- Galaxy Digital社の損失
- 7月25日に、ニューヨークでデジタル資産および、ブロックチェーン技術に特化した投資銀行業務を行うGalaxy Digital社が2018年度の第1四半期の監査済み財務諸表を公開した。その財務諸表によると、保有資産の含み損も加え、合計で1.34億ドル(約148億円)の損失を出したことが明らかになっている。
- Galaxy Digital CEO Novogratz氏の考え
- しかし、同社CEOのNovogratz氏は、2018年に入ってからの進捗を誇りに思っていることを明かし、今後中長期的に仮想通貨市場が回復して行くことに自信を持っていると語った。今回の財務諸表は、あくまでも、第一四半期のものであり、第二四半期の財務諸表がどのようなものになっているのかが注目されている。
Galaxy Digital社の損失
7月25日に、ニューヨークでデジタル資産および、ブロックチェーン技術に特化した投資銀行業務を行うGalaxy Digital社は、2018年第1四半期(2018年3月31日締め)の監査済み財務諸表を公開し、1.34億ドル(約148億円)の損失を被っていることを明らかにしました。
Galaxy Digital社は、2016年に元ウォール街のマクロトレーダーであり、大富豪のMike Novogratz氏によって創業され、ニューヨークだけでなく、東京やバンクーバーにもオフィスを構えています。
さらに、2018年5月には、Bloombergと提携し、時価総額が高い主要10仮想通貨の”Bloomberg Galaxy Crypto Index (BGCI)”を公開し、仮想通貨取引所の設立支援なども行うAlphaPoint 社や、仮想通貨を担保に貸付を行うにBlockFiにも投資を行なっています。
報告書によると、同社は、昨今のビットコイン価格の下落により、保有するデジタル資産において8,550万ドル(約95億円)もの純評価損失(含み損)を抱えており、2,400万ドル(約26億円)相当の投資損失も出したと記述されました。
そして、それに加え、同社は、1,100万ドル(約12億円)の営業経費、1,350万ドル(約15億円)の損失も出し、合計で1.34億ドル(約148億円)の損失を出したことが明らかになっています。
Galaxy Digital CEO:Novogratz氏の考え
このような多大な損失が明らかにされた一方で、同社のCEOを務めるNovogratz氏は、比較的楽観的な考えを以下のように述べました。
今年度初頭からの進捗を非常に誇らしく思っている。
私たちは、機関投資に知見があり、専門性を持つ世界レベルのチームを作り上げ、4つのコアな事業を確立させるために、大きく前進してきた。
そして、私は、さらなる成長を遂げるためにこのチームが牽引してくれることを確信し、デジタル資産やブロックチェーン技術の国際化において、弊社が戦略的に良いポジションにいると考えている。
さらに、Novogratz氏は、7月中旬にソウルにて行われたBeyond Blocks会議にも参加し、「規制の透明性および、適切な仮想通貨管理サービスの充実」がない限り、ビットコイン価格が1万ドル(約110万円)の壁を超えることは難しいと話した一方で、現時点で2,900億ドル(約32兆円)である仮想通貨市場の時価総額が、12ヶ月以内には、その3倍ほどとなる8,000億ドル(88兆円)を超えていくという予想を語りました。
このように、現時点では、業績が芳しくないGalaxy Digitalですが、そのCEOであるNovogratz氏は、今後規制の不透明性が払拭され、仮想通貨管理サービスが続々と台頭してくることで、仮想通貨市場が中長期的に成長して行くことに自信を持っているようです。
そしてGalaxy Digital社は、カナダのスタートアップであるFirst Coin Capitalを買収し、同じくカナダのBradmer Pharmaceuticalsと逆さ合併を行い、トロント証券取引所参加のベンチャー企業を中心に取り扱うTSXベンチャー取引所に同社を上場させようと試みるなど、積極的な取り組みを行っています。
今回Galaxy Digitalによって、発表された財務諸表は、あくまでも第1四半期のものであり、同社が、第2四半期にどのようなパフォーマンスを挙げているのかは定かではありません。
よって、次なる第2四半期の財務諸表がどのような状態になっているのかが注目されます。