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仮想通貨マイニングの詐欺事例の全容が明らかに 集団訴訟も準備へ|米CCNが報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マイニング詐欺手法の全容が明らかに
仮想通貨のマイニング投資でも、他の投資スキームと同様の詐欺事例が報告されている。今回は、The Crypto Crime Fighters (仮想通貨犯罪ファイターズ)と呼ばれるグループが、海外メディアCCN に情報を提供、被害者の証言などから投資詐欺の全容が明らかになった。

マイニング詐欺手法の全容が明らかに

仮想通貨詐欺にはいろいろな手法があることが知られているが、この度、そのからくりが明らかにされたのは、クラウドマイニング、紹介制度や「乗り換え」手数料、返金保険契約勧誘など、複雑に絡み合い連鎖した大規模な詐欺の手法だった。

The Crypto Crime Fighters (仮想通貨犯罪ファイターズ)と呼ばれるグループが、米仮想通貨メディアのCCNにコンタクトを取り情報を提供をしたことで明らかになり、CCNは主な被害者数人にインタビューを実施、その経緯などの全容が見えてきた。

Start Optionsの投資詐欺

被害者グループの多くにとって、事の始まりは、Start Optionsというクラウドマイニング企業への投資だったという。

 クラウドマイニングは、マイニング企業に投資を行い、マイニング業者が投資比率に応じたハッシュレートの提供をすることで、利益が出た際に配当を受け取る方法だ。マイニング機器や環境を整える必要がなく、手軽にマイニング投資できる方法として知られているが、海外の投資商品などでも見られるように詐欺報告や出口詐欺も報告されている。

Start Options社への投資の場合、最低投資額が1,000ドル(約108,000円)で、30日から90日の契約期間終了後に、元金と配当を受け取る仕組みだったという。

CCNの調査によると、Start Options社は2016年10月頃から、現在のウェブサイトの形をとるようになったが、仮想通貨が暴騰した2017年は、投資のチャンスに乗り遅れることへの不安や焦りから、多くの人々が、技術への理解が進まない中でも投資を行う人が増加していた背景から、詐欺にとってはうってつけの時期で、Start Options社へ投資した人々も例外ではなかったと報じられている。

例えば、Start Options社は、実際にマイニングを行っている証であるハッシュパワーを提示する代わりに、会社の写真や、実際に香港にある同社を訪れた投資家の証言などをHP上に掲載していた。 そして被害者の多くはそれをもって、公的なデータを自ら確認することなく、Start Options社の正当性を信用してしまったようだ。 さらに、Start Options社は、紹介プログラムにより、ユーザー数を増やしていく仕組みを取っており、ネズミ講のように広がっていく状況にあったようだ。

しかし、2018年、Start Options社への投資状況は複雑さを増していく。 同年2月、同社は、マイニング対象通貨・プラットフォームに新しいアルトコイン、Bitcoiin 2Gen (B2G) を追加した。 B2Gは、俳優のスティーブン セーガルがお墨付きを与えたとするICOでも話題になっていた銘柄だ。 

このアルトコインが導入された時点から、それまで投資家のウォレットへ直接、ビットコインで支払われていた 配当の支払いの仕組みが変わり、投資家はStart Options社のプラットフォーム上で、出金申請を行わなくては出金ができない状況へと移行したという。

またその手続きは、複雑さを極めており、出金までのプロセスから、出金自体厳しい状況にあったことがわかる。

Start Options社のプラットフォームで出金申請

B2GのためのThorexプラットフォームへ移動

米ドルのステーブルコイン ”SMT”と交換

(Thorexプラットフォーム上では、B2G以外のトークンへは交換できない)

被害者代表によると、多くの投資家は、このThorexプラットフォームより先には進めず、その投資金の返還を見ることはなかったと言う。 B2Gは、仮想通貨取引所HitBTCにも上場されているものの、HitBTCはB2Gでの入出金を受け付けておらず、実質的に取引が行われているだけの状況であった。 そのため、利用者は、もう一つの取引所Exratesを使い、B2Gからの交換を行う必要があったようだ。

B2GはHitBTC において、一時、240ドルの高値を付けたこともあるが、この価格はHitBTCに限られたもので、Exratesでは、非常に安い価格で取引されていた。(入出金ができず裁定取引ができず、特定プラットフォームだけで通貨価格が急上昇するパターン)例えば2000ドル分のB2GでStart Options社から支払いを受けたとしも、HitBTCの価格で出金されるため、実際に換金できるExratesで取引を行なった場合、せいぜい10ドルになるのが関の山だったと、被害者は述べている。

このような極端な価格差を生んでいることから、HitBTCに仮装売買(Wash Trade)の疑いがあるとして、被害者団体は、同社に対しても訴訟をおこす用意があるとしている。

しかし、ここで話は終わらない。

CCNの調査によると、Start Options社のウェブサイトを訪問すると、次のようなページが現れ、この信用詐欺の統括元、ドラゴンマイニング社に行きついたと報道している。(CCNアーカイブより)

Start Options社による出金ができない人に対して、ドラゴンマイニング社のサイトへと誘導を行なっている。ドラゴンマイニング社は、実際にマイニングは行っている企業であり、クラウドマイニング契約も売りに出されていたが、そのハッシュレートは極端に低く、ほぼマイニングは、行われてはいない状況が今では続いているようだ。

しかし、ドラゴンマイニング社と提携しているBitcoin Trading World (BTW)とBTC Mining Factoryが、Start Options社のマイニング口座の移転を申し受けるよう投資家に持ち掛けた。 もちろん、そこには、「乗り換え」手数料がかかった上で。被害に遭い困っている投資家からさらに搾取するスキームを組んでいたと思われる。

B2Gからビットコインへの交換も一時的には提供していたと、被害者は述べているが、2018年6月、このBTC Mining Factoryにおける契約が満期をむかえると、BTC Mining Factoryと連絡がとれなくなる状況に陥るなど、Start Options社と同じパターンを示している。

そして、ドラゴンマイニング社は、そのような被害者に対し、返金保険契約を呼びかけている。

ウェブサイトの文言は次の通り:

これらのマイニングプラットフォーム(弊社の以前のマイニングプログラムにリストされています)に投資したお客様は、指定されたマイニングプラットフォームでの初回入金、もしくは、口座残高を請求する権利があります。

しかし、その保険請求の時期になると、ドラゴンマイニング社は、さらなる追加支払いを要求しているとの報告が多発、HP上での文言に留まる、被害者の傷の塩を塗るような行為として問題視されているようだ。

  • Bitcoin Trading World
  • BTC Trader Online
  • Crypto Mining Space
  • BTC Mining Factory
  • Palilula Mining
  • Coin Pool Mining
  • TrinityMining

なお、調査を行なった米仮想通貨メディアCCNは、手口に似た手法を行なったとする注意すべきマイニング投資企業をリストアップし、これらの会社から被害を被った人々は、 Crypto Crime Fightersに連絡をとり、集団訴訟への準備に加わるよう促し、支援を表明している。

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