中国系企業の初購入事例
香港証券取引所に上場する中国企業「Meitu(美図)」が財務資産を利用し、暗号資産(仮想通貨)ビットコインとイーサリアムを購入したことを発表した。
Meituは主に、スマホやパソコン用の画像や動画の編集・加工アプリなどのサービスを提供する会社で、時価総額は117.88億香港ドル(約1,640億円)に及ぶ。
公式発表によると、3月5日に実施した購入で、ビットコイン(BTC)を1,790万米ドル、イーサリアム(ETH)を2,210万米ドルで購入。購入した仮想通貨の数量は、約379 BTCと15,000 ETHとなり、ETHが上場企業(非仮想通貨関連企業)の財務資産として組み入れられた最初の事例となった。
また、今回の購入は取締会が承認した投資計画の一環。仮想通貨への投資は現金額1億米ドル未満との条件が設けられている。発表では、「Meituグループ」が「Meitu,Inc.」という上場企業および中国国外の登録企業を含めているが、購入に使用された現金資産は、Meitu,Inc.が保有するものだったと説明されている。
Meituによるビットコイン・イーサリアムの購入は、中国登記の上場企業(香港を含む)が初めて発表した購入事例として、投資家から注目を集めている。特に、香港の上場企業でありながらも、本社が中国(メインランド)に所在(登記:ケイマン)することで、中国政府の仮想通貨取引禁止政策がどのように影響するか、今後の注目事例となりそうだ。
CEOが仮想通貨投資家
MeituのWensheng Cai CEOは仮想通貨投資家としても知られている。2018年の中国メディアインタビューで、個人として将来1万BTCを持つことを目指しており、すでにビットコインを所有していることを明かしている。そのほか、ThetaやOntologyなど複数のプロジェクトにも投資していることに言及した。
Cai氏は中華系大手仮想通貨取引所OKExの投資家でもあるが、2018年にローンチした独自の仮想通貨BECで、スマートコントラクトの脆弱性を利用されハッキング事件が発生し、価値が急落した過去もある。