- 香港の金融局、仮想通貨への規制強化の方針を表明
- これまで比較的仮想通貨への規制の緩かった香港のSFC(証券先物事務監察委員会)は、仮想通貨関連の犯罪やマネーロンダリングへの懸念から現在の仮想通貨関連規制を厳しくする様子だ。この規制は投資家にとって重要なセーフガードになると考えられるが、香港の仮想通貨関連企業にとって負担が大きく、厳しい向かい風になるという意見もある。
香港規制当局:規制強化の方針
これまで比較的仮想通貨への規制の緩かった香港のSFC(証券先物事務監察委員会)は、仮想通貨関連の犯罪やマネーロンダリングへの懸念から現在の仮想通貨関連規制を厳しくする様子だ。
比較的緩かった香港が仮想通貨に対する姿勢を強化
この様な状況の中で香港はトレーダーや取引所に対して一番規制強化が遅れていた。香港は現在まで、アジア圏においては規制が厳しい中国本土とは対照的であった。
しかし世界的な金融の中心地として、香港の規制当局は仮想通貨、特にICOに対しての規制を再評価しようとしている。
先月のSFCの発表によると、投資ファンドが10%以上デジタルアセット(仮想通貨)に投資していれば、ライセンスの取得を義務付けるほか、さらに適格投資家にしか販売できないと発表している。
SFCは取引所運営会社が保有するデジタルアセットに関しては、「一時的な規制・サンドボックス」(当局が新しいサービス提供の為、現行法の即時適用を避け、新事業を育成する為の規制緩和のこと)を設け、そこで彼らがライセンスが必要かどうか試験できる環境を設置したい意向を示している。
これまでのアジア各国の規制の動き
中国規制当局:昨年9月よりICO、取引所、マイニング事業などほとんどの仮想通貨関連ビジネスへの厳しい規制の姿勢を続けている。
韓国規制当局:同じく昨年9月よりICOを全面規制して来たが、テクノロジー導入の必要性なども受け議論を重ね、ICOに対する態度を軟化、合法化も視野に入れて方針を固めつつある。
日本規制当局:今年1月のCoinCheck、9月のZaifの仮想通貨の流出事件を受け、取引所に対する自主規制案の施行やICOの自主規制規則を発表する予定など、1年かけて仮想通貨ビジネスに対する規制の議論を進めて来た。
香港の規制強化に関しては賛否両論
SFCは仮想通貨業界に対して規制強化することを数ヶ月前から警告してきている。今年の2月より、SFCは取引所7社に対して警告を発してきた。
また世界の主要各国が仮想通貨に対する規制を見直している現在において、香港のこの動きは驚くに値しないのかもしれない。
現在のところ、香港の規制強化については賛否両論が上がっている。
大多数の意見は規制が投資家にとって重要なセーフガードになると考えているが、香港の仮想通貨関連企業にとって負担が大きく、厳しい向かい風になるという意見もある。
大和総研グループの矢作大佑氏は、
規制による代償は高くつくだろう。SFCの要求は運営会社にとって大きな負担となり得る可能性がある。
と述べ、ブロックチェーン技術や仮想通貨といったアジア圏で注目を集めている新分野におけるイノベーションを妨げるかもしれないと危惧している。
このように、仮想通貨が一般的に普及する為のコストは高額になるのは確かだが、しかしその反面、それによってSFCが課題と見ている投資家保護は保証が期待されている。
香港のSFCは以前からリスクの高い仮想通貨投資における規制方針の最優先事項として投資家保護を挙げており、11月には仮想通貨に関係する取引所やプラットフォーム、及びファンドマネージャーに対して一連の基準を公表していた。
香港金融当局の仮想通貨への規制強化が、吉と出るか凶と出るかはまだ不明であるが、時間が経つにつれ明らかになっていくと思われる。
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