はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

バイナンス研究レポート:ビットコイン組み入れはリスク・リターン向上に非常に有益

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンス最新研究レポート:ビットコインは欠かせない代替資産
仮想通貨取引所最大手バイナンスは、ポートフォリオ管理研究レポートにて、ビットコインを組み入れることが、マルチアセット戦略におけるリスク・リターンの向上に非常に有益であることを投資シミュレーションを通して証明した。

バイナンスが研究レポート|ビットコインは欠かせない代替資産

仮想通貨取引所最大手バイナンスは、ポートフォリオ管理研究レポートの第一弾として、ビットコイン(BTC)をポートフォリオに組み入れることが、マルチアセット戦略におけるリスク・リターンの向上に非常に有益であることを数々の投資シミュレーションを通して証明した。

投資面から見たビットコインの特性:変動は激しいが他の資産クラスとの相関性が低い

10年というビットコインの歴史は、暴騰と暴落を繰り返してきた歴史でもあり、そのボラティリティは投資対象として魅力であると同時に大きなリスクでもある。

バイナンスはビットコインの高い価格変動の要因として次の三つを挙げている。

  1. 「新技術」としてのブロックチェーンと共に資産クラスとして誕生したばかりであること
  2. 流動性の低さと信頼できる取引所の欠如
  3. 投資家が頻繁にポジションを入れ替える個人投資家の割合が非常に高いこと

しかし、この研究レポートでは、その変動率は、最初のブロック=ジェネシスブロックが生成された時から、減少してきていると指摘している。

今後、Fidelityに代表されるカストディサービスの充実、ETF、新しい投資信託の創設などの、機関投資家向け製品の提供に見られるように、暗号資産(仮想通貨)業界が成熟するにつれて、ビットコインのボラティリティはさらに低下する可能性があると主張した。

比較した対象資産:S&P 500、Russell 2000、NASDAQ、Bloomberg Barclays Global Aggregate、石油、金、銀、Bloomberg Commodity Index Total Return、トピックス、Hang Seng 、EuroStoxx 50、FTSE 100

さらに現在のビットコイン市場は、スポットおよびデリバティブ取引が活発で取引量が大きく、かつ取引場所間の効率的な価格機能によりスプレッドが小さいことが特徴的で、非常に流動的な資産であることから、大口投資家にとっても投資しやすくなっているという。

さらに機関投資家向けに特化したカストディサービス提供により、ビットコインは分散化されたポートフォリオに組み込むべき不可欠な代替資産となっていると結論づけた。

ビットコインを含むマルチアセット・ポートフォリオ管理シミュレーション

バイナンスは、この投資シミュレーションに、投資運用会社最大手2社のトップETF商品を選んで非暗号資産のマルチアセットの割り当てを代用するものとした。

▽BlackRock社:iShares Morningstar Multi-Asset Income ETF

▽Vanguard Asset Management社:VPGDX Managed Payout Fund)

 

そしてビットコインは時間ベースと動的境界値ベースという二つのリバランス方法により、ポートフォリオに組み込まれる。資産は、ETFの購入とBTCの売却、またETFの売却とBTCの購入により調整される。

対象となる試験期間は、2015年12月31日から2019年6月30日までの3年6ヶ月で、ビットコイン割り当てが1%と5%のケースでシミュレートされたが、ビットコインを組み入れた全てのポートフォリオで、ビットコインを含まないものより優れたリターンを生み出している。 

時間ベースのリバランスの場合、1%を割り当てた場合では、3年半の実験期間で5~6%の追加収益、年間収益では約1.5%の追加の年間収益を生み出したことになる。

ビットコインの割り当てが5%の場合は、リターンは、さらに59.3%と57.2%となり、ビットコインを組み入れない場合のリターン(27.86%と26.03%)を大幅に上回った。

Binance Research,Bloomberg

同じく、動的境界値によるリバランスの手法でも、ビットコインを組み入れた全てのポートフォリオで、ビットコイン無しの場合よりリターンが向上した。

Binance Research,Bloomberg

ただし、バイナンスは、スリッページや税金費用、また比較的短いビットコインの価格歴などの要素が、この分析の正確性を制限することに注意を喚起している。

結論

ビットコインは、株式、債券、コモディティなどの他の伝統的な資産クラス全てと相関関係がないため、独立した資産クラスの典型といえる。

また、LedgerXやBakktのビットコイン先物契約、米SECの承認を待つビットコインETFやFidelity Digital Assetsによる専用カストディソリューションなどは、仮想通貨投資に不安を抱いている投資家の懸念を軽減していく一助となり、その結果、資産運用会社がビットコインを単なるリスク資産ではなく、ポートフォリオ構築に不可欠な資産とみなす可能性も高まると、レポートは結んでいる。

CoinPostの関連記事

バイナンス最新調査|機関投資家および大口顧客の潜在リスクと仮想通貨業界のマイナス要因
仮想通貨取引所最大手のバイナンスが、機関投資家および大口顧客を対象としたアンケートの調査結果を分析したレポートを発表。機関投資家および大口顧客の取引の動向や市場に対する見解が明らかになった。
仮想通貨ブローカーのCEO、多くの米金融アドバイザーが仮想通貨を自分のポートフォリオに|直近の規制関連にも注目
豪州に拠点を置く仮想通貨仲介業者「CALEB BROWN」の創設者兼CEOのPrash氏は、多くの金融アドバイザーが同社のサービスを利用し、数十万ドル(数千万円)にも及ぶ仮想通貨を購入していることを明らかにした。なお、同氏は規制の重要性や、VanEck版ビットコインETF、仮想通貨取引所Bakktについても言及。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/21 水曜日
05:40
CMEのXRP先物、27億円の初日取引高でソラナ超え 
米CMEグループが仮想通貨XRPの先物取引を開始し、初日に1900万ドルの取引高を記録。ビットコイン、イーサリアム、ソラナに続く4番目の仮想通貨先物として注目される。
05/20 火曜日
18:39
イーサリアム将来価格2025展望 | ETF・機関投資家・開発動向の注目点
【2025年5月最新】イーサリアム(ETH)の将来価格と成長可能性を徹底分析。ペクトラ後の価格回復、ブラックロックのステーキングETF申請、機関投資家の700億円購入など最新動向を解説。
14:45
「サトシ」か「ビット」か? ビットコイン価格高騰で基本単位論争が再燃
ビットコインの価格高騰に伴い、コミュニティではその基本単位「サトシ」変更の議論が白熱している。サトシを廃止すべきというビットコイン改善提案177にジャック・ドーシー氏が支持を表明する一方で、反対意見も多く論じられている。
14:00
ブラックロック「BUIDL」で利回り増やす取引戦略 BounceBitが実証試験
BounceBitがブラックロックのトークン化米国債「BUIDL」を担保に利用して、年利20%を実現した取引戦略を公開した。ステーブルコインを担保とするよりも利点があるとしている。
13:10
個人ノード運用を容易に、ヴィタリックの新たなイーサリアム拡張案とは
仮想通貨イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が新L1スケーリング計画を発表。個人のノード運用を容易にする「部分的ステートレスノード」でガスリミットを10~100倍に拡張する革新的アプローチを提案。
12:35
米上院、ステーブルコイン規制『GENIUS法案』の審議進行可決
米上院が仮想通貨ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」の審議を66対32で可決。消費者保護や倫理規定を強化した修正案で超党派合意が進展。
11:59
ビットコイン下髭で押し目買い意欲旺盛か イーサリアムにも機関投資家の強い関心
過去最高値の更新まで目前のビットコインは米国債格下げなど不透明感のある中、下髭形成し押し目買い意欲の強さを示した。50日・200日移動平均線のゴールデンクロスが目前に迫る中、イーサリアムには機関投資家の資金が集まり、CMEグループのXRP先物は初日に1,560万ドルの取引高を記録した。
11:20
SEC新委員長、仮想通貨規制を全面見直し
SEC新委員長ポール・アトキンス氏が仮想通貨規制の抜本的見直しを表明。前政権の執行措置を批判し、発行・保管・取引の3分野で明確なガイドライン策定へ。
10:35
リップル社、UAEの金融企業2社と提携
リップル社は、UAEのZand BankとMamoの2社が顧客になったことを発表。両社はリップルペイメントを使用すると説明しており、中東市場の事業を強化していく。
10:05
ソラナの新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」提案 性能引き上げへ
ソラナ開発スタジオAnzaが新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」を発表した。処理時間を理論的に約150ミリ秒まで短縮し、Web2と競合できる高速処理を実現するとしている。
08:45
ビットコイン急騰、米国債格下げと州法により"安全資産"化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは史上最高値となる10万9,000ドル付近まで上昇している。米国債の格下げを契機として米国の信用力に対する懸念が台頭し、ドル安が進行した。
08:02
ステーブルコイン大手サークル、コインベースとリップルから買収アプローチ=報道
USDC発行元のサークル社が50億ドル以上の企業価値での買収提案を複数社から受けている。リップルとコインベースからアプローチされ、IPO計画と並行して検討中か。
07:45
過去最高515億円含み益達成、エルサルバドルのビットコイン投資
エルサルバドルが保有するビットコインが515億円の含み益を達成。国際通貨基金との合意に反してビットコイン蓄積を継続中。
07:25
コインベース顧客情報流出事件、米司法省が捜査開始=報道
米司法省が仮想通貨取引所コインベースの顧客データ流出事件について刑事捜査を開始。インド拠点従業員への贈賄による情報漏洩で、ハッカーが2000万ドルの身代金を要求していた。
06:40
ストラテジー社とセイラー氏、ビットコイン投資の収益性めぐり投資家から集団訴訟
ストラテジー社とマイケル・セイラー会長が、仮想通貨ビットコインの投資戦略の収益性について虚偽の説明をしたとして投資家から集団訴訟を起こされた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧