- SECが80社に上る仮想通貨企業を召喚
- SECが仮想通貨市場の動向を追う為、多くの仮想通貨関連企業を召喚しました。召喚状が送られた80社の中には、TechCrunchによって設立された仮想通貨ファンドも調査の対象となっています。
- SECの不明確な調査方針
- TechCrunchの創業者であるArrington氏は、SECによる調査には賛成であるものの、SECの規制方針が一意に定まっていない現状を問題視し、国内の仮想通貨企業の海外流出を懸念しています。
SEC(アメリカ証券取引委員会)が80社の仮想通貨関連企業を召喚しました。
CNBCの報道によると、80社の中にはTechCrunch(アメリカのIT、ベンチャー関連に関するニュースを配信するブログサイト)の創設者であるMichael Arringtonが立ち上げた数億円規模のクリプトファンドも含まれているとのことです。
Arrington氏はSECの召喚は問題ではなく、米政府は仮想通貨市場の動向を追うための指針を確立すべきだと主張しました。
証券取引法が仮想通貨に適用されるか否かは未だ定まっていません。
SECは仮想通貨が証券取引法のもと管理されるべきだと主張しているものの、仮想通貨の開発者がこの規制にどう従うかについては議論がなされていません。
結果として、仮想通貨関連企業は自社がスキャム(詐欺)ではないことを証明するために弁護士に頼らざるを得ない状況です。
同様にICOでは、法的な不確実性により、米投資家が市場に参加することを禁止する場合もあります。
仮想通貨市場は大きく成長しており、SECは仮想通貨関連企業の昨年の動向についてより多くの情報を得ることを求めています。
大手法律事務所で仮想通貨関連訴訟チームの長を務めるJason Gottliebは、SECのニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ支部が召喚状を発行したと述べています。
また、他の情報筋からも召喚状についての報道が多くなされています。
SECによる規制の代償
Gottlieb氏は、SECが詐欺として資産を凍結したPlexCorpsの代理弁護士を務めました。
彼は、SECによる調査は今年度を通じて続くだろうと述べています。
これまでに、80社が召喚状を受けていると当情報筋は述べています。
Arrington氏は、SECによる調査の規制方針がぼんやりしたままでは、仮想通貨関連企業が国外での事業展開にシフトするようになるだろうと述べ、アメリカがそれらの企業を闇雲に凍結させるようなことは恥であるとしました。
続いてArrington氏は、投資家の観点から見れば中国やその他アジア諸国によるプロジェクトはより魅力的であり、そのどれもが高いクオリティを保っていると述べました。
各国の仮想通貨へのアプローチ
規制当局の仮想通貨へのアプローチは国ごとに大きく異なっています。
中国は昨年の9月にICOを全面的に禁止しました。
日本は仮想通貨取引認可のために必要なライセンスを昨年4月に作成し、韓国は今年1月の下旬に匿名での取引アカウントの作成を禁止しました。
ブロックチェーン事業への投資家で、「The Business Blockchain」の作者でもあるWilliam Mougayarは、SECがトークンを分類化することには反対していると述べました。
Autonomous Nextによると、昨年はICOにより50億ドル以上の資金が調達されました。
しかし、これらのプロジェクトはホワイトペーパー作成に続くプロダクトのリリースに苦労しているケースがほとんどです。
SECによる取り締まり
SECの委員長であるJay Claytonは、CFTCの委員長とともに新聞の論評欄へ寄稿し、SECはICO市場に多くのリソースを割いていると綴りました。
SECは投資家向け情報(Investor Bulletin)として昨年夏からICOの危険性について警告していました。
Gottlieb氏は、「裁判所判決の詰め合わせ」をもとに、SECの調査が始まったと述べています。
彼は、SECの召喚による調査に対し、いずれ最高裁判所の関わりを求める必要があるかもしれないと述べました。
ある資産が有価証券として定義されるか否かは、通例では1946年に最高裁によって作成された「Howey Test」に従います。
Washington Analysisの金融アナリストであるRyan Schoenは、今回の召喚により、いくつかのトークンが未認可の有価証券として判断されるだろうと述べています。
また、これらのトークン取引に関わりをもった企業はSECによる規制を受ける次の対象となることだろうとSchoen氏は述べました。
SEC Subpoenas 80 Cryptocurrency Firms, Including TechCrunch Fund
MARCH 04, 2018 21:19
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