- 韓国仮想通貨取引所Zeniex「政府の圧力」背景にサービス停止を告知
- 韓国と中国の合併仮想通貨取引所Zeniexが11月23日(金)を持って、全てのサービスを終了することを正式に発表した。Zeniexの停止は韓国政府から非登録だった点に加え、金融当局からの承認を受けられなかった事が大きな要因だと言える。
金融当局からの圧力でサービス終了
韓国と中国の合併仮想通貨取引所Zeniexは2018年11月23日(金曜日)をもって、全サービスを終了することを公式発表した。
ZXGの取引自体は既に9日(金曜日)から廃止しており、期日までにZXG以外のクリプト資産を全額引き出すよう顧客に通告している。
また独自通貨のZXGに関しては 本日(12日)ETHで返金される。
Zeniexは自社サイトに掲載した声明文の中で、「最近のZXGをめぐる問題に関して組織内部・外部で審議を重ねた結果、サービスの継続が困難であるとの結論に達した」と述べている。
各報道機関の報道によると、同取引所が9月に設立した仮想通貨ファンドZXG Crypto Fund 1が韓国金融当局の捜査対象となり、日に日に圧力が増していたようだ。
この点に関してはZeniexも
これほどまでに金融当局による圧力がかかっている現在、円滑な運営が困難になることは間違いない。
とサービス継続の断念を認めている。
サービス停止の要因
金融当局が問題視しているのは、ZXG Crypto Fund 1が大韓民国金融監督院(FSS)の監査を受けていない非登録の商品であることに加え、管理会社、販売会社、受託者のいずれも金融コミッションの承認を受けていない点だ。
これに対しZeniexの代表は、「調達資金総額が10億ウォン(約1億円)未満であるため登録ができない」と国内メディアに語っていた。
仮想通貨ファンドトークンZXGの海外上場を計画するなどグローバルな展開を視野に入れていただけに、声明文には志半ばに実質上の閉鎖に追い込まれた無念さが滲み出ている。
背景|韓国金融委員会、銀行・仮想通貨取引所間の提携を承認
韓国政府は2017年9月のICO禁止に始まり、2018年1月には国内における仮想通貨取引所の閉鎖検討、無記名口座の禁止など、たたみかけるかのごとく圧力をかけてきた。
銀行にも仮想通貨取引所との連携を禁ずる働きかけがあったようだ。
しかし5月に国民議会がICO廃止の撤回を求める法案を提出したあたりから、当局もブロックチェーンや仮想通貨に秘められた将来性を認識し、再合法化に向けた動きが活発化する。
さらに大韓民国金融委員会(FSC)のコミッショナー、チェ・ジョンク氏が、「取引所が顧客確認や資金洗浄対策がなされている」という条件下で、銀行が仮想通貨口座サービスを仮想通貨取引所に提供することを許可すると発表。
仮想通貨取引所が銀行と提携可能な環境が整ったことは、韓国の仮想通貨産業にとって追い風となりそうだ。
Zeniex、復活はあるのか
しかし政府がポジティブな環境整備に着手したからといって、一夜にして状況が一転したわけではないことは、NH農協銀行との契約更新に失敗した韓国最大手取引所bithumbや、今回のZeniexのような事例をみれば明白だ。
Zeniexは2月にサービスを開始して以来、仮想通貨ユーザーが安全に取引を行える環境作りに精力的に取り組む一方で、中国最大規模を誇るウォレットサービス・プロバイダー「庫神」やブロックチェーン目でメディア「金色財経」、インターネットセキュリティー企業「奇虎360」など大手企業と続々に提携関係を結び、急速な成長を遂げていた。
政府からの風当たりが最も厳しかった時期の最中にサービス開始に踏みきった背景について、チェ・ジンジュンCEOは当時、「サービスを待っていてくれる顧客のために、前進することを決断した」と語っていた。
なお今後の展開や動向について、Zeniex側や、パートナーのGenesis Capitalは明らかにしていない。