はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

【前編】ブロックチェーンが実現する「価値交換のインターネット」とは?インターネット上に生まれる価値の交換の未来に迫る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

HAKUHODO Blockchain Initiative 伊藤佑介氏インタビュー
博報堂は2018年9月、ブロックチェーン活用やトークンコミュニティ形成に関するビジネス開発を推進する「HAKUHODO Blockchain Initiative」を発足後、続々とブロックチェーンプロジェクトを立ち上げた。生活者主導社会が到来する中でブロックチェーンを用いてインターネット上で生まれる価値交換の未来に対する思いについて語った。

【前編】ブロックチェーンが実現する「価値交換のインターネット」とは?インターネット上に生まれる価値の交換の未来に迫る

―ブロックチェーンで実現する生活者主導社会とは

博報堂には、『生活者発想』というフィロソフィーがあり、誰よりも生活者の事を深く知り、新しい価値を創造し、生活者と社会の架け橋をつくっていくという発想が原点にあります。

また、2007年には、『生活者主導社会』という「今後生活者一人一人が、より発信する主体や行動する主体となり、社会に価値を作り出す時代がやって来る」といった考えを提起しています。

そのような考えのもと、HAKUHODO Blockchain Initiativeのブロックチェーンの捉え方としては、ブロックチェーンは生活者一人一人に力を与える技術であると認識しており、ブロックチェーンと言うものが現れ、生活者がエンパワーメントされることで、生活者発想の博報堂が到来を予想している『生活者主導社会』の実現を後押しするだろうと考えています。

そして、ブロックチェーンという生活者をエンパワーメントする技術を使って、生活者主導社会をより押し進めることをHAKUHODO Blockchain Initiativeのミッションとしてさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。

―HAKUHODO Blockchain Initiativeが進める4つのブロックチェーンプロジェクトとは?

大きく分けて4つのブロックチェーンプロジェクトがあります。

1つ目としては、博報堂DYグループ会社のユナイテッドさんと一緒に、「ブロックチェーン・イノベーション・ラボ」というチームを立ち上げ、広告やマーケティングの領域で、世界でどのようにブロックチェーンが活用されているのか、ということについて調査、研究をしています。

2つ目は、「トークンコミュニティ・アナライザー」というサービスで、ブロックチェーンサービスのデータ分析を支援するサービスです。ブロックチェーンサービスでは、トークンを使って何らかの価値がユーザー同士で交換されるので、そういった生活者間の価値交換データを分析するサービスに取り組んでいます。

3つ目が、「CollectableAD」というサ-ビスです。簡単に言うとデジタル広告とブロックチェーンを掛け合わせた、デジタル広告の領域でブロックチェーンを活用した新しいサービスです。

4つ目が「TokenCastMedia 」 というサ-ビスで、テレビやラジオのようなマスメディアとブロックチェーンを掛け合わせたサービスです。

この4つが具体的なプロジェクトとして進められています。

出典:CoinPost

―数あるブロックチェーンのテーマの中でトークンコミュニティに注目した理由はなんでしょう?

今後数多く開発されるブロックチェーンサービスによってたくさんのトークンコミュニティが出来ると、新しいマーケティングデータが生まれると読み解いています。

現在は、主に「企業と生活者間の情報交換のデータ」がマーケティングデータとして分析、活用されています。

一方で、今後ブロックチェーンサービスが増えてくると、そこにたくさんのトークンコミュニティができ、結果として「生活者間の価値交換のデータ」が生まれてくることに注目しています。

この「生活者間の価値交換のデータ」が、現在マーケティングに活用されている「企業と生活者間の情報交換のデータ」を補完する新しいマーケティングデータになると考えているため、それを生み出すトークンコミュニティにフォーカスしています。

―「価値交換のインターネット」とは

これはいち生活者としての個人的な考えですが、人々の幸せの基準の中心は、例えばバレンタインに娘からチョコを貰ったり、誕生日に妻から花束を貰ったり、などといった「価値の交換」にあるのではと思っています。

ですが、現実的には昨今、「情報の交換」が中心の現在のインターネットの中で過ごす時間が不可逆的に日に日に増えてきており、一方で人々が幸せを感じることができると私が考えている「価値の交換」が出来るリアルな世界で過ごす時は、反対に徐々に短くなってきているように感じています。

これは個人的な仮説ですが、人間の幸せの基準の中心が「価値の交換」にあるのだとすると、いやおうなく今後ますます過ごす時間が長くなっていくインターネットの世界の中でも「価値の交換」ができるようにならなければ、人々がより幸せで充実した生活が送れるような世界は実現できないのではと思っています。

インターネットによって自由に「情報の交換」は出来るようになった一方で、今後さらに生活者がより生き生きと生活していくためには、リアルだけでなくインターネットの世界の中でも「価値の交換」ができるようになった方が、きっともっと素晴らしい未来になるのではないかと考えています。

だからこそ、現在の「情報交換のインターネット」を「価値交換のインターネット」へアップグレードする一助を担うべく、インターネット上での価値交換を実現する一つの手段としてブロックチェーン技術を活用し、いろいろなサービスの開発に取り組んでいきたいと思っています。

―価値交換のインターネットの実現を目指すCollectableADの開発の意図とは?

「情報交換のインターネット」が出来、さらに情報に価値をプラスした「価値交換のインターネット」を作り、私たちが長く過ごすインターネットの世界を充実したものにしたいという考えに至っていた頃、いろいろな思考実験をしている中で、インターネットメディアの広告スペースにブロックチェーンで実装したトークンを価値として置いて、それを生活者が自由に手に取れる体験を提供して「情報交換のインターネット」の一つのユースケースとして体現してみたらどうだろう、と思った時に、CollectableADのサービスの着想が生まれました。

現在のインターネット上のデジタル広告では、生活者の皆さんに役立つ商品やサービスの情報を届けていますが、そこにさらにプラスしてブロックチェーン技術を使って価値も一緒に届けられるようにする仕組みを考え、その構想を博報堂DYグループのユナイテッドさんと中国のブロックチェーン開発ベンチャーのYuanbenさんと練り、そして3社で協力して最終的にCollectableADを開発することができました。

大きい概念としては、「価値交換のインターネット」を実現したいという思いがあり、その糸口としてまずデジタル広告の領域で社会実装を試みてみたものの一つがCollectableADです。ですので、今後も「価値交換のインターネット」を実現できるサービスを他にもどんどん開発することにチャレンジしていきたいと思っています。

出典:CoinPost

―広告の領域の価値交換に留まらないチャレンジ!

私たちが出来るのは企業の皆さんのマーケティングを支援することで、主に「広告」という価値の提供が中心となりますが、 お仕事をご一緒させていただく企業の皆さんは、「商品やサービス」を通して社会に素晴らしい価値を提供されています。

今後は、企業の皆さんとご一緒にさせていただく取り組みの中で、「広告」にとどまらず「商品やサービス」といった領域の価値の交換をインターネット上で実現する事業開発にチャレンジして、「価値交換のインターネット」をさらに拡大していくことができればと思っています。

―HAKUHODO Blockchain Initiativeが考えるマスメディアの未来とは?

マスメディアは、「多くの生活者に一斉に情報を届ける」ことが出来る素晴らしさがあります。そして、そこにブロックチェーンの力を加えると、プラスしてさらに「価値」も届けられるようになり、「多くの生活者に一斉に価値も届ける」ことができる、新たなメディアにアップグレードできると考えています。

サービス名称の「TokenCastMedia」という言葉に込めているのは、「価値(=トークン)を届ける(=キャスト)する媒体(=メディア)にすべてのマスメディアをアップグレードしていきたい」という思いです。また、家庭でテレビやラジオを視聴されている生活者の皆さんに、情報にプラスして価値も届けられるようになった番組や広告を楽しんでもらえる日常が、近い将来実現できるように、今後も頑張っていきたいと思っています。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
06:50
アーサー・ヘイズ、FRBの新資金供給策RMPでビットコイン4年サイクル論が終焉と再度主張
著名トレーダーであるアーサー・ヘイズ氏がFRBの準備金管理購入プログラムを分析し、実質的な資金供給(QE)により仮想通貨ビットコインの従来の4年サイクルが崩れたとの見解を示した。ビットコインは2026年に20万ドルに向かうと予測。
06:20
仮想通貨の冬到来か、フィデリティ責任者がビットコインの2026年底値を6.5万ドル付近と予測
フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏がビットコインの強気サイクル終了の可能性を指摘し、2026年の底値を6.5万ドルから7.5万ドルと予測した。機関投資家の参入により従来のサイクル論が変化しているとの見方が広がっている。
05:45
米FRB、仮想通貨企業向け「簡易版マスターアカウント」開設に進展か
米連邦準備制度理事会が仮想通貨関連企業を含む適格機関に決済サービスへの限定的なアクセスを提供する「ペイメントアカウント」案についてパブリックコメントを募集開始。
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧