はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「それでもBakktは未来を切り拓く」仮想通貨業界関係者らが期待を崩さぬ理由

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Bakktの1週目の取引高 約5.5億円に留まる
初週のビットコイン先物取引高が伸び悩んだことで「失望」にさらされたBakkt。評価は、BTC市況を加味して時期尚早と擁護する声もあるなか、有識者らは中・長期目線での期待感を崩さぬ理由を述べた。

Bakktの1週目の取引高 約5.5億円に留まる

9月23日に開始されたBakktのビットコイン現物決済先物取引。2週目に入り、出来高は増加傾向にあるものの、初週の総出来高は619BTCの約500万ドル(5.4億円)に留まり、機関投資家の呼び水として鳴り物入りで登場したものの、肩透かしを食らった格好となった。

出典:ICE

これに対し、2017年末に取引開始したシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物(現金決済)市場出来高は、9月30日の1日のみで取引総額243億円超に達した。

Bakktの特徴

Bakktの提供するビットコイン先物は、米国の規制に準拠した信頼のある取引所(ICE Futures U.S.)で取引され、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から認可を受けた、Bakktウェアハウスがカストディ業務を担う。

つまり、規制とカストディの面では、機関投資家の懸念を払拭するように、注意深く構成された商品となっている。

そのため、これまで現物ビットコインの直接投資を躊躇していた機関投資家のニーズを満たし、その参入を促す起爆剤として期待されていたわけだが、その出足はお世辞にも好調とは言えないだろう。

さらにBakktがローンチした翌日、奇遇にもBTC相場が前日比15%以上暴落、業界内では、「Bakktの出来高の少なさが”失望売り”につながった原因の一つ」などと、責任転嫁するような論調も見受けられた。

バイナンスのOTC取引部門もその一つで、価格の下落は「大きな話題になっていたBakktに対する一般的な無関心である可能性が高い」と表現している。

しかしBakkt関係者は、このような市場の反応に対し「価格発見機能を目の当たりにしているようだ」とコメントした。

BakktのCOOであるAdam White氏は、Bakkは「ビットコインの価格発見のための、全面的に規制に準拠した最初の先物」であり、透明性の高い市場における価格の発見機能を支援したいと説明していた。

Bakktの評価には長期的な視野が必要

Bakktの親会社インターコンチネンタル取引所(ICE)のCEO Jeffrey Sprecher氏は、BTC投資に対し、資産運用会社からの「強烈な興味」はあるが、それが実際の行動につながるかは不明であり、Bakktがウォール街で「ヒットする」かどうかの判断には時間を要すると、ローンチ直前に表明した。

Bakktに対する評価を下すには、1週間という期間はあまりに短すぎる。

CMEの先物取引が開始された際にも、市場最高価格をつけていたビットコインは暴落の憂き目を見た。仮想通貨業界でも機関投資家がBakktを受け入れるには、時間がかかるだろうとの見方が多い。

ブロックチェーンセキュリティ会社CoolBitX社のTom Maxon氏は、保守的な機関投資家がビットコインを受け入れるには、2つのハードルがあると、次のように述べている。

第一に、ビットコインが機関投資家にとって依然として予測不可能なものであること。

第二に、機関投資家の取締役会がビットコインをリスクの高い資産として認識し続けると、信認義務を果たしつつポートフォリオ内の資産に含めるために、ファンドマネジャーが困難な戦いに直面するためだ。

仮想通貨ウォレット会社Coin.SpaceのCEO Jonathan Speigner氏は、Bakktのプラットフォームに「ビットコインに常に懐疑的だった」機関投資家を呼び込むまでには、今後数ヶ月はかかるだろうと予想している。

ナスダックにもインデックスを提供しているBraveNewCoin社は、Bakktが、抑制された機関投資家の需要を取り込むゲートウェイに進化する可能性が高いとしながらも、その需要が具現化するのには時間がかかるだろうと言及した。

滑り出しこそ不調であるものの、業界の多くの専門家は、Bakktをビットコイン製品の未来を切り拓くものとして、高く評価している様だ。

仮想通貨取引所BittrexのCEOのBill Shihara氏は、次のように説明した。

Bakktの規制に準拠した先物市場は、ブロックチェーン業界がどれだけ進歩したかを示す刺激的な瞬間だ。この様なタイプの市場は構築にも、機関投資トレーダーに受け入れられるのにも時間がかかる。

そのため、数日間の取引は長期的な可能性やパフォーマンスを表すものではない。むしろ業界にとって、正しい方向へ向かう一歩だと言える。

CoinPostの注目記事

BTC下落要因「Bakktの売り持ちとBitMEX」=JPモルガン戦略アナリスト
米最大手投資銀行JPモルガン戦略アナリストは、24〜26日のBTC大暴落を引き起こした要因を分析し、可能性の高い2つのポイントを投資家向けの報告書で明かした。
仮想通貨市場に影響を及ぼす「重要ファンダ」一覧表|ビットコイン、リップルなど【3/7更新】
ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)など、仮想通貨市場に影響を与え得る重要ファンダ一覧はこちら。あらかじめイベントをチェックしておくことで、トレードの投資判断に役立てることができる。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧