- 金融庁の動き
- 日本の金融庁は、改正資金決済法に基づく仮想通貨交換業者(取引所)登録の審査厳格化したことが、時事通信の報道で明らかとなりました。
日本の仮想通貨交換業者登録の審査厳格化
日本の金融庁は、改正資金決済法に基づく仮想通貨交換業者(取引所)登録の審査厳格化したことが、時事通信 の報道で明らかとなりました。
今回の報道で明らかになった厳格化事項は以下の通りです。
審査書類の質問項目を従来の4倍となる約400項目に拡充
財務の健全性を維持する方策やシステムの安全対策、各項目の意思決定への経営陣の関与に関して、取締役会議事録の提出
株主構成も定期的に調査
反社会勢力との関係をチェックする社内体制の有無
参考元:時事通信
なお、大手仮想通貨取引所6社に対して発令した業務改善命令を含め、8月10日「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリングの中間とりまとめ」の発表と、今回厳格化事項には多くの該当項目が見受けられており、これら中間とりまとめで挙げられていた審査事項の詳細が、今回の報道でより明らかになりました。
コインチェックの仮想通貨流出事件を受けストップしていた仮想通貨交換事業者登録申請は、これら立ち入り検査中間とりまとめが発表された事により、仮想通貨交換業者が抱える問題やリスク等が総括される形で再始動する運びとなったものの、蓋を開けてみると質問事項も4倍となるなど厳しい審査状況の元審査が行われていくことになり、審査待ちとなる百数十社の中には、審査厳格化で断念する業者が出る可能性が懸念されています。
しかし、厳格化こそ行われるものの、より明確にルール化される上で、金融庁が新規事業者登録を正式に再開し始めたと捉えることができる動きでもあり、一時審査自体が停止していたことによる国内の仮想通貨業界の停滞が、少しずつ解消し、より健全な日本マーケットへの発展に寄与するプラスの動きであると捉えることもできます。
一方で、先日報道された「楽天グループ」の連結子会社である楽天カード株式会社を通じて、仮想通貨取引所「みんなのビットコイン」(みなし業者:登録申請中)運営企業の全株式を取得や、ヤフーグループのZコーポレーションによる、仮想通貨交換業者「ビットアルゴ取引所東京」への資本参加など、登録厳格化の中で、より早く業界参入を目指す新たな動きも活発化する可能性が考えられるでしょう。
日本仮想通貨業界の今後
「中間とりまとめ公表によって起こる日本の仮想通貨市場の3つの変化」でお伝えした内容と重複部分がありますが、日本の仮想通貨市場を振り返ると、「改正資金決済法」が施行された事により、新規参入者が多く市場に参入してきた事など、法整備が世界に先駆けて行われてきたことで、世界の中でマーケットが巨大化してきた背景があります。
法整備を整えることは一朝一夕で行われる事ではありませんが、議論を行い法的なルールを制定する、このプロセスは現在の仮想通貨業界にとって必要不可欠となります。
経済大国かつ先進国の日本が、世界に先駆けて仮想通貨に関する法律を適切に定めることで、業界を取り巻くさまざまな懸念を払拭、安心してビジネスや投資を行うことができる「健全な市場環境」に変わっていくことが望まれています。
金融庁の新長官に就任した遠藤 俊英氏も、先日のロイターのインタビュー内で、「(仮想通貨業界を)過剰に規制する意図はない。適切な規制の下、成長して欲しい。」とコメントした様に、規制こそ力を入れるものの、未来の業界を見据えた動きであることは忘れてはいけないものであり、今後の日本の仮想通貨業界の盛り返しに期待したいと思います。
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