上、ウォレット作成時のバックアップフレーズの手順は飛ばさず、金庫などに保管できる紙などで管理してください。
Bitcoin Gold Forkの直後 (とSegWit2x Forkの直前)
Bitcoin Goldフォークは時折“フレンドリーなフォーク”と称されることがあります。
これは主にBTGが“真の”ビットコインとは主張せず、あくまでもアルトコインだということ。また“リプレイプロテクション”を実行する予定であることに由来します。
簡潔に“リプレイプロテクション”を説明すると、BTGをBTCと間違えて送ってしまうのを防ぐことです。BTCを利用した後でも、BTGにアクセスができることになります。
SegWit2xフォーク前にBTCを利用したければ、どのビットコインアドレスまたはプライベートキーがBTGに付属しているかメモを取ると後々楽になります。(これをわかりやすくするために、”フォーク前”でお話したように、プライベートキーを管理できる一つのウォレットアドレスにBTCを集めておけばどのウォレットアドレスに、ハードフォーク後分裂コインが入っているか把握しやすくなります。)
つまり今月25日Bgoldフォークが行われる際に、BTC上のビットコインアドレスを把握しておくということは、より正確に分裂後コインを把握、資産として得る方法といえるでしょう。
しかしBTGを取り出すことを急ぐ必要はありません。事実、ビットコインのウォレットがBgoldに対応するまで時間を必要とするため、取り出すことができるまでに最低でも一週間またはそれ以上かかることは考えられます。
よってBgoldフォークに関してはSegWit2xフォークが起きるまで保留のままにしても良いと考えます。そうすることによって、SegWit2Xで生まれる可能性のあるもう一つの新しいコインを取り出す作業と一度にまとめて行うことができます。
BTCからハードフォークして作られるBgoldに関しては、SegWit2xの影響は受けないため、放置したことによる複雑化はされることはありません。
SegWit2xフォーク後
一番問題となるのはSegWit2xフォーク後となります。
まず、SegWit2xをサポートすることを表明する複数の企業はこのフォークはビットコイン改良版だと考えています。
このことからも、その改良版が本当のビットコインと考えていることから名称の変更は今の所予定していません。
逆に一部の企業はビットコインを”BTC”と呼ぶように、SegWti2xを”B2X“と呼ぶこととして発表しています。また他の名称で呼ぶ方もいます。
もちろん、全てのコインは独自の為替レートに値します。
よってそれぞれの取引が、サポートを表明する異なるビットコイン通貨を同じ“BTC”として上場する可能性もあり、同じ名称の“BTC”でも価額が取引によって大きく異なることに繋がる可能性すらあります。
正式な取引所はしっかりと区別し利用者に通貨名の説明を詳しく行ってから取引の開始をすることが予想されますが、可能性としてある以上“BTC”と記載されるコインを確実に判断できるまで、売買はしないことが懸命といえるでしょう。
さらに現在SegWit2xはリプレイプロテクションなしの状態でフォークが行われる予定です。
つまりこれはフォーク後のBTC/B2X取引は同一の物に見え、両ブロックチェーンで有効になるかもしれません。
BTCブロックチェーン上でBTCコインを使う際に、間違えて“同等の”B2XをSegWit2xブロックチェーン上で使う可能性があります(逆も同様)。
誰かにBTCを支払うはずが、無意識にB2Xを送ってしまうミスが起きるかもしれません。
この問題が市場に影響を及ぼす可能性も考えられますが、まず状況がわからないうちはミスを犯さないように、SegWit2xフォーク後はコインの利用を極力避けることが賢明でしょう。
SegWit2xのハードフォーク後はまだ両ビットコイン同士が完全に分かれて明記されるわけではないため、自分で処理を行う必要があります。
また、一部のモバイルウォレットはよりハッシュが高いブロックチェーンを表示します。
これはつまり表示される残高がBTCかB2Xのもので、どちらの残高なのか違いを見分けることができない状態に陥っている状況です。
ウォレットに“BTC残高”と表示されていても、その時の状況がB2Xのハッシュが仮に高かった場合は、B2XのコインがBTC残高として表示されます。
BTCを受け取るはずがB2Xが振り込まれる可能性があるので、モバイルウォレットを通して支払いを受ける場合も注意が必要となります(もちろん逆も同様です)。
少なくとも、ウォレットに表示される残高がどのコインをBTCと表示しているかだけが一番重要となります(ElectrumとGreenAddress はハッシュ力に関係なくBTCを”BTC”と表示します)。
もしBitcoin Core又はBitcoin Knotsなどのフルノードウォレットを利用し、BTCを受け入れたい場合も問題ありません。
各チェーンにどれだけのハッシュパワーがあるかによって、取引完了が通常より(かなり)遅くなり、完了までに高額の手数料を請求される可能性もあります。
コイン権利の要求
もし三つ全てのチェーンが残り、あなたが独自でプライベートキーを管理する場合、BTC、BTG、B2Xのアクセスは11月中旬頃に可能になる見通しです。
対応するウォレットがビットコインキャッシュ同様発表されると思われます。
よってBTGを取り出すのは比較的簡単です。そのウォレットに自分で管理していたプライベートキー(又はプライベートキーシード)をNew walletとして入力すると、BTC残高とBTG残高が分かれた状態で表示されます。
しかし、それにはセキュリティやプライバシー上のリスクが伴います。
今の段階ではどのウォレットがBTG対応なのかわからないため、いかなる危険性が潜んでいるのか伝えることはできませんが、使ったことがないウォレットである場合はネット上で情報をまず集めることが先決となります。
しかしこの中には、BTG分裂コイン付与後、まず初めにBTCを新しいアドレスまたは新しいウォレットに移したい方もいると思います。
これはBTG付与が行われたあと、B2Xと違いBTGは見分けがつく上にBTCを先に送金してもそのビットコインアドレスにBTGが残るからです。
よってBTGは各社の発表や自分が使っているウォレットや取引所がはっきりとした声明を出した後確実な状態で動かす必要がありますが、BTGのハードフォーク付与後はそのウォレットに入れておいたBTCは動かすことは可能です。
BTGなどの詳しい内容はhttps://bitcoinmagazine.com/で公開されると思われますが、CoinPostでも状況を追ってお知らせいたします。
BTGの場合は自動でコインの見分けがつくため、問題は起こらないと思われますが、安全にB2XとBTCを利用するのには、リプレイアタックの危険性もあることから、すこし違うプロセスが必要となります。
まずB2XとBTCを分裂させる必要があるのです。
まだ発表はありませんが、一部のウォレットは自動的に分裂を行います。
このお発表を待ち、分裂が自動化されていた場合表記が違う状態でウォレット内に表示されるでしょう。
また分裂をサポートしてくれる取引所はコイン分裂サービスを設けて解決してくれるでしょう。
その場合はBTC又はB2Xを取引所に送信し、取引所は自動的にBTCとB2Xのクレジットを口座に入れます。現時点では不明ですが他にもコインを分裂させる方法があります。
来月中旬頃には、BTCとB2Xに特化したウォレットも現れるでしょう。もちろん現存のウォレットをアップグレードするか、新しいウォレットをダウンロードする必要があります。この点も現時点では不明です。
より詳細な状況は、各取引所やウォレットが対応状況を出した段階で、お伝えいたします。
A Bitcoin Beginner’s Guide to Surviving the Bgold and SegWit2x Forks
Oct 13, 2017 by Aaron van Wirdrum
参考記事はこちらから