はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

CPI通過もビットコイン高値更新はならず、OTC在庫減少で供給逼迫続くか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-0.89%の1BTC=108,600ドルに。

BTC/USD日足

米労働省の労働統計局が11日に発表した米国の5月消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る結果となり、ニューヨーク外為市場でドルが下落した。インフレ鈍化を受けて連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が高まっており、リスク資産である株や仮想通貨にとって支援要因となる可能性がある。

5月のCPI統計では、食品・エネルギー価格を除くコア指数の伸びが前月比、前年比ともに市場予想を下回った。この結果を受けて米国債相場は上昇し、金融政策に敏感な2年債利回りは7ベーシスポイント低下して3.95%となった。年限全般で利回りが低下しており、FRBが年内に複数回の利下げを実施するとの見方が市場で強まっている。

関連:ビットコインを保有する上場企業ランキング|日本・米国の注目企業を解説

直近のビットコイン上昇には、地政学的要因も寄与している。ドナルド・トランプ米大統領は昨日、自身のSNS「Truth Social」を通じて、中国との貿易協定が合意に達し、習近平国家主席の最終承認を待つ段階にあると発表した。

この協定には一部の輸出関税撤回が含まれるとされ、両国の商務当局も内容を確認している。

米中間の貿易摩擦緩和は、世界経済の不確実性減少とリスク資産への投資意欲向上に繋がる要因として市場で評価されている。

また、トランプ大統領との激しい応酬で確執の生まれていたイーロン・マスク氏が、「行き過ぎた発言があった」と非を認めたことも追い風だろう。テスラ株など株式市場の不確実性やイーロン・マスクの事業におけるシステミックリスクを後退させた。

OTC在庫が大幅減少

市場分析によると、深刻な供給逼迫が価格上昇の主要因となっている可能性が示唆されている。

2025年初頭以降、中央集権型取引所に保管されているビットコインは14%減少し、わずか250万BTCまで減少した。これは2022年8月以来の最低水準となっている。投資家が長期保有を目的としてビットコインを取引所から引き出し、コールドストレージに移している結果、市場で売却可能なビットコインが急激に減少している。

大口取引を仲介するOTC(店頭取引)デスクでも同様の現象が発生している。CryptoQuantによると、マイナーに関連するOTCアドレスのビットコイン残高は1月以降19%減少し、現在はわずか134,252BTCと過去最低水準を記録した。

OTCデスクは機関投資家などの大口取引を円滑に処理するため一定の在庫を保持しているが、この在庫枯渇は大口需要の急増と供給不足の深刻化を示している。

先物市場の変化

通常、ビットコイン価格が上昇する局面では、先物取引の資金調達率(ファンディングレート)はプラスとなり、買いポジション優勢の状況を示す。しかし現在は価格上昇にもかかわらずマイナス資金調達率となっており、売りポジションが優勢という異例の状況が発生している。

この現象は今回のサイクルで4回目の発生となる。過去3回はいずれも大幅な価格上昇に繋がっており、6月6日から8日にかけて資金調達率がマイナスに転じた際も、ビットコインは104,000ドルから110,000ドルへと急騰した。これは空売りトレーダーが優勢であるにもかかわらず、現物市場が売り圧力を吸収していることを示し、潜在的な買い需要の強さを物語っている。

先物取引の建玉が過去最高水準に達する中、市場は極めて緊張した状態にある。売りポジションの強制決済(ショートスクイーズ)が発生すれば、価格をさらに押し上げるフィードバックループが生まれ、爆発的な上昇に繋がる可能性が高まっている。

ビットコイン市場は表面上穏やかに見えるが、この静寂こそが重要な意味を持っているとの指摘もある。個人投資家の活動は低迷し、取引量は2023年のサイクル開始以来最低水準に落ち込んでいる。

しかし、流動性供給の減少により、価格上昇は投資家の熱狂的なセンチメントや大量の取引ではなく、実際の現物需要とレバレッジ取引の乖離拡大によって支えられている。

デリバティブ取引における強制清算や急激な価格変動が引き金となれば、供給制約下での大幅上昇が現実となる可能性を秘めているとの見方がある。

関連:ビットコインと仮想通貨関連株はどちらを買うべき?メリット・デメリットを解説

関連:仮想通貨取引所ランキング|プロ厳選の実績と評判で徹底比較

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/12 金曜日
16:00
AIと仮想通貨がもたらすサイバー空間の新たな脅威|WebX2025で語られた国家安全保障・金融リスク
大型Web3カンファレンス「WebX」では「クリプト・サイバーリスク: 国家安全保障、金融、Web3」をテーマとしたパネルセッションが開催され、金融犯罪や仮想通貨犯罪を助長すると同時に防止にも役立つという二面性を持つテクノロジーの使用に焦点が当てられた。
14:52
GateグループCEOのハン博士がCEX・DEX市場動向を解説、今後の日本展開計画も明らかに|WebX2025
Gate.ioのリン・ハンCEOがWebX 2025で登壇。世界3,600万ユーザーを抱える同社がCEXとDEXの市場分析を発表。2030年までのビットコイン価格予測や日本でのライセンス取得、2025年中の日本市場参入計画について言及した。
13:55
ギャラクシー・デジタル、800億円相当のソラナを取得 ノボグラッツCEOは「ソラナシーズン」と評価
「ソラナシーズン」とみなすギャラクシー・デジタルは過去24時間で231万SOLを取得。フォワード・インダストリーズへの16.5億ドル投資参加に関連する動きか。
13:14
米国でハイパーリキッドETF申請計画|Paypalもステーブルコイン提案へ参加
バンエック社が米国でハイパーリキッドのステーキングETFを米国で申請予定。パクソス社もペイパル連携でステーブルコイン提案を発表。
13:00
ソラナ(SOL)の将来価格予測|ETF承認期待と今後の見通し
ソラナ(SOL)は「イーサリアムキラー」として注目される暗号資産です。イーサリアムより圧倒的に速くて安いため、多くのアプリで使われています。 2025年は特に注目の年です。米国…
12:02
CryptoQuantがETH上昇サイクルを高評価 Hyperliquid(HYPE)最高値更新はETF申請など追い風に
データ分析企業CryptoQuantがイーサリアム(ETH)の上昇サイクルを高く評価した。一方、資産運用大手VanEckがHyperliquid(HYPE)の現物ステーキングETF申請を発表。これらが材料視され、HYPEは過去最高値56.1ドルを記録するなど前週比23%上昇。機関投資家のアルトコイン投資拡大が鮮明になっている。
11:45
アーサー・ヘイズ、今週2.2億円相当のENAを大量購入 その背景は?
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が9月14日予定のハイパーリキッドステーブルコイン投票を前に、過去3日間で2.2億円相当のENAトークンを購入したが、Ethenaは昨日提案を取り下げた。
10:22
ビットコイン市場は依然として岐路、重要な下値水準は? Glassnode分析
Glassnodeによる仮想通貨ビットコイン市場の最新レポートは短期的に市場回復する価格基準などを分析。機関投資家のリスク管理が安定した市場構造へ導いているとも述べる。
09:35
DigiFT・チェーンリンク・UBS、香港でトークン化ファンドの自動運用を開始
香港サイバーポートの支援制度でDigiFT、チェーンリンク、UBSが共同プロジェクト承認。トークン化ファンドの配信・決済・ライフサイクル管理を自動化へ。
09:00
Chainlink Data StreamsがSeiで稼働、米商務省データのオンチェーン化も発表
ChainlinkのData StreamsがSeiで本格稼働。市場価格データを1秒未満で更新・提供。米商務省との提携で経済指標のオンチェーン化も発表され、機関投資家向けインフラが大幅強化された。
08:35
JPモルガン分析、ストラテジーのS&P500編入見送りで「仮想通貨トレジャリー企業に打撃」
JPモルガンのアナリストは、ストラテジーのS&P500指数編入見送りは仮想通貨財務戦略企業全体への打撃と分析。他の指数提供会社の方針変更リスクも指摘。
07:35
NYSE上場のクリーンコア、187億円相当ドージコインを取得
クリーンコア・ソリューションズがドージコイン財務戦略で5億トークン超を取得。ドージコイン財団と連携し、流通量5%獲得を長期目標に設定。
07:10
アニモカジャパン、上場企業の仮想通貨戦略の支援事業を本格始動
Animoca Brands Japanは、上場企業への仮想通貨トレジャリー戦略支援を本格開始すると発表。親会社を含めた知見とネットワークを活かし、企業価値向上を多角的にサポートするとしている。
06:55
米上場のセーフティー・ショット、BONK特化子会社設立で90億円超のトレジャリー構築
セーフティー・ショットがBONKホールディングス設立を発表。500万ドル追加購入でBONK財務を6300万ドル超に拡大、総流通量の2.5%超を保有。
06:00
米上場のフォワード・インダストリーズ、2400億円調達でソラナ財務戦略を本格化
フォワード・インダストリーズがギャラクシー・デジタル主導で16.5億ドルを調達。調達資金でSOLトークンを購入し、ソラナ中心の企業財務戦略を展開予定。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧