はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米国外でもビットコイン先物提供へ|仮想通貨市場に影響を及ぼす「Bakkt3大テーマ」が明らかに

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Bakktが解決すべきもの
米ニューヨーク取引所の親会社、ICEが運営する新たな仮想通貨取引所「Bakkt」のCEOは、最初のステップとして「新興技術に準拠した新商品開発」など3点を挙げた。11月に、現物ベースの先物取引を開始するBakktでは、米ドル、英ポンド、ユーロ、その他の法定通貨による取引が可能とされる。

Bakktの初の主務とは

BakktのCEOを務めるKelly Loeffler氏は、前回、コインポストでも取り上げた「ビットコイン現物取引と先物取引もレバレッジ無し」の紹介に続き、公式ブログにて、Bakktに見込んだ『ファーストステップ』を以下のように、解説しています。

Ⅰ. 既存インフラにおける新商品

新興技術に準拠した新商品の開発は、歴史的に見ても簡単なタスクではない為、Bakkt財団は、既存の主流アセット・クラスとデジタル・アセットの溝を埋めるための準備をしています。

したがって、Bakktは、すでに規制されおり、実績が伴われた先物市場のインフラを通して、現物ビットコイン先物と金庫をグローバル市場へ導入することにしたと、Loeffler氏は言及しています。

「機関投資家水準の研修プログラムとコンプライアンス等を含む、既存の先物市場が持つ特徴は、初めてBakktが提供しようとする『現物のビットコイン先物』にも応用されるとのことです。

なお、特に重要視されるコンプライアンス面において、アンチマネーロンダリング(AML)と顧客確認(KYC)や、市場監視、そして連邦規制を満たした報告標準等はCFTCの最終審査・承認にかかる、と説明されています。

さらに、ICE(インターコンチネンタル・エクスチェンジ=Bakktの親会社)が持つICE Futures U.S.とICE Clear U.S.という2つ先物取引の専門企業を通じて、グローバルな金融機関は米国外でもビットコイン先物を提供することが出来るとされます。

よって、Bakktの第一期の先物契約から、米ドル(USD)、英ポンド(GBP)やユーロ(EUR)その他の法定通貨による取引が可能となり、しかもUSD/BTC先物の場合、BTCの受渡し日は翌日となるメリットがあります。

Loeffler氏は、この現物受渡しがビットコインの実用性にもつながると記述しています。

Ⅱ. 新たなセキュリティ基準ーカストディ

Loeffler氏は、

「機関投資家クライアントが、Bakktマーケットと金庫(ウェアハウス)を利用する際、ビットコインの入金は主に『オフライン状態』で取り扱われる」

と明かしました。

Bakktの金庫は、マルチシグネチャー(Multi-Sig)だけでなく、実際の署名や生体認証も行い、高度な物理的技術を統合するとのことです。

また、金融セキュリティの面では、先物市場でのビットコイン売買は現物に準拠したものでありながら、返済不能を防ぐためには、清算業務を行うICEの子会社(上記ICE Clear U.S.)もまた、Bakktによる担保ファンドが保証されます。

Ⅲ. 市場と情報へ新たなアクセス

最後にLoeffler氏は、Bakktが提供する市場と情報への新しいアクセスの仕組みを紹介しました。

彼女によれば、規制されていない現金仮想通貨取引所では、大口機関投資家に関する市場と情報への接続は個人投資家と異なり、FIX APIやISDAなどのプロトコルが使われていますが、BakktはISDA(OTCスワップ市場に使われるプロトコル)に頼らないそうです。

また、既存の先物エコシステムはブロックチェーンの『セカンド・レイヤー』として機関間の取引を促進しますが、現在の現金仮想通貨市場では非常に不完全であり、市場と情報へのアクセスに不要な手間をかけてしまっている現状が見られます。

これに対し、Bakktは現物先物受渡しの市場価格とリアルタイムで、より多くのトランザクションを有効に行う仕組みになると、説明されています。

Bakktに対する高い期待値

最近、仮想通貨調査企業のIronwood Research Groupは、Bakktを議題にした公開討論を行い、以下のように言及しました。

Bakktの将来は非常に明るい。

今年11月に自身のプラットフォーム上で「先物取引」を開始することで、機関投資家を十分に満足させることができた場合、仮想通貨市場に大きな衝撃をもたらすことになるだろう。

私の考えでは、Bakktは「ビットコインETF」以上に重要や役割を持つ可能性がある。

また、9月30日にはSECがVanEck版ETFに対する一時審査の結果を発表すると予定されており、最近注目となっているビットコインETFに関して、以下は、SECが挙げたビットコインETFに関する主な問題点です。

  1. 信頼のおける価格形成の欠如
  2. 先物市場とデリバティブへの信用

以前紹介したように、「Bakkt」は、現物受渡しとレバレッジ無しという観点から、すでにSECの要求水準を明確に満たしている仮想通貨取引所であり、”信頼の置ける価格形成の構築”に焦点を当てていく事で、ビットコインETFの初承認に対して、大きな影響を与え得ると考えられます。

CoinPostの関連記事

『仮想通貨市場に及ぼす影響は、ビットコインETFを超える』Bakktが米市場関係者に注目される理由
「新仮想通貨プラットフォームBakktが予定するサービス内容が既存スキームと異なる点として、”ビットコイン現物”に裏付けられたBTC先物取引があり、実際の資金が仮想通貨市場に流入する」等と言及した。
ビットコイン暴落時こそ重要性を理解すべき、米NY「仮想通貨取引所Bakkt」の可能性
BakktのCEOに就任予定のICE取締役は、「機関投資家、企業、顧客がデジタルアセット投資参入の拡張性を持つ入口として、より高い効率性・安全性・実用性を推進する、画期的な取引所が構築される」と発言した。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧