コロナが日本経済に与える影響
16人の民間エコノミストの予測平均から、日本の2020年4-6月期における実質国内総生産(GDP)が、年率換算で前期比21.7%減となる見込みであることが分かった。日経新聞が報じた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出の自粛や店舗の休業が続き、GDPの過半を占める個人消費が前期比6.9%減となると予想。戦後最悪のマイナス成長となる見込みだ。
内閣府は今月18日に1-3月期のGDPの一次速報を発表する予定。この期間は5.2%減と見込まれており、昨年10月の消費税増税後から3期連続のマイナス成長率となる見通し。増税後の落ち込みから回復しつつあった流れが、コロナウイルスによって完全に途切れた。
予測通りになれば、4-6月期はリーマンショック後の2009年1-3月期に記録した17.8%の減少を超えることになる。また3期連続のマイナスは、東日本大震災前後の10年10-12月期から11年4-6月期以来となる。
米議会予算局は、米国の実質GDPは4-6月期に年率40%のマイナス成長になると予測。日本の4-6月期の輸出は17%減となっており、これはリーマン危機以来の大幅な減少で、内需も外需も厳しさを増している状況だ。
日本政府は全国に発令された緊急事態宣言の延長を表明している。延長期間などの詳細はこれから発表される予定だが、今回の予測は延長による下振れは織り込み済みだ。
国際通貨基金(IMF)は今年の後半から世界経済が回復に向かうとみており、エコノミストも7-9月期は平均で年率9.9%の成長を見込んでいる。しかし経済活動再開後に第二波が到来することを危惧するなど、今後もコロナウイルスの影響が長引けば、回復にはさらに時間がかかるとみられる。
参考資料 : 日経新聞