はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン半減期直後のマイナー動向は、デジタルゴールドとして試される真価

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

ビットコイン(BTC)は、2020年5月11日19:23UTC(日本時間12日4時頃)、#630,000ブロックに到達したことで「半減期」を迎えた。

出典:Blockchain.com

ビットコイン価格は乱高下

12日のビットコイン(BTC)価格は、前日比0.58%安の93.1万円(8650ドル)。前日からの騰落率で見ると変化はないが、半減期思惑でボラティリティが急上昇した結果、900ドル幅乱高下している。

半減期2日前の10日に暴落(①)したBTCは、その後大幅反発。上下に動きながら三角保ち合いを上抜けると、半減期直前の11日21時すぎには一時9160ドル(98.4万円)まで(②)急上昇した。

しかしその後、過熱感から大幅反落。半減期経過直後の影響を見極めるべく一斉に売りに傾いたことで、一時8300ドル(89.1万円)を割り込んでいる。(③)

一方、3月12日に発生した株式市場崩壊に伴う「コロナショック」の大暴落後を起点にしたチャネルでは上昇トレンドラインを割り込んでいないとの見方もあり、このまま下落トレンド転換するのか、あるいは再び上値を追いに行くのか、半減期後1週間の価格推移は特に注目されるだろう。

半減期後のマイナー動向は

半減期後に警戒されていたハッシュレート(採掘速度)の急落やブロック生成遅延などは見られず、杞憂に終わる可能性がある。

大手仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXは、各マイナーの半減期後の損益分岐点から半減期後のハッシュレートを試算し、半減期によってハッシュレートが30%〜35%低下する可能性があると指摘していた。

マイニング業界に携わる蒼龍 影丸氏の観測によれば、ブロック生成間隔比較で割り出したハッシュレート実数値は減少しているものの、市場に想定されたほどの落ち込みは見せていないようだ。少なくとも現時点では、半減期に備えてきたマイナーの稼働継続を意味している。

金融緩和の影響とビットコイン

ブロック報酬が半減するマイナーにとってはネガティブであるが、ビットコイン(BTC)の新規供給量が減少することで希少価値に加え、通貨の発行量引締めによって、インフレーション発生を抑制し価格の安定化を図るという点において、金(ゴールド)と同様の性質も有している。

米資産運用会社VanEckは今年1月、The Investment Case for Bitcoinと題したレポート内で、恒久性、希少性、匿名性を有するビットコイン(BTC)はすでに貨幣的価値を持っており、デジタル・ゴールドとしてのポテンシャルを秘めていると指摘した。

また米最大手仮想通貨取引所コインベースは、ビットコイン(BTC)について「過去10年間、国際経済の不確実性の高まりの中で大幅に上昇した。」と指摘。半減期を経て、供給量が年間1.7%に減少することでデジタル・ゴールドとしての性質が強まると言及している。

出典:inbitcoinwetrust

Coin Metricsのデータを使用したElectric Capitalのチャートでも、今回の半減期に伴い、ビットコインのインフレ率が金よりも低くなったことを示している。

Coin Metrics / Electric Capital

今年3月、新型コロナウイルス感染拡大に伴い株価などが暴落した米国では、金融市場のパニックを抑制するため、大規模量的緩和など矢継ぎ早に対策を講じた。量的金融緩和政策(Quantitative easing、QE)とは、金利引き下げではなく、市中銀行が保有する中央銀行の当座預金残高量を拡大させることによって金融緩和を行う金融政策だ。

インフレ局面では、希少性の高い金やプラチナなどの貴金属は、値下がりしにくい資産とされる。実質金利がさらなるマイナスに転じ、ゴールド需要が高まっている。

この状況を指し示すように、貴金属投資大手BullionVaultは先日、新型コロナウイルスのパンデミックが発生した今年3月、金地金現物を購入したブリオンボールトの顧客数と3月に口座開設し金を購入した顧客数が急増したことを明かした。

大規模量的緩和に伴う法定通貨のインフレーションで物価が上昇すれば、相対的に現金(預貯金)の価値が目減りする懸念も生じるため、デジタル・ゴールドの性質を有するビットコイン市場にとって追い風となり得る。

著名投資家ノボグラッツ氏は、前向きなマクロ見通しとともに、大手ヘッジファンドのパイオニアとして知られるポールチューダージョーンズ氏が、「ビットコイン(BTC)は、インフレ局面で高騰した1970年代のゴールドを彷彿とさせる」と言及し、ビットコイン領域に参入したことは注目に値すると述べた。

チューダーインベストメントが管理するBVIグローバルファンドは、ビットコイン先物を保有する可能性があるとしている。ジョーンズの研究チームによる「価値の保存」を評価した資産ランキングでは、BTCに対する評価が垣間見える。

  • 金融資産:71
  • 金(ゴールド):62
  • 現金:54
  • ビットコイン:43

大手マイニングプールのf2poolが採掘した、第3回半減期前の最終ブロック「#629,999」では、ジェネシスブロックに「“The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for bank”」の文字を刻んだサトシ・ナカモトの想いを11年越しに伝えたメッセージとして注目されている。

“Ny Times 09/APR/2020 With $2.3 Trillion Injection, Fed’s Plan Far Exceeds Its 2008 Rescue”

「米連邦準備制度理事会(FRB)が追加で提供する2兆3000億ドルは、2008年の救済額を超える」

3回目の半減期を迎えた2020年、ビットコインの真価が試されている。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/20 火曜日
08:02
ステーブルコイン大手サークル、コインベースとリップルから買収アプローチ=報道
USDC発行元のサークル社が50億ドル以上の企業価値での買収提案を複数社から受けている。リップルとコインベースからアプローチされ、IPO計画と並行して検討中か。
07:45
過去最高515億円含み益達成、エルサルバドルのビットコイン投資
エルサルバドルが保有するビットコインが515億円の含み益を達成。国際通貨基金との合意に反してビットコイン蓄積を継続中。
07:25
コインベース顧客情報流出事件、米司法省が捜査開始=報道
米司法省が仮想通貨取引所コインベースの顧客データ流出事件について刑事捜査を開始。インド拠点従業員への贈賄による情報漏洩で、ハッカーが2000万ドルの身代金を要求していた。
06:40
ストラテジー社とセイラー氏、ビットコイン投資の収益性めぐり投資家から集団訴訟
ストラテジー社とマイケル・セイラー会長が、仮想通貨ビットコインの投資戦略の収益性について虚偽の説明をしたとして投資家から集団訴訟を起こされた。
06:15
Bybit、USDT使用の株式取引開始 ストラテジーなど78社が対象
仮想通貨取引所Bybitが株式取引機能をGold & FXに追加。ストラテジーやコインベース、マグニフィセント7を含む78社株式をUSDTで取引可能。CFDモデル採用で実株保有は不要。
06:05
SEC、ソラナ現物ETFへの決定を延期 21SharesとBitwiseが対象
米証券取引委員会が21SharesとBitwiseのソラナETF提案について決定期限を延期し、パブリックコメントを求めると発表。Canary、VanEckも含む複数企業が仮想通貨ETF承認を競う中、SECの審査が本格化へ。
05:45
米メガバンクJPモルガン、顧客のビットコイン購入を許可
CNBCによると、JPモルガンのダイモンCEOが顧客によるビットコイン購入を許可すると発表。長年の仮想通貨批判にも関わらず顧客選択の自由を重視。
05:35
1100億円相当のビットコインを買い増し、セイラーのストラテジー社
米ストラテジー社は19日夜、2025年5月12日から18日の間に総額1,100億円を投じて、7,390 BTCを購入したことを報告した。
05/19 月曜日
18:00
Bitcoin革命、ZK技術で実現するBitcoinOSのアプローチ
ビットコインの可能性を広げるBitcoinOS(BOS)は、ZK技術を活用してビットコインのコードを変更せずにスマートコントラクト機能やスケーラビリティを実現。BitSNARK、Grailブリッジ、xBTCなどの革新的プロダクトで、ビットコイン中心の統合エコシステムを構築。
17:15
リミックスポイント、最大56億円を調達へ 44億円でビットコイン買い増し
リミックスポイントがEVO FUND向け新株予約権で約56億円を調達。44億円で仮想通貨ビットコイン買い増し、12億円をWeb3バリデーター事業に投資へ。
16:50
変わるWeb3業界の投資地図 今注目のVC3社が語る「実需とインフラ」重視の新戦略
TEAMZ WEB3 AIサミットで取材したC² Ventures、DFG、Jsquareの3社が語るWeb3投資の現在地。実需・収益性・規制対応を軸に見極めが進む中、インフラやAIへの関心、そしてアジア市場の可能性にも注目が集まる。
15:05
アーサーヘイズが今夏以降の「アルトシーズン」再来の見通し 年末までにビットコイン2.5倍予想も
アーサー・ヘイズ氏が仮想通貨の強気相場を予測、今夏を目処にBTC20万ドルへの上昇とアルトシーズン開始を見込む。自身のポートフォリオは20%を金(ゴールド)に配分し「最終的に1〜2万ドルまで上昇」と展望する。米国債務拡大がビットコイン高騰の追い風になると分析した。
14:15
中国系上場企業DDC、5000BTC保有目標のビットコイン準備金戦略を発表 
米国上場の中国系食品企業DayDayCook(DDC)が、ビットコインを戦略的準備金として3年間で5,000BTCの蓄積を目指す計画を発表した。同社は、すでに100BTCを購入済みで、2025年末までに500BTCの取得を目指す。一方、中国の仮想通貨規制をいかに回避するかにも注目が集まる。
13:22
メタプラネット、151億円でビットコイン追加購入 保有数7,800 BTCに
メタプラネットが約151億円で暗号資産ビットコイン1,004BTCを追加購入。保有総数は7,800枚に拡大。5月の資金調達・債務償還の経緯も紹介。
11:40
過去最高値目前のビットコイン、迫るゴールデンクロスが中・長期の買いシグナルを示唆
ビットコインは投資家が重視する50MAと200MAのゴールデンクロスによる買いシグナルが形成間近に。米国債格下げでドル安圧力も追い風にとなるか。トランプ米政権の貿易・関税政策とインフレ懸念がのヘッジ需要を高める可能性が指摘される中、さらなる上昇を示唆する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧