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Forbes企業ランキングTop5はブロックチェーン技術を既に導入済みと判明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

世界トップ5の巨大企業とブロックチェーン技術
世界長者番付で有名な経済誌フォーブスが、世界の株式公開企業ランキング「グローバル2000」を発表。TOP5社のいずれもが、ブロックチェーン技術を導入済みと判明。分散台帳技術の研究開発部門を設立するなどしている。
ブロックチェーンとは
非中央集権の分散型台帳技術、または分散型ネットワークのこと。基本的に改竄できず信頼性が高いため、仮想通貨のみならず煩雑な契約自動化によるコスト削減など、幅広い用途での活用が期待されている。

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世界トップ5の巨大企業とブロックチェーン技術

毎年、世界長者番付を発表することで広く知られている世界有数の経済誌フォーブス(Forbes)が先月、「グローバル2000」と題した、世界の株式公開企業トップ2,000のランキングを発表しましたが、その上位企業5社のいずれもが、ブロックチェーン技術を導入済みであることがわかりました。

今年で16年目を迎える「グローバル2000」リストには、世界60カ国の上場企業が含まれ、これらの企業を合計すると、総年間収益39.1兆ドル(約4300兆円)、総利益3.2兆ドル(350兆円)、総資産189兆ドル(2.8京円)、総時価総額56.8兆ドル(6250兆円)で、全指標において、前年比で2桁増加し、利益28%アップという目覚ましい結果を出しています。

トップ5は、次の5社です。

  • 1位:中国商工銀行(ICBC) 
  • 2位:中国建設銀行(CCB)
  • 3位:JPモルガン チェース銀行(JP Morgan Chase)
  • 4位:バークシャー ハサウェイ(Berkshire Hathaway)
  • 5位:中国農業銀行(ABC5)

中国4大銀行の内、3つがランクインしていることが注目されますが、残りの一行である中国銀行も第9位でトップ10入りを果たしています。 

なお、トップ10には、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)、米ウェルスファーゴ銀行(Wells Fargo)、米アップル、中国平安保険がランクインしており、中国とアメリカで二分する形となっています。

第1位:中国商工銀行

まずは第1位から。ブロックチェーン技術をどのように導入しているか、見て行きましょう。

1984年に設立され、北京に本社を置く中国工商銀行は、総資産世界第1位で、時価総額3110億ドル(34.2兆円)の世界最大の銀行です。  

同行は、中国国家知識産権局に、ブロックチェーンを利用して、証明書発行の効率化を図るシステムの特許を申請しています。 

暗号化された認証済みの文書をブロックチェーン上に保存することで、組織や機関は、許可を得て認証文書を閲覧できるため、ユーザーは、複数の機関に同一書類を何度も提出する手間を省くことができ、総じて「証明書発行業務の合理化」を成し遂げることができます。

第2位:中国建設銀行

第2位の中国建設銀行は、1954年に設立。北京に本社を構え、総資産世界第2位、時価総額2612億ドル(28.7兆円)となっています。 

同行は2017年9月、IBMと共同で、ブロックチェーンを利用した保険窓販(バンカシュアランス=bancassurance)プロジェクトを、香港で開始したことを発表しています。 

IBMのブロックチェーンプラットフォーム上に構築され、必要なポリシーデータをリアルタイムで共有することが可能になるため、多大な時間を要する資格確認業務が不要になり、処理時間の迅速化を図ることができます。 

また、ブロックチェーンの利用により、ネットワーク参加者間の説明責任が明確になり、透明性が向上することで、中国建設銀行と提携する保険会社の両者が、より効率的なサービスを提供することを可能にします。

第3位:JPモルガン チェース銀行

第3位のJPモルガンチェース銀行は、ニューヨークに本社を置いており、1968年創立。総資産世界第8位、時価総額3877億ドル(42.5兆円)で、資産額では、アメリカ最大の銀行となります。

同行は、行内にブロックチェーンエクセレンスセンター(Blockchain Center of Excellence=BCOE)という名称で、分散台帳技術の研究開発部門を設立。 BCOEは、同行独自の、Quorumというイーサリアムを基盤としたオープンソースプラットフォームを開発しています。

Quorumは、「企業特化版」イーサリアムと銘打って、金融業界特有のブロックチェーン技術導入の課題に焦点をあてて開発されています。 

既知の参加者で構成され、許可されたグループ内で、高速かつ高処理能力を必要とするプライベートトランザクションなどの事例に最も適していると説明されています。

第4位:バークシャー ハサウェイ

第4位は、ビットコインを痛烈に批判しているウォーレン・バフェット氏が会長兼最高経営責任者を務める、持株会社および投資大手のバークシャー ハサウェイ(Berkshire Hathaway)ですが、その完全子会社であるBNSF鉄道や、Richline Groupは、ブロックチェーン技術に積極的に関わっているようです。

バークシャーハサウェイ社は、総資産では世界52位ですが、利益では世界第5位、時価総額は世界第7位の4919億ドル(54.1兆円)となっています。

BNSF鉄道は今年2月、200を超える企業が参加する、ブロックチェーン輸送連合(Blockchain in Transport Alliance=BiTA)に、アメリカの主要鉄道会社としては初めて参加を表明しています。

BiTAには、他に物流サービス世界最大手のFedEx社、貨物運送大手、UPSやタイヤ製造企業、ブリジストンなども参加しており、ブロックチェーン技術を利用しての品質管理や不正行為の防止策などを検討しています。

また、Richline Groupは、ブロックチェーン技術により、ダイヤモンドや貴金属の流通経路を、消費者が容易に把握できるようなシステムを開発を目指す、TrustChainという共同プロジェクトに参加しています。

第5位:中国農業銀行

第5位の中国農業銀行は、資産総額において世界第3位の銀行であり、時価総額は1841億ドル(20.2兆円)となっています。同行がブロックチェーン技術を導入しているのは、信用履歴の欠如により銀行融資を受けることが難しい、中小農業経営者向けの融資システムです。 

中国農業銀行は2017年8月、杭州市に拠点を置くブロックチェーンスタートアップ企業のHyperchain社と提携し、「Eブロックチェーンローン」と呼ばれる、農業関連ビジネスや農家に特化した融資システム開発を発表しました。

このシステムは、中国農業銀行のデータベースから信用記録を引き出し、法人顧客にワンストップの融資サービスを提供。このサービスには、注文の購入、与信承認、柔軟な価格設定、自動承認、委託支払、自己償還などが含まれます。

報道によりますと、2017年8月1日には、このシステム上で「第一号のローン」となるオンラインでの支払いを完了したとのことです。

まとめ

以上、世界のトップ企業5社におけるブロックチェーン技術導入例を見てきましたが、世界経済に大きな影響力を持つ、これらの企業が積極的に取り組むブロックチェーン技術の導入は、これから益々その潮流を裾野まで広げていくことと思われます。

なお、先月末の報道によると、アメリカの証券取引所NASDAQのリサーチでIT企業のブロックチェーン技術導入率が5%ほどであるとの情報がありましたが、これは、世界の企業全体の数字ではなく、証券取引所など、資本市場インフラを提供する企業に限った数字であることが判明しています。(Wall Street Journal紙上で訂正済み)  

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