CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨QASHを発行するLiquid、メルカリに続く「国内2例目」のユニコーン企業に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

QASH発行の「Liquid」、国内2例目のユニコーン企業に
投資ラウンドは、米Ripple等の仮想通貨部門をポートフォリオに持つ「IDG」がリード、Bitmain Technologiesも参加する。CoinPostの取材に対し、代表取締役Head of CEO Officeの紺野氏は「グローバルでの仮想通貨取引所の横展開を加速する」など言及した。

QASH発行の「Liquid」、国内2例目のユニコーン企業に

金融庁の認可済み仮想通貨取引所「Liquid by Quoine(リキッドバイコイン)」を運営するQUOINE株式会社をグループに持つリキッドグループ株式会社は、シリーズCラウンドでの資金調達を実施し、評価額が10億米ドル(約1,110億円)を超えたことを発表した。

今回の調達資金は、グローバル展開や当社のコアとなる仮想通貨取引プラットフォームの開発、セキュリティトークン市場への参入等、今後のグループの成長をより加速させるために使用するという。

これまでに2000万米ドル(約22億円)以上をJAFCO、B Dash Ventures、SBI、Mistletoe、ULSグループを含む日本の主要ベンチャーキャピタルから資金調達していたが、最新の投資ラウンドは、コインベース、米リップル、ビットメイン、カカオの仮想通貨部門等をポートフォリオに持つ、世界有数のベンチャーキャピタルIDG Capital(IDG)がリードし、世界最大の仮想通貨マイニング企業であるBitmain Technologiesも参加している。

IDG Capital(IDG)は1992年に設立され、200億米ドル(約2.2兆円)以上の資産を運用している主要な投資会社として、世界的に知られている。

IDGのゼネラルパートナーのYoung Guo氏は、以下のように述べた。

IDGは2012年以降、世界中の仮想通貨セクターに積極的に投資しており、主要なプレイヤーを見定めています。

私たちは、東京が仮想通貨業界のイノベーションにとって最良の地域の一つであると考えており、このイノベーションを最前線で推進していくビジョンを持ち、業界の先駆者でもあるLiquid共同創設者の栢森加里矢氏とマリオ・ゴメス・ロザダ氏を支援できることを光栄に思います。

投資ラウンドに参加する、Bitmainの共同創業者のJihan Wu氏は、以下のように述べた。

日本は仮想通貨業界が適切な規制下に置かれている主要国のひとつであり、リキッドグループはそのような規制を適切に遵守して運営している模範的な仮想通貨取引所です。世界的に激しい競争の中で、こうした規制遵守の文化は、リキッドグループにとって、非常に重要かつユニークな砦となることでしょう。

ユンコーン企業の条件は

今回の資金調達により、日本のスタートアップ企業では、「メリカリ」に次ぐ2社目の「ユニコーン企業」となる。2014年に創業し、創業5年以内に偉業を成し遂げた。

フリーマーケット・アプリを運営するメルカリは2018年6月19日、東証マザーズに上場。時価総額7,000億円を超えるなどして大きな話題を呼んだ。

日本ではあまり馴染みのない用語だが、ユニコーン企業とは、以下の条件を満たす企業を指す。

  • 起業10年以内のスタートアップ
  • 評価額10億ドル(1100億円)以上
  • 未上場
  • テクノロジー企業

世界には、時価総額100億ドル(1.1兆円)以上のデカコーン(decacorn)企業、1,000億ドル(11兆円)以上のヘクトコーン(hectocorn)企業も存在する。

資金調達の「シリーズC」ラウンドは、スタートアップにおける投資ステージの最終段階に位置し、目標の一つとなるIPO(新規上場)やM&Aなどのエグジットのため、十分な利益や売上げの確保が求められている段階であり、多額の資金を必要としている段階だ。VC(ベンチャーキャピタル)からの注目度も高い。

今回の資金調達にあたり、Liquid CEOの栢森は、以下のように述べた。

金融サービスのデジタル化という新たな時代の到来とともに、ユーザーの方々は、信頼でき、より簡単に利用できるデジタル資産やテクノロジーにますます高い価値を見出しています。

私たちのビジョンは、すべての人が金融サービスにアクセスできる世界を創ることです。つまり、より多くの人々をデジタル資産領域に呼び込むことで誰もが金融サービスによる恩恵を享受できるようにすることです。

今回、大変著名なIDG CapitalとBitmain Technologiesという二社がシリーズC投資ラウンドを通じて当社に参画したことにより、Liquidは2019年のグローバル仮想通貨市場を主導する主要な企業の1社になることができるでしょう。

コインポストインタビュー

今回の資金調達に関して、Liquid by QUOINEの代表取締役Head of CEO Officeの紺野氏にコインポストでインタビューを実施。今後の展望についても言及した。

Q1. 調達資金を踏まえ、どのようなサービス展開を考えてますか

グローバルでの仮想通貨取引所の横展開を加速させます。また、STO市場でプライマリーからセカンダリーまで含めて、Security Tokenの統合プラットフォームを提供していきます。(ベースは今Liquidで提供しているICO Platform になります。)

他の新規ビジネスも考えてはいますが、タイミングを見計らっています。

Q2. 日本の仮想通貨業界に対する海外金融企業の温度感にも変化があったのでしょうか

やはり規制をしっかり整備すると、今の金融のど真ん中にいる投資銀行やヘッジファンド等も入ってきやすくなり、仮想通貨自体を金融商品として昇華させていけるからだと思います。

10〜20年の長期で仮想通貨の成長を考えた場合には、規制順守は当然のことですので。

Q3. 日本の仮想通貨市場の法整備などを経て、2019年の業界がどのように変化していくとお考えですか

より既存の金融と仮想通貨の世界の境目がなくなっていくように思います。

法整備はどの国よりも進んでいるので、今後新しい事業・イノベーションも日本から発信していきたいですし、そのリードをするのが当社であると信じています。

QASHとは

2017年11月6日に、ICOで約124億円を調達し、世界最大級の大型ICO事例となった日本発の仮想通貨「QASH」は、仮想通貨市場の発展に直結する流動性問題に注目、仮想通貨間の取引を盛んにするための、LIQUIDプラットフォームの運営を目指している。

QUOINE社の柏森CEOは、昨年7月に実施したAMA(Ask Me Anything)で、QASHを「現在の”ユーティリティトークン”という区分から、ゆくゆくは、”純粋仮想通貨”へと移行させたい」と言及。

然るべきタイミングでオープンソース化することで、 QASHの価値を企業を超えた開発コミュニティに託すことで、「デベロッパーコミュニティが、第二ステップとして大きく飛躍、進化させて行くのが最も理想だ」としていた。

LIQUIDプラットフォームの流動性が高まれば、QASHが幅広い金融業界で使用されるトークンになる可能性がある。

CoinPostの関連記事

日本発の仮想通貨QASHが『Liquid Coin (LQC)』にリブランディング、変更理由と今後の方針は
QUOINEの柏森CEOは、「仮想通貨QASHを最大限に活用するため、QASHトークンをLiquidプラットフォームに完全統合する。トークンの実用性はプラットフォームとともに拡大することが重要。」などと述べ、『金融の民主化』というLiquidのビジョンを反映していると言及した。
仮想通貨取引所「Liquid  by Quoine」運営会社が海外でクレジットカードによるBTCやリップル(XRP)の購入可能に|日本円と米ドルにも対応予定
国内大手取引所Liquid(リキッド)も運営しているQUOINEは21日、クレジットカード・デビットカードにて、仮想通貨を購入可能と発表した。ユーロを入金し、BTCやXRPを買うことができる。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/15 日曜日
11:30
米CPI・FOMC影響でビットコイン相場が820万円に推移|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストがビットコイン相場を分析。リセッション懸念が高まる中、今週の暗号資産市場でビットコイン(BTC)は上下動。FOMCの動向が注目されている。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米CPIとXRP投資信託に高い関心
今週は、米CPI、グレースケールのXRP投資信託の販売再開、米マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長によるビットコイン価格予想に関するニュースが最も関心を集めた。
09/14 土曜日
15:00
英高等裁「USDT含むステーブルコインは法律に基づく財産」と判決
英国の高等裁判所がUSDTを法的財産と認定。仮想通貨の法的保護を強化する判決に。背景となった訴訟の詳細を解説。
13:20
「RWAトークン化市場が1.7兆円規模に成長」バイナンスの最新リサーチ
バイナンスが現実資産(RWA)トークン化市場を分析。米国債トークンが牽引し、1.7兆円規模に。法的課題や今後の展望も解説。
12:00
リップルX幹部が語る対SEC裁判やIPO|WebX2024インタビュー
WebX2024でRipple(リップル)X幹部に取材。長年に渡る米SECとの裁判や株式上場(IPO)の可能性、仮想通貨ステーブルコインの開発、日本市場の重要性について語られた。
11:00
FTX前CEOバンクマン・フリード氏、25年懲役判決に控訴 再審求める
FTX破綻事件において詐欺などで25年の判決を受けたサム・バンクマン=フリード前CEOが控訴。支払能力があったと主張し、再審を要求。
09:38
バイナンスのソラナステーキング「BNSOL」、資産運用の新たな選択肢に
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは12日、独自のソラナリキッドステーキングトークン(LST)である「BNSOL」の提供を正式に開始した。
08:30
米SEC、「仮想通貨証券」の表現を削除
米SECがバイナンスとの裁判で訴状を修正し、仮想通貨証券という表現を削除した。その理由について述べている。
07:30
ワールドコインのワールドID、ソラナブロックチェーンで利用可能に
サム・アルトマン氏の仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」のオンチェーンIDである「ワールドID」はソラナ上でも利用できるようになった。
07:00
新経済連盟、2025年度税制改正提言を発表 暗号資産税制も含む
新経済連盟が2025年度税制改正提言を発表。暗号資産の申告分離課税導入やETF取り扱い可能化など、Web3支援策を提案。日本経済活性化と国際競争力強化を目指し、AI開発やスタートアップ支援も含む16の具体策を提示。
06:15
米マイクロストラテジー、18300BTCのビットコインを追加購入
米マイクロストラテジーは13日、仮想通貨ビットコインを追加購入したことを発表した。
09/13 金曜日
15:00
ヴィタリック・ブテリン氏、L2プロジェクトの分散化を促す基準適用を宣言 
イーサリアムの共同創設者であるヴィタリク・ブテリン氏は、L2で分散化に関する一定の基準を満たさないプロジェクトについては、来年からは公に支持することはないと宣言。同氏が定義した分散化の三段階で「ステージ1」に達していないプロジェクトは「失敗」とみなすと述べた。
13:40
SWIFT、現実資産(RWA)トークン化分野で新たなソリューションを開発
SWIFTがトークン化資産と法定通貨の相互運用性を高めるソリューションを開発中。CBDCやステーブルコインも利用予定。
10:50
eToroがSECと和解 米国でビットコインなど3銘柄のみ提供へ
eToroがSECと和解し、2億円の罰金支払いに同意。米国顧客向け仮想通貨取引をビットコインなど3銘柄に限定へ。
09:50
ディーカレット、63億円超を資金調達
デジタル通貨DCJPYの事業基盤強化に向け、ディーカレットホールディングスは第三者割当増資で総額63億4,900万円の資金調達を実施したことを発表。今後の計画も説明した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア