- Bitfinexの株主は楽観的な見解を示す
- 950億円に及ぶ資金の不正利用が発覚した取引所Bitfinex。同社の株主の数人が海外メディアの取材に応じ、失われたとされる資産が存在すること、同社をサポートしていく姿勢であることを主張。
Bitfinexの株主は楽観的な見解を示す
先日、8億5000万ドル(約950億円)に及ぶUSDTの担保資産を不正に利用していたことが発覚したとされる大手取引所Bitfinexであるが、同取引所の株主数人が今回の件に関するCoinDeskの取材に応答。「裁判所命令について心配はしていない」と楽観的ともみれる彼らの内心を打ち明けた。
株主の1人である中国のビットコイン億万長者Zhao Dong氏は、Bitfinexは責任能力を有しており過去にも困難を乗り越えてきたとコミュニティを説得。CoinDeskの取材に対し、BitfinexとTether双方へ「協力的」であると話した。
またZhao氏は、米ニューヨーク州司法局の「消失した資産がBitfinexとその顧客の混ざりである」との指摘について「全ての資産は顧客に属するもの」と反論を述べた。そしてそれについて次のように発言している。
現時点で私が把握している情報は、資産の消失はないということだ。しかし資産は顧客に完全に属する。もし米政府が資産の凍結をしようとしているなら、その資産がどこに属するものなのかをはっきり認識する必要がある。
それに加えて、Zhao氏は、銀行とTetherの資金管理体制を比較してその健全性を主張。多くの銀行が顧客の資産の2から3%しか保管していないのに対し、Tetherはもし8億5000万ドルの資金を消失していたとしても70%の資金を保有しているとして事態を楽観的に捉えた。ただし、100%の資金の裏付けがあると信じている上での発言だ。
そして、もう1人の株主であるTian Jia氏もCoinDeskの取材に応答。彼もまたBitfinexをサポートしていく姿勢であることを示して次のように発言した。
消失したと言われる資産は法定通貨であるため、顧客の資産だ。それが盗まれることはない。規制当局(ポーランド、米国、ポルトガル等)によって凍結されただけであり、Bitfinexはパナマや米司法局へアプローチをし問題の解決を図っている。また、進展についても十分なコミュニケーションがとれている。
以上のように株主の反応は、Bitfinexとのコミュニケーションがとれているからであるともされるが、不透明な部分も多くあると業界の有識者らに指摘されている。また、Bitfinexは事態の収拾に数週間を必要とすることを株主に説明したとしているが、今後どのような展開をみせるのか、仮想通貨の相場にどのような影響をもたらすか。早急な対応が迫られていることは確かだろう。
Bitfinexウォレットから大量の引き出し、1.9億ドル相当
仮想通貨追跡サイトTokenAnalystのデータ とtheblockcrypto の報道によると、昨日Bitfinexらに対するNY裁判所命令による影響を受けたことが要因か、同取引所のユーザーは、Bitfinexのビットコインコールドウォレットから、最低でも17,250BTC(約99億円)以上が引き出され、現在の差し引き残高は102,285 BTCとなっている。またイーサリアムに関しては本日、ウォレットから633,300 ETHが下ろされている模様。
これらを合計すると、すでにBitfinexが保有していたBTC及びETHの約20%が引き落とされたことになる。
これら前述した送金が、同社のウォレットへと送金された可能性もあるが、その直前に起きたネガティブな報道と相場の急落などを考慮すると、引き出された可能性が高いとされている。