はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米NY州金融サービス局、ステーブルコイン「BUSD」の発行停止を命じた理由を説明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BUSDの発行停止

米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は13日、パクソスに米ドルステーブルコイン「バイナンス USD(BUSD)」の発行停止を命じたことについて、消費者に注意喚起を行った。

関連米ニューヨーク当局、パクソスにステーブルコイン「BUSD」の新規発行停止を命じる

発行停止を命じた理由は、BUSDについて、パクソスとバイナンスの関係で未解決の問題が複数あると説明。その上で、パクソスが消費者に対し、BUSDについて発表を行なっていると伝えた。

NYDFSは、イーサリアム(ETH)ブロックチェーン上でBUSDを発行する認可はパクソスに与えたと主張。一方で、他のブロックチェーン上で発行されるBUSD(Binance-peg BUSD)は認可していないと述べている。

バイナンスの公式ウェブサイトによると、イーサリアム上のBUSDは、NYDFSの監督下でパクソスが発行。イーサリアム上のBUSDをロックして、同量のBUSDを他のネットワークで発行するサービスはバイナンスが提供している。

NYDFSの担当者は発行停止を命じた理由について、「ロイター」に対し、パクソスがリスク管理や、バイナンスやBUSDの顧客に対するデューディリジェンスの義務に違反したと説明した。それによってバイナンスが犯罪者に悪用される可能性もあると述べている。

また、「ブルームバーグ」は14日に、ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」運営企業サークル社の動向を報道。サークル社は昨年の秋、ブロックチェーンデータを確認し、バイナンスがBUSDの準備金を十分に保有していない可能性があるとNYDFSに伝えたと報じている。

NYDFSは、パクソスは対象の顧客に対し、BUSDを1:1で米ドルと償還するする義務があると伝え、NYDFSも償還を監督していくとした。

なお、BUSDについて、SEC(米証券取引委員会)が「未登録証券にあたる」と主張しているとも報じられているが、この点について本記事執筆時点では、SECから正式発表はない。

関連初心者にもわかるステーブルコインとは|特徴やユースケースを解説

パクソスの発表

NYDFSの命令を受け、パクソスは13日、今月21日からBUSDの新規発行を終了することを発表。BUSDを巡るバイナンスとの関係も終了すると説明した。

そして、同社はNYDFSの監督下にあり、四大会計事務所のうちの1社に監査も受けていると主張。これからも顧客資産の安全性を最優先に考え、BUSDの準備金の管理を続けて、最低でも2024年2月まではBUSDの償還に応じるとした。

また、パクソスは、同社が発行するBUSDは1:1の割合で準備資産に裏付けられていると強調している。

関連ステーブルコイン発行企業Paxos、米規制当局から調査か

さらに、報道されたSECのBUSD有価証券主張に対しては、「断固として反対し、SECのスタッフと協力し、必要であれば積極的に訴訟を起こす用意がある」とコメントしたという。

バイナンス側の説明

今回の問題を受け、バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOはツイッターでコメントを発表。パクソスがBUSDの新規発行を終了することは聞いていると説明し、顧客の資産は安全であると述べ、まずはユーザーらの不安払拭に努めた。そして、これからはBUSDの時価総額が時間をかけて減少していくだろうとの見方を示している。

関連世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスとは|企業としての取り組みを紹介

一方で、SECとパクソスの関係については、報道以外の情報がないと説明。訴訟に発展しても、それはSECとパクソスの間における訴訟だとの認識を示した。

CZ氏は、自身は米法律の専門家ではないとしながらも、BUSDのようなステーブルコインが、なぜ有価証券に該当するのかは不明であると主張。もし、BUSDが有価証券であると決定すれば、米国における仮想通貨業界の発展に重大な影響を与えると指摘している。

また他にも、バイナンスはこれからもBUSDをサポートし続けるが、やがてユーザーが離れていくことは予想していると説明。その場合は通貨ペアの変更など、プロダクトに修正を加えていく必要があるとの見方を示した。

バイナンスは2022年秋の9月、取引所におけるステーブルコインの利用をBUSDに集中させる方針を発表。同月に、USDCなどのステーブルコインをBUSDに自動変換している。

関連バイナンス主要ステーブルコインの通貨ペア統合|テザーとUSDCで明暗分かれるか

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
12:10
米上院、トランプ氏の仮想通貨推進派2名を承認 CFTC・FDIC新委員長が就任へ
米上院は12月18日、トランプ大統領が指名したマイケル・セリグ氏をCFTC委員長に、トラビス・ヒル氏をFDIC委員長に承認した。両氏は仮想通貨推進派として知られ、デジタル資産に対するより友好的な規制環境の実現が期待されている。
11:28
米仮想通貨市場構造法案、1月に上院審議へ ホワイトハウス当局者が確認
米ホワイトハウスの仮想通貨担当官が、仮想通貨市場構造法案(クラリティ法案)の1月上院審議入りを確認。業界と伝統的金融機関が最終協議を実施、超党派の協力が成立の鍵に。
11:09
「10月の歴史的暴落の後遺症続く」ラウル・パル、仮想通貨の下落圧力は市場操作ではないと分析
グローバルマクロ投資家のラウル・パルが、10月10日に発生した仮想通貨市場の歴史的暴落について詳細を分析。市場操作の指摘は的外れであり、トランプ関税ショックとバイナンスの深刻な技術障害が重なり、数兆円規模の強制決済をもたらした大規模ロスカットに繋がったという。
10:35
SOL保有企業フォワード・インダストリーズ、株式をトークン化
仮想通貨ソラナの財務企業フォワード・インダストリーズは、自社の株式がソラナブロックチェーン上でトークン化されたことを発表。トークン化株式はDeFiで利用できるとした。
10:05
仮想通貨保有企業株、MSCI除外で約2兆円売却圧力 来年1月に判断
MSCIが仮想通貨保有企業を指数から除外する提案を検討。実施されれば39社で最大150億ドル(約2.2兆円)の強制売却が発生する可能性。業界は1,268の署名を集め強く反発。2026年1月15日に最終判断。
10:02
イーサリアム財団、「ステート肥大化」のリスクを指摘 3つの対応策提案
イーサリアム財団が、ネットワークのステート増大が続くことによる中央集権化リスクなどを警告した。この課題に対する3つの対策を提案している。
09:35
NYSEの運営会社ICEが仮想通貨企業ムーンペイに出資交渉、評価額50億ドル目指す
ニューヨーク証券取引所を運営するICEが仮想通貨決済企業ムーンペイへの出資交渉を進めていることがブルームバーグの報道で明らかになった。
08:35
JPモルガン、ステーブルコイン市場の成長予測を維持も1兆ドル規模には否定的
JPモルガンのアナリストがステーブルコイン市場は2028年までに5000億ドルから6000億ドルに達すると予測し、1兆ドル規模の予測を否定的に評価した。成長は仮想通貨市場全体と連動すると見ている。
07:55
トークン化株式xStocks、TON Walletに対応
株式のトークン化プラットフォームxStocksは、TONブロックチェーンのTON Walletに対応したことを発表。ユーザーはテレグラムからトークン化した株式やETFにアクセスできる。
07:44
JPモルガンのJPMコイン、コインベースのベースチェーンに移行
JPモルガン・チェースがデジタル預金トークンJPMコインを独自の内部ブロックチェーンからコインベースの「ベース」に移行した。機関投資家の需要に応え、24時間365日のほぼ即時決済を可能にする。
06:40
ビボパワー、韓国ファンドに4.5億XRP相当のリップル株式を調達へ
ナスダック上場のビボパワーがデジタル資産部門を通じて韓国の資産運用会社リーン・ベンチャーズ向けに3億ドル相当のリップル・ラボ株式を調達する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧