- BTCに非投機的な動向|最新考察
- Genesis Global Tradingの最新レポートにより、アルトコインと違い、ビットコインには運用資金や送金での実用など、非投機的な利用が目立つ。
BTCに非投機的な動向、アルトコインはショートされる傾向
仮想通貨融資や投資を行う米大手Genesis Global Tradingは、およそ4億2500万ドル(約474億円)の価値に及ぶ融資(ローン)をビットコインで行っていたことを最新のレポートで明かし、現在およそ3万BTCを貸し出していることが判明している。
また同サービスは機関投資家・大口投資家に特化している。2018年3月のサービス開始以降、すでに15億ドル(約1700億円)に相当するビットコインを貸し出したとのことだ。
GenesisのCEOを務めるMichael Moro氏は、この新しいレンディングサービスは、仮想通貨市場に流動性をもたらし、市場の成熟化に貢献するだろうとしている。また同氏は開示したデータをもとに、市場の状況について、以下のように述べている。
ETHやライトコインのようなアルトコインでは空売りが多く見受けられる傾向にあるが、ビットコインは運転資金や送金といった非投機的な目的で使用される傾向にある。なお、大多数のアルトコインはビットコインより流動性も取引高も低い。
同氏は、こうした状況に至る原因に、アルトコインがビットコイン価格に追従する点と、ビットコインに比べ価格が大きく変動する点にあるのではないかと考察した。この点に関しては、価格の急騰急落の際、イーサリアム(ETH)が主導する事例は多く見受けられている。
また同レポートでは、2月に価格が一時急騰した際を例に、ショートポジションにおける通貨ごとの行動パターンの違いについて言及。例えば、ETHにショートポジションを入れていた投資家は全体市場が上昇する際に、そのショートポジションを手仕舞うが、ライトコインでは手仕舞うタイミングがETHよりも早かったという。
言い換えると、ライトコイン取引を行っていた投資家のほうが、一足早く適切な投資判断を下していたということになるだろう。
この違いについて、レポートでは「アセットの理解度や情報量に差があるためではないか」としている。つまり、アルトコインの情報量などがビットコインよりも乏しく、いわゆる「パンプ&ダンプ」にされやすい傾向があると考えられる。このようなポジションの切り替えタイミングの差から、ビットコインはアルトコインよりも「非投機」的な特徴が見られる根拠とされている。