CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨リブラの裏付け資産に「日本円」 米議員はヤマネコ銀行化を懸念視

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リブラの裏付け資産
フェイスブックが支援する仮想通貨「リブラ」の裏付け資産に日本円が入ることがわかった。(米ドルが約50%) 通貨発行でヤマネコ銀行問題の懸念も生じている。

裏付け資産の割合と「ヤマネコ銀行」の懸念

18日に開かれた米下院のリブラ公聴会にて、リブラの裏付け資産に日本円が入ることがわかった。また、裏付け資産の50%ほどが米ドル建てになるという。フェイスブックの仮想通貨責任者David Marcus氏が米下院の公聴会で明かした。

リブラの裏付け資産の比率でわかっているのは、半分程度が米ドル(USD)、法定通貨としてはユーロ(EUR)・日本円(JPY)・英ポンド(GBP)で、その他の国債などが入るバスケット型の通貨となる。

なお、今回のリブラ発行にあたり、Katie Porter議員からは19世紀前期に存在していたいわゆる「ヤマネコ銀行(Wild Cat Bank)」に類似するとの指摘も見られた。

ヤマネコ銀行とは

「ヤマネコ銀行問題」とは、1836年に第2次アメリカ合衆国銀行の定款更新が拒否されたあとに、連邦政府が銀行規制から一時撤退したことを受け、銀行業務の自由化が起きた流れ(フリーバンク時代)を指す。この間、銀行券の発行が自由化され、銀行以外に企業や個人も銀行券の発行が行えた。山猫銀行はこの紙幣の発行者を指す言葉である。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

ヤマネコ銀行では、ゴールドとの交換を約束する「銀行券」を発行などが行われたが、実際その交換をほとんど履行できていない。リブラは、この紙幣の裏付けに対して、どれほど信頼ができるかが問われている。

リブラのホワイトペーパーでは、設定された資産の割合に応じリブラが発行されると明記されているほか、Marcus氏は資産への兌換について、「1対1の資産リザーブである」と答えたが、リザーブした資産を資産運用に転用することなどの可能性が浮上し、懸念が見え隠れしている状況にある。

リブラの中止に「No」、フェイスブック幹部

なお米下院の公聴会では、上院の答弁とは異なり、フェイスブックのデータプライバシー侵害や信頼などの問題に限らず、仮想通貨リブラの存続やリブラ協会の中央集権的な特徴なども議論の中心にあった。

仮想通貨リブラ開発の中止を要求するなどを議題として、18日に公聴会を開いた下院金融サービス委員会の理事長Waters議員はフェイスブックの仮想通貨責任者David Marcus氏対して「リブラ」とウォレット「カリブラ」の開発中止を要求。

国会が、リブラとカリブラを適切に監督する法案を可決するまで、プロジェクトの中止を約束するか。

しかしMarcus氏はそれを事実上に断り、昨日上院公聴会などでも説明したように、「フェイスブックは時間をかけて、全ての規制条件を満たした上で、リブラを発行する」と、譲らない姿勢を見せた。多くの懸念は生じている中でも、リブラプロジェクトの存続はアピールした形だ。

また、Maloney議員もWaters議員のように詰問したものの、Marcus氏は態度を変えずにいたため、「ならば、それを【ノー】と捉える。」と代弁した。

そして、Maloney議員は中止の代替案として、「フェイスブックがSECと連銀の監督における100万人以下のパイロット版を行う」との提案を提示したが、Marcus氏は必ず規制当局に協力すると明言しながらも、パイロット版を承諾する意思は見せなかった。この答えに対し、議員は「ならばフェイスブックは新たな通貨を発行するべきではない。」と言い返した。

今回の公聴会の主な目的は、Waters理事長による計画中止の要求であるため、Marcus氏の明確な意思は議員らに伝わっただろう。よって、国会が実際どのように法案づくりに取りかかるか今後の注目点になる。

なお、リブラ協会がどのように資産悪用防止(無断で米ドルをベネズエラ通貨に変えるなど)の施策をとるかについて、Marcus氏は、G7によるタスクフォースに監督されると話した。G7のリブラに対する特別会議は今週フランスで開かれる予定だ。

CoinPostの注目記事

ビットコイン(BTC)が100万円台を維持した理由 米公聴会における温度感の変化と今後の注目点
2日連続で行われた公聴会。上院の追及内容に対し、下院では仮想通貨市場に影響が及ばなかった理由を解説。今後の注目ポイントも併せて掲載。
「政府はビットコインを排除することができない」米国会議員
下院議員は18日の下院公聴会が始まる前に、CNBCに対して、ビットコインとリブラの特徴を比較し、「政府はビットコインを殺すことができない」と発言した。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/24 水曜日
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
07:10
ビットコインの機能を拡充する新提案が公開
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。
06:35
バイナンスアプリの削除、フィリピン当局がアップルとグーグルに命令
フィリピンはバイナンスの顧客基盤における重要な構成国だが、同SECは2023年11月以降、バイナンスを投資に利用しないよう国民に積極的に警告していた。
05:50
エルサルバドルの国営ビットコインウォレット、ハッカーがコードを流出
今回の漏洩は、4月上旬に報告された510万人のサルバドル人の個人情報リークを含む、一連のChivoウォレット関連のハッキングに続くものだ。
04/23 火曜日
19:00
メゾンマルジェラ MetaTABI NFT発売
メゾンマルジェラがMetaTABI NFTを一般販売開始。デジタル専用設計のタビシューズはThe Fabricantとのコラボで、限定版タビブーツとレザーウォレットが付属。今後のWeb3ブランドイベントにも参加可能。
18:00
ライフカードVプリカ 仮想通貨で購入可能に
ライフカードが暗号資産(仮想通貨)決済サービス事業者Slash Fintechと提携。2024年5月15日から「Slash Vプリカ SHOP」でステーブルコイン等を使ったVプリカギフトの販売を開始する。インターネットショッピングやオンラインゲーム等、デジタルサービスでのプリペイド決済が拡大する見込み。
14:00
ベネズエラ、石油取引で仮想通貨使用を加速か
ベネズエラの国営石油会社PDVSAは原油と燃料の輸出において、暗号資産(仮想通貨)の利用を増やす計画だ。背景には米国による制裁再発動がある。
13:00
SEC弁護士2名が辞任、「重大な権力乱用」と非難受け 
米仮想通貨企業Debt Boxに対する訴訟において、連邦地裁が「重大な権力乱用」を理由に米国証券取引委員会に制裁を課したことを受け、同委員会の担当弁護士2名が辞任したことがわかった。
12:00
「スイス中銀はビットコインを準備資産に持つべき」2B4CHが提唱
スイスの仮想通貨擁護団体「2B4CH」は、スイス国立銀行がビットコインを準備金として持つことを提唱している。国民投票を目指す計画だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧